現役時代は寡黙な天才打者が今や「スイーツおじさん」で脚光

現役時代は寡黙な天才打者が今や「スイーツおじさん」で脚光

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  • 更新日:2021/02/23
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2007年に2千安打を達成した前田智徳(C)朝日新聞社

現役時代のイメージからすれば、今の「キャラ変」は信じられないかもしれない。現役時代に「天才打者」と呼ばれ、通算2119安打をマークした元広島の前田智徳氏(49)だ。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの人

その意外な個性が脚光を浴びている。YouTubeチャンネル・背番号5【テレビ朝日スポーツ公式】の「前田智徳の野球の話をするんじゃ!」では、落合博満氏との知られざるエピソードや、憧れていた打者について語っている。内容は硬派だが、時折、冗談や毒舌を交えながらしゃべり倒している。

また、前田健太(ツインズ)や川上憲伸氏のYouTubeにも登場。独特の語り口で「前田ワールド」を展開し、「黒歴史」、「ディする」など流行の言葉も使う。人気野球YouTuber・トクサンの動画「トクサンTV」にも出演。貴重な野球理論を語り、軟式球の打撃練習で現役時代と変わらない美しいフォームを披露した。

視聴者からは、

「前田さんが現役の時はこんなにしゃべれる人とは思わなかった」

「前田智徳 現役の時は相当気難しかったけどほんと丸くなったよなぁ(笑)昔のその類の話をすると『そんなことないよ』感出してて面白い」

など寡黙なイメージとのギャップに驚きがありつつも好評だ。

確かに現役時代は寡黙で、侍のような雰囲気を身にまとっていた。試合中に他球団の選手と談笑している姿は皆無。本塁打を打っても首をかしげ、ダイヤモンドを一周する。目指す理想の打撃が他の選手と別次元だった。広角に鋭い打球を放つ打撃技術は唯一無二。落合博満氏が認め、イチロー氏も尊敬の念を抱く「孤高の天才打者」だった。

広島を担当したことがあるスポーツ紙記者はこう語る。

「人前に出ることが好きでなく、試合で活躍してもヒーローインタビューを拒否することは珍しくなかったですね。自分のパフォーマンスに納得していないのと、他の選手のほうがふさわしいという思いがあったのでしょう。あと、あれだけの天才打者なのに自己評価が低い。打撃の求道者という雰囲気でマスコミもなかなか近寄れませんでした」

ただ、決して堅物ではないという。

「信頼している後輩の前で見せる姿が『素の前田さん』だと思います。ちょっとオラオラしているんですよ(笑)。でも、よく話すし、根っこが優しいから後輩たちも前田さんについていく。現役時代は体調管理もあるので節制していましたが、スイーツも好きですしね。特につぶあんが大好きです」

引退後にはスイーツについて熱弁する姿が話題に。解説の仕事で訪れた球場で試合前にクレープを食べたり、シュークリームを探したりする写真がツイッターで投稿されるようになり、ファンの間で愛情をこめてつけられた愛称が「スイーツおじさん」だ。

前田氏をよく知るテレビ関係者はこう話す。

「スイーツおじさんと呼ばれて納得していないかもしれませんが、嫌な気持ちではないと思います。前田さんはツンデレなので。いじられることを嫌がりますが、本当は嫌いじゃない。いずれは広島のコーチ、監督として球界復帰する可能性が十分にあります。その時は勝負師に戻るので、今の姿は貴重かもしれません」

現役時代と同様に、前田氏は今後も一挙手一投足が注目されそうだ。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事

梅宮昌宗

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