History of SUPERSPORT-SINCE 1974- 途切れながらも続いてきた正統派ドゥカティ

History of SUPERSPORT-SINCE 1974- 途切れながらも続いてきた正統派ドゥカティ

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  • 更新日:2021/09/15
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途切れながらも続いてきた正統派ドゥカティ

2021年型でモデルチェンジしたSUPERSPORT 950。そのルーツとなるのは、Lツインと称された90度2気筒エンジンに、デスモドロミックを初搭載した750SSだ。SUPERSPORTは消滅と復活を繰り返しながらも、そのコンセプトは脈々と続いてきた。

乗り手の要求に過不足なく応える最適なスポーツ性能

スーパースポーツ(以下、SS)という車名は、かつてドゥカティのフラッグシップマシンのものだった。その源流は1972年4月、イモラ200でポール・スマートが走らせて優勝したF750ワークスレーサーにある。この勝利を記念したレプリカモデルが750SSだ。’73年3月にプロトタイプを発表後、同年末から市販車の生産がはじまり、およそ400台が出荷された。

同時期にラインナップされていた750GTとは空冷Lツインというエンジン型式と排気量こそ同じだが、750SSにはデスモドロミックを採用していた点で大きく異なる。

’75年には排気量を864㏄とした900SSが登場。最高出力は73㎰で750SSと同数値だが、低回転域でパワーとトルクを生むため乗りやすさに優れた特性だった。

そして’79年、900MHRが登場する。MHRとは『マイク・ヘイルウッド・レプリカ』の略称で、’78年のマン島TTでの優勝を記念したレプリカマシンである。900SSは’82年まで生産されたが、フラッグシップの座を900MHRに譲り、それから数年間、SSという車名はラインナップから姿を消す。

やがてフラッグシップはパンタ系Lツインを搭載する750F1となり、’88年の851スーパーバイクへと継承されていく。こうしてドゥカティのフラッグシップはレーサーと密接な関係を持つマシンが担うことになり、レーシングイメージを強固に確立するスタイルが定着した。

SSの復活はドゥカティのそうしたイメージ戦略と、ラインナップのキャラクターが明確になった頃だ。スーパーバイク直系851。スポーツツアラーのパゾ。その中間を埋めるSSは、ストリートを中心にサーキットも楽しめる走行特性とし、851の水冷Lツインに対して空油冷とすることで、パワーだけでなくエンジンフィーリングも楽しめる。 スーパーバイクというフラッグシップがいることで、SSは速さだけでなく、乗りやすさを追求することができた。それがSSの強みだった。

しかしスーパーバイクとモンスターの狭間でSSは再び影を潜め、北米仕様として細々と残った。そうして’98年、燃料供給をインジェクションとしてフルモデルチェンジしたSSが現れる。車体設計はピエール・テルブランチが担当し、車名はSS900と変更された。だがまたしてもSSはドゥカティのラインナップの中でさまようことになる。

ST、ムルティストラーダ、ハイパーモタード、スポーツクラシックなど個性的なマシン群に没してしまったのだ。 しかし、SSは’17年にまたも復活した。パニガーレとは一線を画し、現在のラインナップで「ストリートに根ざしたスポーツ性能」というキャラクターを確立させた。時代に翻弄され続けたSSではあるが、そのコアコンセプトはドゥカティがずっと大切にしてきたものなのだ。

歴代 スーパースポーツ進化のあゆみ since 1974~present 2021

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1974 750SSイモラレプリカと呼ばれたプロトタイプの翌年に発売し、ドゥカティを象徴するモデルとなった。市販車のLツインとしてデスモドロミック機構を初採用した他、高圧縮比のピストンなどによって750SPORTよりも最高出力は9ps高められており、ドゥカティのフラッグシップスポーツモデルとして君臨

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1975 900SS                                                                                                                                                                    750SSの好評を受けて排気量を864㏄とした900SSが翌年に登場。初期型はコンチ製マフラーやデロルト製φ40mmキャブレターを装着していたが、それ以降は騒音規制に合わせてキャブレターはφ32mm、ラフランコーニ製の静かなマフラーが装着されるようになった。そして’82 年まで生産され、ドゥカティのフラッグシップを担った

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1977 900SS DARMAH’77 年に登場した900SD DARMAH は、 デスモエンジンを搭載したスポーツツアラーで、スタイリッシュな外装が特徴だ。’79年にはロケットカウルを装備した900SS DARMAHが登場して人気となった

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1989 900SS                                                                                                                                                                    750SPORTをベースとして設計された900SSは、卓抜したスポーツ性だけでなく、扱いやすさも兼ね備えていた。外観こそ大きく変わらないものの全面的に設計を見直した’91年式で人気がさらに高まり、ハーフカウル版も登場(写真は後期型となる’91年式)。さらに軽量な900SLなる派生モデルも生まれた

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1991 750SS                                                                                                                                                                          主軸こそ900だったが(とくに日本では900に人気が集中していた)、750SSも同時に登場し、その後のフルモデルチェンジ以降も生産され続けた。また、600SSや400SSなど排気量の小さなモデルも拡充され、SSシリーズの人気を不動のものにしていった

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1998 SS900インジェクション化を中心としたフルモデルチェンジを行い、車名の前後が入れ替わった第3世代。フェアリングは曲面を生かした造形で、先代同様にハーフフェアリング版もラインナップされた。やはり750ccモデルも継承され、後期型では800cc化、900は1000㏄へと拡大されたが、’06 年式が最終となった1975900SS

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2017 SUPERSPORT                                                     およそ10年の時を経て復活した第4世代SS。エンジンは水冷のテスタストレッタ11°で、他モデルよりも扱いやすいトルク特性としている。電子制御デバイスも充実の装備で、これまでのSSと比べるとややツアラー寄りのキャラクターとなっているが、ストリートを中心にサーキットも楽しめる特性は変わっていない

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2021 SUPERSPORT 950                                                                                                                                                        ユーロ5対応としたエンジンや最新電子制御デバイスの搭載などのアップデートに加え、フェアリングを全面刷新した。とくにフロントフェイスはパニガーレのイメージを踏襲したものとし、スポーティさを強調するデザインとなった

750SSの復刻版ともいえる スポーツクラシックPaul Smart 1000 LE

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イモラ200でポール・スマートが走らせて優勝したF750レーサーをモチーフとしたこのモデルは、車名こそ違えどやはり復刻版750SSといえるだろう。エメラルドグリーンのフレーム、シルバーのボディとロケットカウルが美しく、当時から今に至るまでコアなファンが多い名車である。’03年東京モーターショーで発表され、’06 年に発売。生産台数2000台限定モデルだったこともあり、中古車市場でも流通は少ない。そのため価格は当時の新車価格189万円を上回る相場で取引されているのが現状だ。

RIDERS CLUB 編集部 RIDERS CLUB 編集部

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