
作新学院に敗れた大分商ナイン
第95回記念選抜高校野球大会の第2日第2試合は大分商が作新学院(栃木)に6―8と敗れ、26年ぶりの白星を逃した。2点差に迫った9回はまさかの幕切れだった。一死一、二塁と作新学院4番手の磯を追い詰め、丸尾の左飛でスタートを切っていた一走の江口が二塁を通過。二走を追い抜き、さらにあわてて帰塁する際に二塁べースを踏まなかった。審判団の協議の末、アピールプレーで併殺の判定。非情のサイレンが鳴り響いた。
泣き崩れる江口にナインが次々と「お前のせいじゃない」と声をかけた。江口は「急いで戻って二塁ベースを踏んでなかった。頭が冷静になれなかくて、戻った後で気づいた。自分のミスで試合が終わった。経験を生かして夏に帰って来たい」と涙を拭った。
安定感のあったエース・児玉が2回に一死二、三塁とされ、7番の上野に左前に弾かれて2点を先制される。その後も制球を乱して二死満塁とし、2番・東海林に適時打を許して4点目。序盤から相手にペースを握られた。打線が中盤から反撃するが、すぐに引き離されて追いつけない。1点差に迫った7回には2番手の飯田が踏ん張り切れず、追加点を与えて再び突き放された。
追撃もあと一歩及ばなかったが、那賀監督は「ルールの把握だとか課題も残ったので夏に向けて取り組ませたい。江口も整理がついていないと思うし、敗戦の責任が江口にあるということではない。9イニングを精いっぱい戦った中での攻防の差が出た。失敗を全員で確認して、次に頑張ろうと私は捉えている」と江口をかばい、「追い上げる形を作れたのはそこは成長。まだここ1本の心意気が足りない。ハートで突破し、理屈を超越した勝負ができないと勝てない。そこは彼らも感じたと思う」と再起を誓った。
東スポWEB