見た目はカングーそのものながら中身が激変した新型「カングー」4つの進化ポイント

見た目はカングーそのものながら中身が激変した新型「カングー」4つの進化ポイント

  • @DIME
  • 更新日:2023/03/19

ルノーが誇るユーティリティカー、カングーがおよそ14年ぶりに完全新開発。「遊びの空間」が「もっと遊べる空間」に大進化した3代目となった。多くの欧州車のモデルライフが6-7年ということを考えると、一気に2世代新しくなったということだ。ここでは、そんな新型カングーの4つの注目すべきポイントを解説したい。

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プラットフォームの刷新

3代目となる新型カングーはプラットフォームを一新。ルノー、日産、三菱のアライアンスで開発した、ルノー・メガーヌ、日産エクストレイル、三菱アウトランダー、そしてメルセデスベンツTクラスにも使われるミドルクラス用CMF-C/Dプラットフォームを採用する。SUVにも使われるだけにボディ剛性の高さは折り紙付きで、先代に対する走行性能の飛躍的向上にも寄与することは言うまでもない。

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新ガソリンエンジンを搭載

新型カングーのパワートレーンは、先代最後期のリミテッドモデルに搭載され、MTと組み合わせもあったディーゼルターボエンジンのトルクアップ版、そしてカングーとして新搭載される、定評あるルーテシアなどにも積まれる1.3L直4 16バルブ直噴ガソリンターボエンジンの2種類を用意。ミッションは現時点でMTの設定はなく、全車2ペダルのセミAT、7速EDCとなる。スペックとWLTCモード燃費はガソリンターボが131ps/5000rpm、24.5kg-m/1600rpm。車重1560kg。WLTCモード15.3km/L。ディーゼルターボのほうはコモンレール式1.5L直4直噴ディーゼルターボエンジン、116ps/3750rpm、27.5kg-m/1750rpm。車重1650kg。WLTCモード17.3km/Lを誇る。

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ガソリンターボエンジン

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ディーゼルターボエンジン

日本専用仕様で上陸!!

日本に輸入されるカングーは、どこから見てもカングーだが、アルカナに近い、メッキモールがカングーとしては新鮮な最新のルノーフェイスを纏ったエクステリアがまずは新型らしさ。そしてボディサイズは先代に対して全長で210mm、全幅で30mm増しとなり、しかし全高は不変。ホイールベースを15mm伸ばした結果、全長4490×全幅1860×全高1810mm、ホイールベース2715mmとなっている。最小回転半径はCMF-C/Dプラットフォーム+16インチタイヤの装着によって、先代15インチタイヤ装着車の5.4mから5.6mとなっている。

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新型の大きな特徴として挙げられるのが、新型らしさ120%のボディ同色バンパー、アウタードアハンドルの洗練されたアピアランス(インテンスグレード)、寝かされたAピラー、薄型化されたサイドウインドー、ショルダーを張り出させた安定感と頑丈さをアピールするリヤエンドのデザイン・・・だけではない。

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じつは、日本仕様として先代までのカングーのイメージを継承するダブルバックドア&ブラックバンパー仕様(クレアティフグレード/ジョンアグリュムのボディカラーのみアウタードアハンドルもブラック。他のボディカラーのアウタードアハンドルはボディ同色)を、乗用車系の日本向けとしてルノー・ジャポンがリクエストし、日本専用仕様として輸入されることになったのである。ちなみに本国でのダブルバックドアは当初、LCVと呼ばれる商用車のみの設定で、乗用車系カングーはホンダ・フリードのような一般的な縦開きのバックドアだった(現在では本国の乗用車系にもダブルバックが加わったが、乗用車系のブラックバンパーは日本仕様のみ)。※新型の日本発売を記念した特別仕様のプルミエールエディション、受注生産のベースグレードとなるゼングレードもある。

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意外かも知れないが、ボディ同色バンパー+16インチアルミホイールのインテンスとブラックバンパー+16インチスチールホイールのクレアティフグレードは、パワーユニットが同じなら同価格なのである!!(例インテンスガソリンターボ395万円、クレアティフガソリンターボ395万円)。これは、ルノー・ジャポンのブラックバンパーに対するこだわり、思い入れにほかならず、ブラックバンパーだから決して廉価グレードではありませんよ、こちらが王道です!!・・・という意思表示とも受け取れる。なお、ディーゼルターボはガソリンターボに対して24万円高の419万円(インテンス/クレアティフグレード)となる。

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一気に進化した先進運転支援機能

先代に対してずいぶん高価になった印象を受けるが(先代ガソリンターボモデルは265万円前後だった/ゼングレードAT)、その理由はまず、インテリアを見れば一目瞭然だ。そこには7インチTFTデジタルメータークラスター、8インチマルチメディアディスプレー、プッシュスタートボタンなどが備わり、インパネ周りの質感の高さに加え、2ゾーンオートエアコン(ルーテシアはシングルゾーン)&後席エアコン吹き出し口、電子パーキングブレーキまで採用されているからだ。

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さらに注目すべきは、先代にまったくなかった(衝突軽減ブレーキさえも)先進運転支援機能が、最新のルノー車同様に標準装備されることになったのだ。新型カングーには、アライアンスと共用しているであろう先進運転支援機能がカングーとして初採用され、その内容は多岐に渡る。歩行者・自転車検知機能付き衝突軽減ブレーキはもちろん、ストップ&ゴー機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)、それにレーンセンタリングアシストを組み合わせたハイウェイ&トラフィックジャムアシスト、ブラインドスポットインターベンション(ブラインドスポットモニターのこと。約70~180km/hで作動)、エマージェンシーレーンキープアシスト、オートハイビーム、パーキングセンサー&リアカメラなどをフル搭載している。

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前席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグの用意とともに、運転支援、安全装備はいきなり最新の内容となり、ゆえに価格もそのぶん、アップしているということだ。先代カングーを、先進運転支援機能が付いていないことが理由で購入に至らなかった人もいるはずだが、新型は395万円~(ゼンを除く)の価格と引き換えに、そうしたカングーの潜在ユーザーさえ取り込める資質、商品力を身につけたことになる。アウトドア派、ペットユーザーにもうってつけの、国産同種のクルマとは一味違うオシャレ度も抜群の超ユーティリティカーに仕上がっていると言えるだろう。

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今回の新型カングーの紹介はここまで。次回、改めてガソリンターボ、ディーゼルターボモデルの試乗記をお届けしたい。走行性能も驚くべき進化を遂げていたのである。

文/青山尚暉
写真/青山尚暉・ルノー

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