雅子さまファッションに変化が...長年ご愛用の“モスグリーン”クラシカルスーツを「アレンジ」なさる理由

雅子さまファッションに変化が...長年ご愛用の“モスグリーン”クラシカルスーツを「アレンジ」なさる理由

  • 文春オンライン
  • 更新日:2021/01/13

1月7日、菅義偉首相が2度目の緊急事態宣言を発出した。今年は、皇室の新年行事にも大きな影響があった。皇居・宮殿で予定されていた恒例の「講書始の儀」と「歌会始の儀」は延期になり、3月中に行うことを目指すという。

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昨年、雅子さまは天皇陛下の即位後初めての新年にあたって「歌会始の儀」に17年ぶりに出席され、鮮やかなコーラルのロングドレスをお召しになっていた。ビジューのように見える装飾が襟元や袖口に施されていて、手仕事の細やかさと新年らしい華やかさが目を引いた。こうした年頭の行事での女性皇族方の美しいドレスを通して、新年を迎えたことを実感していた人も多かったのではないだろうか。

ビデオメッセージでも「チャイニーズノット」のジャケットを

例年1月2日に行われていた「新年一般参賀」は中止になり、元旦に天皇陛下の異例の「新年ビデオメッセージ」が公開された。陛下のおことばとともに雅子さまも国民を気遣われるようにご自身の思いを述べられた。「新年祝賀の儀」では、雅子さまをはじめ女性皇族方が、新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの国民が苦労していることを考慮され、例年であればティアラを着用されるところ、控えられた。

あらためてビデオメッセージのお召し物を拝見していると、さりげなく陛下のネクタイの色と雅子さまのジャケットの色を上品なベージュで合わせられていただけではなく、ノーカラージャケットのチャイニーズノット(チャイナボタン)がアクセントとなり、雅子さまらしい装いをなさっていたことに気がついた。雅子さまは組紐をジャケットなどにしばしば取り入れられていて、特にお好きなようだ。昨年、全国戦没者追悼式でお召しになっていたグレーのスーツにもあしらわれていた。ビデオメッセージで雅子さまが選ばれたお召し物は、ジャケットの組紐やベージュ系のラインが洗練された印象を与えつつも、全体として柔らかさやあたたかみを感じさせるデザインだったように思う。

両陛下はザ・キャピトルホテル東急へお出ましに

昨年末の雅子さまの装いで、とりわけ印象に残っているのが、12月14日、環境問題に取り組むNGO「地球環境行動会議(GEA)」が主催する「GEA国際会議2020」の開会式に臨席された際のモスグリーンのスーツだ。

両陛下はマスクを着用されて、ザ・キャピトルホテル東急へ足を運ばれた。雅子さまが長年愛用されているスーツの一つで、ベルベットがあしらわれたジャケットの襟とカフスがクラシカルなデザインのものだ。

モスグリーンのベルベットスーツにある「変化」が…

陛下は開会式で「気候変動やその他の脅威から地球環境の保全を図ることは、私たちが取り組むべき喫緊の課題と言えます」と述べられ、ライフワークである「水」の研究にも言及されたあとに、「現在世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、人類にとって大きな試練です。この困難な状況を乗り越えていくために、今後、私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせていくことが大切です。同時に、この感染症の試練は、私たちの日々の生活や社会の在り方を改めて見つめ直す機会ともなると思います」と続けられた。

実は、雅子さまは同じスーツをご結婚間もない頃から記念式典などでお召しになっているのだが、数年前から新たに襟の縁にグリーンのブレードをあしらわれ、アレンジなさっている。華やかなゴールドだったボタンも、落ち着いた色に変えられたようだ。「GEA国際会議2020」開会式の会場で、雅子さまがお召しのモスグリーンのジャケットに、お帽子と二連のパールネックレス、大粒のパールイヤリングが映えていた。とても上品で、90年代の装いを思い起こした。

当時の雅子さまは、実にさまざまなデザインのお召し物を着こなされていて、1994年11月、中東を訪問された際に、皇太子さまと「赤い砂漠」を悠然と歩かれていたシーンを記憶している人も多いのではないだろうか。このグリーンとの組み合わせも雅子さまのお好みの一つなのかもしれない。

90年代からお召しになっているスーツを直されて、今でも大切に愛用されているのは、洋服を新調するには数多くの工程があるため、雅子さまのご負担を軽減するための工夫でもあるのかもしれないと拝察している。

皇后陛下として…雅子さまファッションの“こだわり”

そして、もともと雅子さまのお好みのデザインであるキャリアウーマン風のもの、Iラインの縦長シルエットのオーソドックスなデザインのお召し物だからこそ、長く着回されているのではないだろうか。時には、新しいアレンジを加えられて、お気に入りの上質なお召し物を20年以上もの間、丁寧に手入れされてお持ちになっている。

2019年5月に天皇陛下が即位され、雅子さまが皇后陛下となられてから1年半あまり。昨年からの新型コロナの感染拡大によって、両陛下が国民と直接お会いになる機会は減ってしまったが、オンライン行幸啓やご近影、映像などを通して、おことばだけではなく、ファッションからも伝わる思いやメッセージもあるように思う。

昨年、赤坂御所でご進講を受けられた際も、雅子さまは様々なスーツを着回されていた。例えば、4月10日に尾身茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長(当時)によるご進講でお召しになっていたアイボリーのスーツは、皇太子時代にマレーシアご訪問に向けて出発される天皇陛下をお見送りされる際にお召しになっていたものだ。着回しは、感染拡大の状況へのご配慮という側面もあったのかもしれない。

私はここ数年、雅子さまが皇后陛下として、どのようなお召し物で日々お出ましになるのだろうか――と考えてきたが、もしかすると、この「アレンジ」の部分で、より一層、雅子さまらしさや雅子さまのこだわりを拝見することができるのではないかと思っている。

「この1年、多くの方が本当に大変な思いをされてきたことと思います。今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします。また、この冬は、早くから各地で厳しい寒さや大雪に見舞われています。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごしいただきますように」

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ジャケットに「チャイニーズノット」を取り入れられた雅子さま 宮内庁提供

ビデオメッセージで敬語や謙譲語を織り交ぜながら、丁寧にお言葉を述べられた雅子さま。2021年、両陛下は国民に向けて、どのようなご発信をなさっていくのだろうか。

(佐藤 あさ子/文藝春秋 digital)

佐藤 あさ子

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