信じている人から裏切られてしまうと、ショックですよね。裏切られたショックから立ち直った人が行ったことは、何でしょうか。
立ち直る人の傾向1:裏切った相手と同じ土俵に乗らないようにした

あくまでも今回の「裏切り」は、犯罪など法的に裁かれるものではなく、日常的に起こりえる出来事を前提にした内容です。
たとえば、ビジネスでの取引先、上司、同僚、部下からの裏切り、またパートナーの浮気、家族や親しい友達の不義理などです。
裏切られると頭にくるし、悲しいし、相手に反省させたくなるものですが、その感情がある限り、なかなか苛立ちから抜け出せないことは多いもの。
それは、「相手次第」だからです。でも、自分以外の人間をコントロールすることなどできません。
結局、裏切る相手というのは、“その程度”の人です。だったら、その相手と同じ土俵に乗る必要があるのか、どうかなのですよね。
もちろん被害が大きい場合は、法的手段をとったほうがいいことはありますが、そこまではない場合は、争うだけ自分も苦しみます。争っていて、「わぁ!楽しい」なんて人は、そうそういないですしね。
「自分に目を向ける」ことも大事
人を恨んでいる状態のときは、「自分の外側」ばかりに目を向けてしまっています。「自分がこんな思いをしているのに、相手はのうのうとしているなんて、許せない!」とか。
でも、私たちはもっと「自分の内側」に目を向けることが大切。「“そんな残念な相手を恨み続ける機嫌の悪い自分”でいたいのか、どうか」ということです。
「相手がどうであるか」よりも、「自分がどんな状態でありたいのか」のほうが、自分にとっては大事なことだからです。
自分の心の中にずっとそんな残念な相手がいては、不愉快なまま。それは、裏切られた出来事はきっかけではありますが、その後は「自分で自己を不幸にしている」ものです。
人生の時間は有限なので、貴重な自分の時間を気分の悪いことに費やすよりも、もっと人と笑い合えるような楽しいことに使いたいものです。
結局、「恨みを抱いていても、自分が幸せになれないこと」を理解する人ほど、そこから抜け出します。そんなのは、人生の損だと気づくからです。
相手を許すかどうかは別にしても、ひとまず「保留」にして、自分は楽しいことに目を向けて時間を使うようにしたほうがいい。もっと「自分が幸せになること」に集中するのです。
「裏切った相手を恨み続けてしまう人が気づきにくいこと」があります。それは何なのか。次のページで紹介します・
立ち直る人の傾向2:「裏切った相手の弱さ」を理解した
裏切られた側の人は気づきにくいことではありますが、よほどサイコパス気質でない限り、多くの人は「人を傷つけたい」「悪人になりたい」とは考えていません。
どんな人でも、「できることなら、自分は素敵な人でありたい」と思っているものです。自分が残念な人間でいると、自己嫌悪で苦しくなってきますしね。
だから、たとえ人を裏切る形になってしまったのだとしても、「相手を傷つけること」を目的に行ったわけではなく、その人にはそうする手段しかもっていなくて、「結果的に裏切ることになってしまった」パターンが多いのです。つまり、“心弱き人”なのです。
たとえば、浮気にしても、欲望に負けてしまったから(=理性が弱くて、我慢をするのが苦しくて)してしまうことが多いもの。夫婦関係がうまくいっているなら尚更、わざわざ「パートナーを苦しめたいから、浮気しよう!」と考える人は、まずいません。
むしろパートナーのことは大切にしていたいけど、自分の欲望を抑えられなかったパターンである可能性は高いでしょう。
でも、浮気されたほうは、「“私(僕)を傷つける行為”をパートナーにされた。私(僕)のことを大切にしてくれていない!」といった被害者意識が強くなりがち。
だから、「傷つけたいわけではなかった浮気者」と「どうして私(僕)を傷つけるようなことをしたのかと詰め寄るパートナー」とでは、話し合いがすれ違ってしまうことが多いのです。
ビジネスにおいても同様です。基本、裏切る人は、視野が狭く、自己中心的な性格で、社会的地位、権力、お金などを人一倍求めていることが多いもの。
だから、「相手を憎い」から裏切るのではなく、単に「自分の欲望に負けてしまっている」ことが少なくないのです。
心弱き人が持っている選択肢は、少ない
心が強い人は、理性的で色々な選択肢を持っていることが多く、基本的には人を犠牲にしない形で自分が幸せになる方法を選びます。
でも、心弱き人は、そういう選択肢(能力)を持っていません。だから、自分の幸せのために人を裏切ってしまうことが多いのです。
さらに言うと、人を裏切って幸せになろうとする人は、たとえ一時的に幸福を得られたとしても、その幸せが長続きしないことは少なくありません。
それは、その人が特定の人に対してだけでなく、誰に対しても裏切るような行為をしてしまうことが多いからです。
つまり、その人は「(人を不幸にしたいと思っているわけではないけど)残念な手段しかもっていない、能力の低い人物」に過ぎないのです。
先ほどの「同じ土俵に乗らない」ことにもつながりますが、結局、裏切られた側は、「こんな卑怯で弱い人だったんだ? もう呆れて怒る気すらなれない」といって、距離を空けるケースが少なくありません。
それは、その憎き裏切り者は、「私(僕)を傷つけた“最強の敵”」ではなく、単に「人を犠牲にしないと幸せになれない“心弱き卑怯者”」だと気づくからです。大人が小学生相手に本気で怒らないのと同じことです。
また、「相手が自分を傷つけるつもりでやったわけではない(結果的に、傷つけてしまっただけ)」というのを理解することで、自分のプライドが保たれ、怒りがおさまる人も少なくないでしょう。
次に紹介することは、「恨み続ける人とそうでない人の、大きな違い」といっても過言ではありません。
立ち直る人の傾向3:裏切られる前よりも幸せになった
裏切られるのはショックですが、「相手がそんな残念な相手だと気づかないまま関わっている状況」のほうがよくありません。
意外と裏切りから立ち直った人は、そんな卑劣な相手と離れたことで、幸せになるケースも少なくありません。残念な相手とつるんでいると、足を引っ張られていることもありますしね。
たとえば、「仕事相手に裏切られたけど、それまでの経験と実力を生かしたら、もっといい仕事を手に入れた」「パートナーに浮気をされて別れた後、素敵な人と出会い、幸せになった」なんて人もいます。
そうやって、裏切り者と関わっていたときよりも幸せになると、そんな過去のことなんて、どうでもよくなってしまうことが多いもの。
むしろ、「あの残念な出来事があったおかげで、(自分が成長し、)本当の幸せを手に入れることができた」と感謝することすら、あるくらいです。
そんな風に「自分で幸せになる力」を持っている人は、何があろうと、結果的に幸福を掴めることが多いのです。
自分の力で幸せになれる人に!
裏切られたときは、相手だけでなく、「自分自身の在り方」も問われます。
結局、恨みを抱き続けてしまう人は、「その裏切り者が自分の理想通りの言動をとらないと、自分は幸せになれない」といった執着や依存、思い込みがあるケースも少なくありません。
自分で幸せになる力があるなら、裏切り者と繋がっている手をパッと放すことができるはず。そのほうが時間を無駄にしないし、建設的な言動をとれることは多いでしょう。
誰に対しても裏切る人は、存在します。そんな相手と出くわしてしまったときは、“その人がいなくても幸せになれる自分”でいることは重要です。
裏切った相手のことなど忘れて、自分が幸せになることに集中し、その怒りや悲しみから乗り越えたいものですね。

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コラムニスト・ひかり