今年も梅雨入りしましたね。雨の日は頭痛やだるさなど体調不良に悩まされたり、湿度で髪の毛がボワボワになったりと憂鬱に感じることも多いですが、なかには楽しみながら過ごしている人もいるようです。今回は、そんな女性3人のエピソードをご紹介しましょう。
◆雨の日が楽しみな理由
佐藤友梨奈さん(仮名・30歳・会社員)の場合。

写真はイメージ(以下同じ)
「朝起きて雨が降っていると学生の頃は、嫌だなと思いましたが、今はむしろワクワクしますね」
その訳は友梨奈さんがよく利用しているお気に入りのパン屋さんが、雨の日に行くと10%値引きされ、さらにポイントもいつもの倍もらえるからだそう。
「なので雨の日はついつい買い過ぎちゃって。ここぞとばかりに普段なら買わないパンを試してみる冒険をしたりして(笑)結構楽しいんですよ」
◆雨の日はお得がいっぱい
そして、友梨奈さんが勤めている会社の近くにある喫茶店にも“雨の日サービス”があります。

「雨の日にランチメニューを頼むと、唐揚げをサービスしてくれるんですよ。そしてコーヒーのおかわりも無料になるのでお得感ハンパないんですよね。なので雨だといつもより混んでたりするんですよ」
そんな友梨奈さんは、Twitterなどで雨の日サービスをしているお店の情報を集めるのが大好きなんだそうです。 続いては雨がよく似合うお花にまつわるエピソードです。
◆紫陽花に癒され
小池結花さん(仮名・37歳・主婦)の場合。

「20代の頃は、花なんてそんなに興味なかったんですけどね。ここ2~3年で歳を重ねたせいか、紫陽花がとても好きになったんですよ」
大きな公園のそばに引っ越しをしたのがきっかけで、傘にあたる雨音を聴きながら紫陽花を見てまわるのが癒しの時間になりました。
「よく見ると紫陽花っていっぱい種類があるんですよね。色や形に大きさも様々で、植えた土壌(土の酸度)によって、同じ品種なのに色が変わるのもミステリアスで面白いですよね」
ちなみに、酸性の土は青花になり、中性~弱アルカリ性の土ではピンク花になるんだそうです。
「娘(E奈ちゃん・7歳)が学校に行っている間、買い出しに行く前に公園に寄るのですが、雨の日は殆ど人がいなくて貸し切り状態ですごく贅沢な気持ちになれるんです」
◆紫陽花タイム
そして結花さんには密かなお楽しみがあります。
「傘をさしながら紫陽花と自撮りをすると、不思議といつもより綺麗に撮れるんですよ。紫陽花が雨で光って幻想的な仕上がりになるので、ついついたくさん撮っちゃうんですよね。雨で誰もいないので恥ずかしくないですし(笑)」
そんな束の間のひとりで過ごす時間が、とても良い気分転換になるんだとか。
「夫(43歳・会社員)やE奈と一緒に見る紫陽花ももちろん好きなのですが…私にとっての紫陽花タイムは、ひとりでホッひと息ついて落ち着けるこの時間なんです」
お次はお気に入りの傘をゲットした女性のエピソードです。
◆大好きなウルトラセブンの傘
吉田美津子さん(仮名・30歳・主婦)の場合。
「特撮オタクの夫(44歳・会社員)の影響で私も『ウルトラセブン』にハマってしまったんです。そしたらある日、ネットでとんでもなく素敵な傘を発見してしまったんですよ」
それは、傘の内側にウルトラセブンに出てきた全ての怪獣が隙間なくぎゅうぎゅうにプリントされているものでした。
「外側は黒いので一見普通の傘に見えるところも気に入っていて、さしている私だけ怪獣のプラネタリウムの中にいるような気分になれる、最高の傘なんですよ」
◆傘のおかげで梅雨が楽しみに
美津子さんはそれまで傘に執着などなく、主にビニール傘を使用していました。
「傘を持つのもあまり好きではなかったし、よく電車の中やお店に忘れてきちゃうし、ずっとどうでもいいって思っていたんです」
ですが初めてお気に入りの傘を手に入れてから、考えが変わったそう。

「大切な傘はまずどこかに忘れたりしないし、どうでもいいと思っているから無くすんだなと思いました。持ち歩くのも以前みたいに苦じゃないし、むしろ好きになりました」
しばらく雨が降らないと、美津子さんは部屋の中で傘をさしてうっとり怪獣達を眺めます。
「そんな私を見て夫は笑っています『はやく雨が降るといいね』と」
お気に入りの傘のおかげで、梅雨の時期が楽しみになった美津子さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop