今、県内で還付金詐欺が相次いでいます。言葉巧みにお金を振り込ませるその手口とは。
【写真を見る】「電話でお金の話が出たら詐欺」いま狙われるのは60代前半?相次ぐ『還付金詐欺』その手口は
銀行員を名乗る男「こちらの方からお振込みいたしますので、お振込みというボタンを押していただいて」
丁寧な口調で、ATMの操作方法を教える男。これは実際に県内で起きた「還付金詐欺」の音声です。
「ここで住民番号が必要なので先ほど申し上げた、998」
「998」
「369」
「ちょっと待ってください、振込金額998って」
「大丈夫です、あっています」
被害にあった女性は銀行員を名乗る男に言われるがままに操作を続け、約100万円を振り込んでしまいました。
自治体や銀行の職員などを名乗り「医療費などの還付金がある」と嘘の電話をかけ、言葉巧みにATMから金を振り込ませる「還付金詐欺」が今、急増しています。
人目のつかない無人のATMに誘導
肥後銀行 マネー・ローンダリング等金融犯罪対策室 漆島智和室長「この1、2週間毎日のように発生しております」
肥後銀行の顧客では、25日までの1週間だけで3人(6回)が被害にあいました。中には、約100万円を4回振り込んだという被害者も。
肥後銀行 マネー・ローンダリング等金融犯罪対策室 漆島智和室長「最近は銀行員が目の届かないところの被害が増えているのが特徴だと思います」
銀行に設置されているATMではなく、スーパーや商業施設にある無人のATMに誘導されるケースが増えているといいます。
さらに、もう一つ特徴が。
肥後銀行 マネー・ローンダリング等 金融犯罪対策室 漆島智和室長「最近は60代前半、ご高齢というよりはまだ現役で働いていらっしゃる世代の方が多くなっております」
肥後銀行では特殊詐欺を防ぐため2017年から、70歳以上の顧客、今年5月からは65歳以上の顧客のキャッシュカードによる支払限度額に制限を設けました。
これによって、今度は60代前半が狙われるようになったとみられています。
県警は還付金詐欺を防ぐために、電話をしながらATMを使わないことを徹底してほしいとしています。
熊本県警 犯罪抑止対策室 柳原宏則 室長補佐「役場が還付金をATMで返すという手続きをすることはありませんので、被害にあわないような対策を取っていただきたいと思います」
被害にあわないためにまず手口を知っておくことが大切です。
還付金のためにATMを操作させる自治体はありません
還付金詐欺で電話をかけてくる犯人グループには主に3つの「役まわり」があるといいます。
(1)市町村など自治体の職員(2)自治体から委託された業者(3)金融機関
この3段階に分けて電話で、ATMまで誘導されることがほとんどだそうです。
さらに、還付金をもらうための受付番号などといって数字を伝え、入力させられます。
これが実は振り込ませる金額になっています。
大前提として、還付金のためにATMを操作させる自治体はありません。
「電話でお金の話が出たら詐欺」
「電話をしながらATMを操作しない」
これを徹底するよう県警は呼びかけています。