シーマにフーガにレジェンドなどが消え国産セダンの危機! レーシングドライバーが「セダン不要説」に異を唱えるワケ

シーマにフーガにレジェンドなどが消え国産セダンの危機! レーシングドライバーが「セダン不要説」に異を唱えるワケ

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  • 更新日:2022/05/14
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この記事をまとめると

■SUVブームに圧されるように国産セダンが消滅の危機に瀕している

■走行性能を重視する欧州ではいまだセダン主流だ

■セダンは不必要なものなのかを改めて考えてその魅力を探った

広さや見晴らしのよさではSUVに敵うべくもないセダン

現在はSUV全盛期といえる。軽自動車からフルサイズまで、オン/オフを問わずさまざまなSUVを各社ラインアップしている。そんな中、伝統的ともいえるセダンが消滅しそうな危機にある。日産は同社の代表的なセダンであったスカイラインのハイブリッドモデルと高級ブランドであるシーマとフーガの生産中止を決めたという。また、ホンダもレジェンドやアコード、シビックもセダンを廃止するという。セダンってそんなに不必要なものなのか。改めてセダンの魅力を探ってみたい。

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確かに販売台数的にはSUVが圧倒的に多い。セダン派も少数はいるが、自動車メーカーとして効率の良い利益を追求していけば、セダンは廃止という決定も致し方ないのが現状といえるだろう。だが、SUVに乗り替えた人たちやSUVに乗り続けてきた人たちは、本当にその走りや使い勝手に満足しているだろうか。もしかしたら何らかの不満を抱いていて、やはり次に乗り換えるならセダンに戻りたいと考えている人がいるかもしれない。

SUVとひとくちにいっても、大人数が乗れるミニバン系からオフロードも走れるクロカン系、スポーツカー的なクロスオーバー系など、多彩なバリエーションが展開されているが、共通しているのは車高が高いということだ。車高が高いことで乗員の着座位置が高くなり、前席の見晴らし性がいい。また、ミニバン系の大きく広い室内は、まるで自室にいるかのように快適で広いと感じるだろう。

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だが、それは止まっているか、ゆっくり走っている場面に限られることが多い。

クルマは走る乗り物。高速道路も走れば山道も走る。高速道路では前方視界が開け、渋滞などでもストレスが軽減されるが、120km/h走行区間が増えた新東名高速道路などを走ると、ちょっとした車線変更でも車体が振れて安定感を欠く。横風の強い場面では直進性も影響を受ける。ミニバン並みに広いセカンドシートに乗っていても車体が振られて落ち着いて座っていられない。

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また、大きな室内空間は遮音や防振が難しく、走行ノイズやバイブレーションに搭乗者の苦情を受けることもあるだろう。そもそも着座位置が高いことは乗員の頭部位置も高い位置にある。車体のピッチングやローリングなどの挙動が起こるたびに、ピッチングやロール軸から遠い位置にある頭部には大きなモーメントがかかり、目眩を生じやすく、クルマ酔いしやすい。3列目シートになると、フロア下のタイヤが路面から受ける突き上げで身体が飛び上がってしまうこともある。ドライバーはそうした特徴を理解してジェントリーな運転を心がけねばならないだろう。

運転の愉しさや運動性能の高さを重視するならセダンに回帰すべき

自動車社会が高速化するにつれ、高い重心位置は矯正されていく。速度無制限区間のあるアウトバーンを擁するドイツでは、セダンやスポーツカーがいまでも主流なのは、車高の高いクルマの運動性能が高速走行に適していないと知っているからだ。

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SUVに乗ったあとにセダンに乗り換えると、まるでスポーツカーに乗り換えたような安定感、安心感がありホッとする。自信を持ってステアリングを切り込み、ピッチングやロールを適度に感じながらヨーコントロールするドライビングダイナミクスがある。

室内の広さや悪路走破性も大事だが、ドライバーとして運転の愉しさ、運動性能の高さを重視するなら、やはりセダンに戻って来るべきだろう。

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ミニバン時代をともに過ごした子供たちも大きくなって独立し、一緒にドライブする機会も減ってくる。年に一度の家族旅行だけのためならレンタカーで十分だ。運転する歓びを感じ、また高齢となって運転は人任せ後席でのんびり快適に移動するとしても、高級セダンなら満足度が高いはず。

ではセダンならなんでもいいか、というとそうではない。自動車メーカーにも常に意見しているのだが、4つのドアを持たせるのなら、後席の居住性や使い勝手をもっと重要視すべきだ。前席にはシートヒーターが備わっているのに、後席にはない。前席はリクライニングするのに後席は固定。前席は独立エアコンやUSBコネクターがあるのに後席にはない。もとより後席の足もとが窮屈で足を伸ばせないのは、セダンとして本末転倒といえる。

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後席が前席より快適で居心地が良ければ、SUVからセダン回帰を望むユーザーの心の琴線に振れるはずだ。

後席装備の充実を求めるなら高級車という一択では意味がない。大衆車クラスでも4つドアが備わっているなら、ニーズは高級車と変わらない。この辺の考え方は中国では実践されている。中国ではセダンでもあらゆるモデルでロングホイールベース化されていて後席が広く快適、装備も充実している。いま、日本には後席も満足できるセダンがほとんどない。レクサスLSロングくらいしか見当が付かない。カローラやカムリといったコンパクトやミドルクラスでも、後席の要件を満たし、走りもよければセダンに乗る、回帰する価値を十分に見出せるだろう。

中谷明彦

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