陰圧ハイヤーで移動、弁当のグレードは下がり...米国から帰国で「濃厚接触者」になった私の14日間【写真付き】

陰圧ハイヤーで移動、弁当のグレードは下がり...米国から帰国で「濃厚接触者」になった私の14日間【写真付き】

  • デイリー新潮
  • 更新日:2022/01/15

どこのホテルに泊まるか、教えてくれない

急激に増加するオミクロン株の陽性者。当然、周囲にいた濃厚接触者の数も多くなる。今のところ、彼らは原則、宿泊施設で待機するのが決まりだが、実際の体験者の声を聞くと、それでよいのかという疑問もわいてくる。ここでは、米国から到着し、国の用意した施設で隔離、その後、自宅隔離の予定が、機内で近くの席に感染者がいてオミクロンの濃厚接触者になってしまい、想定外の境遇に陥った帰国者の実例を見る。その奇妙な体験は、ホテルで待ち構えるコロナ対策スタッフの物々しいお出迎えから始まった。

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食パンがメインの朝ごはん(新宿)

【写真】濃厚接触者の隔離生活とは 「冷たい弁当、夜景の美しい部屋、居所確認アプリ…」

現在、日本に到着する国際線の乗客は、新型コロナ水際対策として、全員に唾液のPCR検査が課せられる。結果が出て空港から宿泊施設に向かうのは4時間後。昨年暮れに米国から帰国した会社員のAさん(妻子持ち)は、そこに6日間隔離の予定だった。

「勿体(もったい)ぶって、どこのホテルに泊まるか、到着するまで教えてくれない。でも、カップ麺の年越しそばや、お正月には、夕食にインスタントお汁粉がついてきました」

しかし、宿泊施設のスタッフから電話で衝撃の事実が伝えられる。機内の前後2列に座っていた乗客からオミクロン陽性の反応が出たという。この時点で、施設隔離の後の自宅隔離が別の宿泊施設での8日間の隔離に切り替わった。

「目の前が真っ暗になりました。1週間、狭い部屋の中で、誰にも会えず、精神的に参ってしまいそうなのに、さらに1週間以上も外に出られないなんて……」

“陰圧ハイヤー”で一人移動

そして、6日後、Aさんは新宿にあるホテルに、運転席側の気圧を後部座席側より高くし空気が行き来しないようにした“陰圧ハイヤー”で一人移動することになった。

「3食の弁当代も含め、横浜と新宿での宿泊費、移動費は政府持ち、つまり税金です。ただ新宿は弁当のグレードが下がった気がします」

ちなみに、Aさんは米国出発前に1回、横浜で2回、PCR検査を受けて、いずれも陰性だったが、新宿でも1回検査を受けた。感染を見逃さないためだが、濃厚接触者にそんな何重ものチェックが必要なのか疑問に感じたという。

新宿に移動して数日後、ずっとパジャマ姿のAさんに、思わぬ朗報が飛び込んできた。厚労省の方針が変わり、10日間の施設隔離でOK、自宅隔離に切り替えてもよいという。オミクロン株の感染者数が急拡大し、濃厚接触者に構っていられなくなったらしい。

「14日間居てもいいと言われましたが、連絡を受けた翌日から、同じフロアの隔離者はだいぶ出ていった感じでした」

一刻も早く帰宅したいのだが、鉄道やタクシーの移動は許されない。感染症対応のハイヤーか、親類が運転する自家用車で、というのが厚労省の決まり。だが、今度は自腹。1万円もかけてハイヤーで都内の自宅に移動すべきかどうか、施設での隔離の最終局面を迎えて、Aさんは目下思案中だ。

「週刊新潮」2022年1月20号 掲載

新潮社

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