夏帆、コロナ禍での心境は「いろんな変化に対して後ろ向きではなく、自分もそれに合わせて柔軟に変化したい」―Huluオリジナル「息をひそめて」インタビュー

夏帆、コロナ禍での心境は「いろんな変化に対して後ろ向きではなく、自分もそれに合わせて柔軟に変化したい」―Huluオリジナル「息をひそめて」インタビュー

  • TVガイド
  • 更新日:2021/05/02
No image

東京と神奈川の境を流れる多摩川沿いに生きる人々が、コロナ禍の中でそれぞれの日常や人間模様に向き合っていく姿を描く全8話のオムニバスドラマ、Huluオリジナル「息をひそめて」。国内外の数々の賞を受賞してきた注目の若手映画監督・中川龍太郎さんのもとに、夏帆さん、石井杏奈さん、村上虹郎さん、安達祐実さん、斎藤工さんといった豪華俳優陣が集結し、繊細で心温まる物語を展開していきます。

第1話「人も場所も全ては無くなる」で、亡くなった祖父が残した食堂を継ぐことにした女性・増田妃登美を演じるのは夏帆さん。妃登美はパニック障害を発症して外資系コンサルティング会社を退職し、食堂“ますだや”を営んでいましたが、コロナ禍で客足が激減…。先の見えない不安の中、斎藤さん演じる水谷光生が来店するようになり、祖父の時代の人気メニュー・あんかけレバニラと瓶ビールを頻繁に注文、店主と常連として交流を深めていきます。

第8話「この窓から見える景色が、僕の世界だ」にも登場する妃登美を演じる夏帆さんを直撃し、作品や中川監督の印象、さらには夏帆さん自身のコロナ禍での思いなどに迫りました!

――最初に台本を読んだ時の感想をお聞かせください。

「まず、台本をいただいて読んだ時に、率直に『すごく良い本だな』と思いました。オムニバスで1話1話が短いのですが、すぐ隣にいそうな人たちのささやかだけど大切な瞬間を温かいまなざしで切り取っている作品だと感じて、すてきだなって。読んだ時に『こういう光なんだろうな』とか『こういう音楽なんだろうな』と情景が浮かんで、『ぜひ演じてみたい』と思ってお受けしました。コロナ禍の人々を描いた作品は去年に何本か参加させていただいたのですが、自分たちも渦中にいたので、作品を残すことに意義を感じましたし、今作はコロナ禍というのを抜きにしても、今届けるべき作品なのではないかと思いました」

――本作の情報解禁時に「タイトルがとてもすてき」とおっしゃっていましたが、具体的にどういった部分でそう感じましたか?

「(言葉の)響きもそうです。ドラマチックではないかもしれないけれど、多摩川沿いでささやかに生きている人たちを描きたいというのを最初に中川さんから聞いていて。『息をひそめて』というタイトルに決まったと聞いた時に、『この作品を象徴するようなタイトルですてきだな』と思いました。1話ごとにそれぞれタイトルがついていますが、それもすごくすてきで、『さすが中川さん、詩人だな』と(笑)」

――妃登美にはどんな印象をお持ちですか?

「妃登美は一見凛として強い女性なのですが、実際はすごく繊細でもろい部分があって、それでも弱さを人に見せられずに頑張ってしまうところがあるんです。妃登美のお姉ちゃんはおおらかでふわっとしているように見えるのですが、多分すごく強い女性で。その対照的な2人の人物像が面白いと思いました」

No image

――演じる上で意識したことを教えてください。

「短い話の中でどういうふうに演じていこうかと思った時に、最終的に妃登美の心の扉が開く瞬間を表現できたらいいなというのは思っていました。大きな変化はないけれど、半歩前に踏み出す様子が伝わるような繊細な演技を意識しました」

――手応えはいかがでしょうか?

「すごく難しかったです。なので、それができたかどうかというのは、私には言えないですけれども…(笑)。個人的に、現場に入るのは半年ぶりぐらいだったんです。今までこんなに期間を空けて現場に入らないということがなくて、私としては半年空いただけですごく不安でした。現場に行った時に『果たして私はお芝居できるのだろうか…』とすごく不安で、そんな話を中川さんともしていて。でも、『その不安な感じを妃登美という役に生かせたらいいよね』という話をしていて、中川さんに『すごく丁寧に撮り進めていくスタッフだからきっと大丈夫だと思うよ』と言っていただきました」

――中川監督の印象についてもお聞かせください。

「短い作品だったので、関係性をちゃんと築く前に現場が終わってしまったというもどかしさがあるのですが…。中川さんは同世代で、私の身近な友人も中川さんとお仕事をしていたので、よくお話を聞いていましたし、これまでに実際にお会いしたこともあって。今回オファーをいただいた時にとてもうれしくて、『私のこと覚えてくださっていたんだ」と、ご一緒できることをすごく楽しみにしていたんです。数日間だけだったので、“中川組”というのを深く知る前に終わってしまいましたが、その短い期間で印象に残ったのは、枠にとらわれずに中川さんのやり方で作品を作り上げていくことでした。映画の撮り方はある程度決まっていて、その中で監督の個性が出るものですが、中川さんは演出一つとってもオリジナリティーのあふれる方だなと思いました。またご一緒できる機会があったら『中川組ってこうだよね』と表現できるくらい、じっくり取り組みたいと思える監督です」

No image

――共演した斎藤工さんについてもお聞かせください。

「ご一緒したのが1日だけでしたので、こちらも手探りでした(笑)。すごくフラットで穏やかな方なので、斎藤さんが持つ柔らかい空気感に身をゆだねながらお芝居できたらきっと大丈夫だと思いながら演じていました」

――ドラマの舞台となった多摩川やその周辺はどんなところでしたか?

「出来上がった作品を見た時に感じたのですが、多摩川が本当に美しくて! 各話いろんなシーンで出てくるのですが、光が奇麗だし、『多摩川もこんなに奇麗だったんだなあ』って。東京だけど東京じゃないみたいですし、かといって地方とはまた違う、あの辺特有の雰囲気というのはあると思います。多摩川周辺といっても広いので場所にもよりますけど、のどかで人がたくさんいるイメージです。ジョギングしている人とか散歩している人、遊んでいる子どももいて、いつ行っても人がたくさんいますね」

No image

――この作品の大前提として“コロナ禍”というのがありますが、夏帆さんご自身はどんなことを感じながらコロナ禍を過ごしてきましたか?

「いろんな変化があったなと思います。それは自分自身もそうですし、世間もそうですし、現場もそうですし。今まで当たり前だったことができなくなってしまったり、今までなかったことが常識になったり。コロナ禍もそうですが、時間の流れだったり、時代が変わっていくことってあると思うんです。去年、私は元々コロナ禍とは関係なくお休みをいただいていて、仕事とは離れたところでいろいろ勉強したい、もうちょっと世界を知りたいと思っていました。自分がそういう気持ちだったこともあって、そういう変化に対して後ろ向きではなくて、柔軟にとらえられたらいいなと思いましたね。あまり悲観的になって嘆くのではなく、だからこそ『今何ができるのか?』と。自分自身もそれに合わせて変化してより良い方向に自分の精神状態を持っていけるといいのかなと去年思いました」

――それによって始めたこと、意識するようになったことなどはありますか?

「プライベートをより充実させるようになりましたね。あまり時間の使い方がうまくなくて、休みの日はずっと家にいてしまうとか、そういう感じだったのですが、最近は行動的になりました。何かを勉強してみようとか、体を動かしてみようとか、ちゃんと時間を使おうというふうに意識が変わりました」

――プライベートを充実させるようになったということで、今後やってみたいことは何ですか?

「全然違う話になるのですが…(笑)。今までは植物を家に置いたことがなかったのですが、最近ハマっていて、置いてみようかなと。植物が好きな友人と一緒に買いに行って、大きな木が今家にあるんです。家に緑があるとすごくいいなあと。まずはその子をちゃんと育てることですが、慣れてきたらもうちょっといろんな植物が欲しいなと思っています」

――うまく育つといいですね! 最後に、ドラマの見どころをお願いします。

「すごく光が美しくて。川もそうですし、人物を絡めてもそうですし、とても印象的です。クランクイン前に監督が『一篇の詩のようなオムニバスにしたい』とおっしゃっていたのですが、まさにそんな作品になったのではないかと思います。見終わった後に、自分自身の日常がいとおしくなるような、そんな作品であったらうれしいです」

――ありがとうございました!

No image
No image
No image

【プロフィール】

夏帆(かほ)
1991年6月30日生まれ。東京都出身。2004年に女優デビュー。以降、ドラマや映画など多数の作品に出演し、数々の賞を受賞。現在放送中のドラマ「珈琲いかがでしょう」(テレビ東京系)に出演中。

【番組情報】

Huluオリジナル「息をひそめて」
Huluにて全8話一挙独占配信中

取材・文/K・T 撮影/尾崎篤志

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加