村田製作所、超音波センサーやミリ波レーダー、RFIDなど最新技術を活用した実用的ソリューション技術を展示

村田製作所、超音波センサーやミリ波レーダー、RFIDなど最新技術を活用した実用的ソリューション技術を展示

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  • 更新日:2023/05/26

2023年5月24日~26日 開催

入場無料

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多くのクルマのバンパーに採用されている「防滴型超音波センサー」

村田製作所は、開催中の「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA(会場:パシフィコ横浜、会期:5月24日~26日)」にて、超音波センサーやミリ波レーダーなどを活用した実用的なソリューション技術の展示を行なっている。

防滴型超音波センサー

今回の初出展となったのが、「防滴型超音波センサー」の精度を高めたモデル。これは自動車のバンパーに埋め込まれていて、壁や障害物などの接近を検知するセンサーのこと。従来モデルの検知エリア30cm~550cmだったが、新製品は15cm~550cmと、より近接の検知能力を高めている。これは手放しやクルマから降りた状態でも自動運転で駐車するシステムが増えていることをうけ、より精度の高いものを開発したという。また、精度が上がっているがコスト的には従来品とあまり変わらないとのことなので、今後の量産車にも適時採用されていくと思われる。

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村田製作所が手掛ける防滴型超音波センサー

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防滴型超音波センサーの詳細

会場ではデモンストレーションカーのリアバンパーに防滴型超音波センサーが装着され、後方に置いたポールを任意に動かすことでセンサーがしっかりと検知しているかを可視化するモニターが置いてあり、奥行きの距離だけでなく左右もしっかりと検知していることが分かった。

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後方にあるポールをいかに正確に検知しているかをモニターで確認できる

ミリ波レーダー

続いて「ミリ波レーダー」を使ったセンサーでは、超薄型の小型モジュールを出展。薄型なので自動車の屋根の内張の中に入れれば、車内の子供置き去り防止などにも活用できるという。天井の内装や人間の着用している衣類などは貫通して検知できるので、シートの上にある物体がカバンなのか生き物なのかもわずかな動きで判別できるし、例えば肺の膨らむ量だったり、検知する塊の大きさで、大人と子供の判別も可能。

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ミリ波レーダー小型モジュール

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ミリ波レーダー技術の詳細

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ミリ波レーダーの活用事例

車載高耐熱フィルムコンデンサ

自動車の電動化が進むにつれ、制御ユニットや駆動ユニットなど、さまざまなユニットの統合や小型化が図られている。しかし、ユニットそのものをコンパクトにすればするほど内部の空間が狭くなるうえ、制御内容が増えれば発熱量も増え、冷却が追い付かない事態に陥ってしまう。そこで村田製作所では統合パワーエレクトロニクス向けに、「車載高耐熱フィルムコンデンサ」を開発。

現状では85℃~105℃の耐熱性能しかないなかで、新たに125℃~135℃とより高温に耐えられるコンデンサを生み出した。しかもコンデンサ自体の大きさも従来よりもコンパクトにし、装着しやすくすることで利便性も高めている。

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車載高耐熱フィルムコンデンサ

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統合パワーエレクトロニクス向け車載高耐熱フィルムコンデンサの詳細

RFIDタグ

これはすでに実用化されている技術の、「RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)タグ」。展示されているのはグローバルタイヤメーカーであるミシュランと共同開発したもので、タイヤのサイドウォールにセンサーを埋め込み、そのタイヤがいつ装着されて、いつ点検されて、いつ交換されたなど、デジタル管理を容易にしたソリューション技術。

専用機器を使えば電波の届くエリアにあるタイヤなら何本でも瞬時に感知でき、そのデータをクラウド上に送信することで一括管理が可能になり、輸送業界のデジタル化促進に貢献している。

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村田製作所のRFIDタグは約40mm。中央の物体が本体で左右に伸びるコイルは電波を感知しやすくするためのアンテナのようなもの

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実際のタイヤのカットモデル。サイドウォールに埋め込まれている。もちろん耐振動性も優れている

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RFIDタグを検知する専用機器

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輸送業界のDXを促進させるRFIDタグ

疲労ストレス計

別角度からの輸送業界向けソリューション技術として、ドライバーの健康管理を容易にする「疲労ストレス計」も展示すると同時に体験できるようになっている。心拍と脈拍のゆらぎを、これまで蓄積したビッグデータを用いて分析し、交感神経と副交感神経のバランス=ストレスと、自律神経機能の偏差値=疲労度をグラフで分かりやすく表示してくれるもの。ドライバーの疲労管理だけにとどまらず、ジムや薬局での健康支援活動や、リラクゼーション業務におけるサービスの評価などにも利用できるという。

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疲労を計測するための専用機器。右手の親指をカバーに入れ、左手の親指で別のセンサーをつまむだけでOK

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最初に性別と年齢を登録

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目を閉じ、リラックスした状態で60秒間計測する

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筆者も試してみたところギリギリ青色の「良好」ゾーンに収まっていたが、下側に寄るほど「眠い・だるい。疲れていて気力も失い、休みたい状態」だという

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村田製作所のブース

編集部:塩谷公邦

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