変形性ひざ関節症教室 第8回 ひざにかかる衝撃を吸収する半月板

変形性ひざ関節症教室 第8回 ひざにかかる衝撃を吸収する半月板

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  • 更新日:2023/01/25
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ひざは健康寿命延伸の要の関節。ところが、中高年になると、ひざ関節の軟骨がすり減り、「ひざが痛い」「水がたまる」「痛くて長く歩けない」「ひざか変形した」などといった症状に悩む方が増えてきます。本連載では、ひざの専門医・田代俊之ドクターが、ひざ関節の構造と機能、変形ひざ関節症の症状と治療について、やさしく解説していきます。今回のテーマは、軟骨と同様にひざのクッションとして重要な機能を担っている「半月板」について。詳しく紹介します。

半月板の特殊な形状には意味がある

大腿骨と脛骨の間には、半月板という軟骨様の組織があります。半月板はひざの内側と外側にあり、ひざにかかる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。床の上に正座をするときに座布団を敷くと痛くないですよね。半月板は、大腿骨の「座布団」と考えてもらえばよいと思います。

また、ひざの関節は平らな脛骨の上に、丸い大腿骨が乗っかっている状態で、このままだと接触部はごく限られた部分になり、接触部にストレスが集中し、軟骨のすり減りが進んでしまいます。半月板の座布団は辺縁が厚く、中心が薄いスロープ状をしています。この形状により、大腿骨を支える面積が広がり、ストレスは分散されます。

半月板には血流がよいところと悪いところがあります。血流は滑膜(※)から流入し、辺縁部分は血流が多く傷ついた場合にも回復力がありますが、中心に行くに従い血流は乏しくなり、修復能力が低下します。半月板も軟骨と同様に関節にとって大切なクッションです。半月板を損傷しないようにして、できるだけ長くクッション機能を働かせ続けることが、大切なひざを生涯にわたってもたせるための基本戦略です。

※滑膜については、今後の連載のなかで紹介していきます。

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イラスト/石川正順

プロフィール◎田代俊之(たしろ・としゆき)さん
JCHO東京山手メディカルセンター整形外科部長
1990年山梨医科大学卒業後、東京大学整形外科入局。東京逓信病院、JR東京総合病院勤務をへて、2014年に東京山手メディカルセンターへ。2017年4月より現職。ひざ関節の疾患を専門とし、靭帯損傷、半月板損傷、変形性関節症などについて、長年にわたって幅広く対応している。2004年より中高齢者に向けたひざ痛教室を毎月開催している。日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。陸上競技実業団チーム(長距離)のドクターも務める。

けんいち編集部

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