水着グラビア事情に異変 グループアイドル系凋落でコスプレイヤーが台頭

水着グラビア事情に異変 グループアイドル系凋落でコスプレイヤーが台頭

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  • 更新日:2021/02/22
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左表紙から桃月なしこ、火将ロシエル、えなこ、とコスプレイヤーたちでにぎわう(写真はイメージ)

10年以上もグループアイドルブームが続いたことで、マンガ誌や青年誌のグラビアは長年にわたってアイドルが“占拠”してきた。特にAKB48グループは、水着グラビアによるメディア露出を積極的に行い、数々の無名メンバーをフックアップしてきた。一方、姉妹グループの坂道系も、当初は清楚なイメージを売りにしていたため、水着グラビアを披露することは少なかったが、個別の写真集では「これでもかと」というほど水着グラビアが掲載されるように。ファンの飢餓感をあおり、写真集を買わせるという手法が変わっただけだった。

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こうしたアイドルたちの勢いはすさまじく、一時期はすべての雑誌のグラビアにアイドルグループのメンバーが出演するほどの事態に。これまで雑誌のグラビアを主戦場にしてきたいわゆるグラドルたちは、活動場所を奪われてしまった。

「例えば、AKB48では2015年に発売された小嶋陽菜の写真集『どうする』(宝島社)が約11万部超売れたことを始め、渡辺麻友『まゆゆ』(11年/集英社)が約10万部、前田敦子の『不器用』(12年/小学館)が約11万部代前半と出版不況でしかも写真集というジャンルの中で圧倒的に売れていた。また乃木坂46では白石麻衣の『パスポート』(17年/講談社)が、約44万部という驚愕の数字を叩き出しニュースをさわがせました。続いて生田絵梨花の『インターミッション』(講談社)も約31万部。欅坂を卒業した長濱ねるをいち早く有名にした『ここから』(17年/講談社)も約20万部で話題となりました。人気メンバーの写真集はドル箱が確実で、どの出版社が誰の写真集を手掛けるのを事務所が差配していましたね。名前が挙げた人気メンバーでなくても、数万部は売れるので大手以外の出版社もなんとか食い込もうとしていました」(アイドル雑誌の編集者)

だが時は2021年――昨年AKB48が紅白歌合戦の出場を逃し、乃木坂46もメインメンバーが続々と卒業するなど、アイドルのグラビアにはかげりが見えてきた。今後、グラドルたちの露出が復活することはあるのだろうか。

「アイドルグラビアの台頭で、グラドルの多くは活動の場を撮影会に移していきました。バラエティ番組などでもよく見かける“日本一エロいグラビアアイドル”として人気の森咲智美(28)や、“なにわのブラックダイヤモンド””日本一黒いグラドル”と呼ばれる橋本梨菜(27)なども主戦場は撮影会で、大人気です。もともとグラビアの仕事は、出演してもギャラがもらえないことさえあるなど、有名になる足がかりとはなっても、タレントの稼ぎにはなかなか直結しません。しかし、今ではSNSが発達し、直接、撮影会で収益化できるので雑誌グラビアで名前を売る必要もほとんどありません。”ミスマガジン2018グランプリ”で令和のグラビア女王として注目を集める沢口愛華(17)など一部の人気グラドルを除き、従来型のグラドルは消えつつあります」(同)

こうしたなかで、アイドルやグラドルにとって変わろうとしているのが著名コスプレイヤーのグラビアだ。

「アニメのコスプレをするコスプレイヤーたちはもともと、コミケなどのイベントから盛り上がってきました。アニメファンがこぞって撮影する姿は10年前までは、ネットで笑いのネタにされていましたが、最近では市民権を得るようになった。もちろん、今でもアニメファンやオタク層が彼女らの人気を下支えしていますが、そこからグラドルになったり、テレビに出演する人も出てきており、ファン層が広がっている印象ですね。若い男性にとっては、レイヤーだろうとグラドルだろうと、かわいい子がグラビアに掲載されていればそれはそれでいいわけですから」(同)

■コロナ禍でコスプレイヤーの出番が増加?

コスプレイヤー自体は古くから存在していたが、2010年代の半ばあたりから徐々にメディア露出が増加。一般的な知名度を得るまでになったレイヤーがテレビなどに出演し始めたのはここ2~3年といったところだろう。

「いまは結婚・出産して活動してないですが、御伽ねこむさんなんかはその走りでしたね。最近では、『情熱大陸』に出演したえなこが圧倒的人気で、グラビアでも引っ張りだこです。有名になる前は『To LOVEる -とらぶる-』や『カードキャプターさくら』などの衣装を着ていましたが、最近では独自テーマの衣装で雑誌グラビアに出たりするほどに知名度もあがりました。ほかにも桃月なしこ、あまつまりな、火将ロシエルなどが有名です。個人で活動をスタートさせた彼女たちも、今はほとんど事務所に所属しています。コロナ禍でコミケなどファンが撮影できるイベントが軒並み中止になっているので、飢餓状態を生んで余計に雑誌グラビアへの出演に注目が集まっているのかもしれません」(同)

一方で、コスプレイヤーグラビアに関して「ブームは短命に終わる」とという指摘も。芸能事務所の関係者は言う。

「InstagramやTwitterでコスプレを披露するレイヤーは現在、たくさんいます。一方で消費されるのも早く、グラドル化したとたん、ファンが離れたりするので入れ替わるサイクルが早い。雑誌側も自らSNSを駆使して、次なるスターを探していますよ。事務所に所属した子たちはさらに、PR系の仕事などがはいってきていて、もはやグラドルとモデルの垣根はありません。むしろアニメやゲームに造詣が深いというアピールポイントを持っているので、海外関連の企業とのコラボやアジア圏のイベントへの出演なども、下手なモデルよりオファーが多い印象です」

エンタメウォッチャーの中村裕一氏は、そんなグラビア界の流れについてこのように分析する。

「それこそ1980年代は松田聖子や中森明菜といった歌唱力に秀でた現役バリバリのアイドルも水着姿を雑誌で披露していましたが、時代が移り変わると共にその役割も細分化され、マンガ誌や週刊誌のカラーページを飾るのは抜群のプロポーションやセクシーさを誇る『グラビアアイドル』へと引き継がれていきました。2000年代に入るとAKB48グループに代表されるように、グループアイドル群雄割拠時代に突入。その中から多くの逸材が生まれてきましたが、昨年のAKB48の紅白落選に象徴されるように、今はまさに過渡期と言えるかもしれません。そんな中、台頭してきたコスプレイヤーたちですが、彼女たちはいかに自分を美しくセクシーに見せるかというセルフプロデュースやテクニックにもともと長けており、現在のようにグラビアを席巻するのは必然的だったと言えます。これから先はさらにその流れが加速し、事務所の力を借りずにSNSでの圧倒的な人気と知名度を武器に雑誌で活躍する、ハイブリッドなグラビアアイドルが当たり前のように出てくるのではないでしょうか」

芸能界では一方で、深田恭子や宮崎美子など“若手”以外のグラビアが注目されることも多い。AKB系のアイドルグラビアの凋落や人気グラドルの不在で、伝統あるマンガ誌や青年誌のグラビアはこれから、どう変化していくだろうか。(今市新之助)

今市新之助

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