
警視庁=東京都千代田区
商取引を装って食品会社から食料品をだまし取る「取り込み詐欺」を行ったとして、警視庁捜査2課は詐欺の疑いで、住居不定、無職、外岡良朗容疑者(71)、大阪府守口市八雲東町、無職、幅圭一郎容疑者(81)、韓国籍で大阪市北区西天満の無職、曺一誠容疑者(53)の男3人を逮捕した。認否は明らかにしていない。
逮捕容疑は共謀して令和2年9月~11月、営業実体がなく代金を支払う意思がないにもかかわらず、食品会社2社に数十回にわたって発注書をファクス送信し、海産物や米などの食料品(計約2100万円)をだまし取ったとしている。だまし取った食料品は「買い屋」と呼ばれる転売組織に安く売っていたとみられる。
捜査2課によると、3人は東京、大阪、横浜の3カ所に拠点を構え、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、余った組合費で組合員に食品を配る労働組合がある」「コロナ禍で弁当の需要が高まっている」などとうたい、約40社から食料品を受け取っていた。被害額は約1億7千万円に上るとみられ、全容解明を進める。