松本穂香、仕事への向き合い方と自己認識「いまだにカメラの前では不安」

松本穂香、仕事への向き合い方と自己認識「いまだにカメラの前では不安」

  • ORICON NEWS
  • 更新日:2020/10/21
No image

角川春樹監督最後の作品ともいわれる映画『みおつくし料理帖』で主演を演じる松本穂香(写真/逢坂聡)

今秋、角川春樹監督最後の作品ともいわれる映画『みをつくし料理帖』やアニメーション映画『君は彼方』で主演を演じる松本穂香。また、時代を超えて聴き継がれる名曲を歌うLINEのプロジェクト『Old To The New』に参加し、松任谷由実の名曲「守ってあげたい」を歌唱するなど、その活動は多岐に渡る。デビューから5年、名だたる映画監督やクリエイターが彼女を起用したがる理由を、仕事への向き合い方や自己認識から探る。

【写真】床に寝っ転がり、澄んだ瞳で真っ直ぐこちらを見つめる松本穂香

◆自分に自信がない…いまだにカメラの前では恥ずかしさや不安が

──時代を超えて聴き継がれる名曲の数々を、現代のさまざまな分野で活躍する表現者たちが歌い継ぐLINEのプロジェクト『Old To The New』第1弾が松本穂香さんです。参加が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

【松本穂香】 最初は「なんで私なんだろう?」と思いました。私はそれほど歌が上手なほうではないので(笑)。

──主演ドラマ『この世界の片隅に』の劇中歌「山の向こうへ」での素直な歌声がとてもステキでした。

【松本穂香】 おそらく上手な歌い手ではなく、あくまで女優としての私を求めてくださってるんだろうなと。そういう意味でも、普段お芝居に取り組むときと近い感覚でいるのがいいのではないかと考えて、今回のレコーディングにも臨みました。

──そもそも歌うことはお好きですか?

【松本穂香】 はい、ストレス発散をするために1人でカラオケに行きます。よく歌うのはカネコアヤノさんやSHISHAMOさん、yonigeさんといった女性アーティストが多いです。声が低いほうなので、歌いやすいのは男性の曲ですが(笑)。

──レコーディングされたご自身の声を聴いていかがですか?

【松本穂香】 実はまだ聴いてないんです、こっ恥ずかしくて(苦笑)。自分のお芝居を客観的に観るのも苦手なんです。でも世に出る前に1回はちゃんと聴かなければと思っています。

──先ほど客観的に自分の声や芝居に向き合うのが苦手とおっしゃっていたのは?

【松本穂香】 基本的に自分に自信がないんです。いまだにカメラの前に立っていても恥ずかしさや不安がぬぐえなくて、モニターチェックもあまりできないんです。

──これほど多くの作品で活躍されているのに?

【松本穂香】 こればかりは持って生まれた性格なので、仕方ないんだろうなと思っています。ただ最近はそんな自分との折り合いも、少しずつ付けられるようになりました。ここまでやったから大丈夫だ、というラインみたいなものを自分のなかで設定したりしています。

◆今は変にプラスするよりも、素直に出てきた感情を大切にする段階

──転機になった出来事は?

【松本穂香】 やはり映画の監督さんたちとの出会いは大きいですね。それこそ映画『おいしい家族』のふくだももこ監督が「ずっと松本穂香を撮っていたい」とおっしゃってくださったり、映画『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『君が世界のはじまり』と続けて主演を経験できたことは、とても励みになりました。

──10月公開の主演映画『みをつくし料理帖』の角川春樹監督も、松本さんを絶賛するコメントを出されていました。

【松本穂香】 角川監督は「俺は女は褒めて伸ばすんだ」とおっしゃっていて、現場でも私や奈緒さんにはいつも「今日の芝居は素晴らしかったよ」とおっしゃってくださいました。一方で男性陣にはベテランであろうが若手であろうが分け隔てなく厳しく、毎日のように怒号が飛び交っていました(笑)。

──角川春樹監督が「人生最後のメガホン」と意気込む同作へのプレッシャーは?

【松本穂香】 プレッシャーを感じようと思えば、いくらでも感じられる作品だったと思うんです。不朽のベストセラーで、過去にも名だたる女優さんたちが主人公を演じてきて──。でもそれを意識したら何もできなくなってしまうと思ったので、考えないようにしました。それこそ角川監督の数々の伝説もなんとなく耳にはしていましたが(笑)、自分からは調べないようにしていました。

──数々の名監督に起用される、女優としてのご自身の強みはどこにあると思いますか?

【松本穂香】 実は最近、それについて考えていたんです。「私の何がよくて呼んでいただけるのだろう?」と。そんな話を峯田和伸さんとする機会があったんですが、「それってたぶんわかんないほうがいいんじゃないかな」とおっしゃってくださって、「あ、そうかもしれない」とスッと腑に落ちたんです。

──思い当たることがあったんですか?

【松本穂香】 映画『世界でいちばん長い写真』(2018年)の時に、草野翔吾監督から「頑張って役になろうとしてるけど、そうじゃない。松本穂香のなかにあるものを表現してほしい」と言われたことがあって。たしかに「上手く演じよう」と意識すると、失敗することが多いんですよね。

──変に作為的ではない、感性の芝居が監督陣を惹きつけているのかもしれない?

【松本穂香】 キャリアのある方なら技術で補えることもあると思うんです。だけど私はまだそこまで至ってないので、今は変に何かをプラスするよりも素直に出てきた感情を大切にする段階なんだろうなと思っています。

──ご自身のなかにはないような役、たとえば悪役を求められたら?

【松本穂香】 悪役ではないですが、ドラマ『JOKER×FACE』で初めてダークな役を演じたときはとても楽しかったです。ああいうトリッキーな役どころは、脇でもいいのでもっと挑戦したいですね。

──これまで演じてきた役どころから“正統派”や“清純派”のイメージがある松本さんですが……。

【松本穂香】 たしかに「健気ないい子」みたいな役をいただくことは多いんですが、今後はもっと想像力を広げて、自分のなかにない要素を表現することも今後必要だと思っています。

(文/児玉澄子)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加