花博30年 レガシー継承が25年万博を占う

花博30年 レガシー継承が25年万博を占う

  • 産経ニュース
  • 更新日:2020/09/16

「自然と人間との共生」をテーマに、平成2年に大阪市鶴見区の鶴見緑地で開かれた「国際花と緑の博覧会」(花博)から今年は30年の節目の年にあたる。閉幕後、会場はバーベキュー場やスポーツ施設を備えた都市公園へと生まれ変わり、今も多くの市民でにぎわう。一方、残された展示施設は老朽化し、その活用法が課題となっている。花博の遺産(レガシー)は正しく継承されているのか。5年後に控える2025年大阪・関西万博を占ううえでも、花博のレガシーに注目が集まっている。  (北村博子)

巨大花「ラフレシア」も

平成2年4月1日から9月30日まで半年間にわたって開かれた花博には、83力国と55の国際機関が参加。来場者数は約2300万人に上った。

花博の会場では世界の花が咲き誇り、世界最大の花「ラフレシア」などが話題を集めた。いたる所でぶら下げ型の花鉢「ハンギングバスケット」や立体花壇など草花を気軽に楽しむ仕掛けも紹介され、その技術は後のガーデニングブームや、ビルの壁面や屋上の緑化活動につながった。

入場料や物販収入などの利益約70億円は、平成3年に設立された公益財団法人「国際花と緑の博覧会記念協会」(花博記念協会)の基金の原資となり、緑化事業の助成などに活用されている。協会の三谷彰一総務審議役は「資源の開発が盛んに行われ、人と自然が離れていた30年前、花博が、再び自然と人を近づけるきっかけになった」と振り返る。

老朽化、一部閉鎖も

閉幕後は会場の鶴見緑地を大阪市が譲り受け、一部の施設も残された。ただ、花博の運営にも関わった関係者は「レガシーとしてふさわしい活用かどうかは疑問」とこぼす。

30年前、世界の庭園を再現して注目を集めた「国際庭園」は一部で手入れが行き届かず、建物の屋根瓦が崩れそうな「中国庭園」などは立ち入り禁止となっている。故・松下幸之助の私財を投じて建設された「国際陳列館」(現花博記念ホール)も年間の稼働率は3割に留まる。花博会場のシンボルで、高さ90メートルの展望台としても親しまれた「いのちの塔」も閉鎖中だ。

一方、レガシー継承を強く意識した取り組みもある。鶴見緑地の中で、今も年間20万人以上が訪れる「咲くやこの花館」は、世界の珍しい花の栽培に務め、講座などの事業を通じて市民に植物への関心を高めてもらおうとしている。

レガシー継承に努力

また、花博記念協会が「緑のノーベル賞」と誇るのは、国際的な顕彰事業「コスモス国際賞」。花博の理念を受け継ぐ研究活動などに4千万円を贈っている。

大阪市も昨年、「鶴見緑地再生・魅力向上計画」を作成した。管理する鶴見緑地の活性化を2025年大阪・関西万博の盛り上がりにつなげたい考えもある。

咲くやこの花館の久山敦館長は「花博の遺産をハード、ソフトの両面でうまく現代に生かすことができなければ、同じ大阪で開かれる2025年大阪・関西万博もレガシーを残せないだろう。花博30年。これからもレガシー継承のために、努力を続けなければならない」と話している。

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花壇を中心に形成された「野原のエリア」

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