
年を重ねると、深い眠りにつくための睡眠力はどうしても弱まります。睡眠のスペシャリスト 坪田聡先生に、質の高い眠りを得るための最新 睡眠ワザを伺いました。3回に分けてお届けする中編は、お昼から夜までに心がけたい5つの睡眠ワザです。
★睡眠ワザ1〜7はこちら★
睡眠力の老化に。二度寝してもOKの3つのルールとは?医師がアドバイス
睡眠の悩みを感じたらチェックしたい3つのポイント
「生活習慣」を見直そう
食事や運動などの生活習慣が、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。
食事の時間や入浴法などを見直すことが大切。
寝る直前にスマホを見る習慣をやめるだけで、効果が出ることも。
「寝室の環境」を整えよう
睡眠力の強い若い頃は、睡眠環境が多少悪くても眠りにつけていた人も、年齢を重ねるとちょっとしたことで覚醒しやすくなってしまいます。
ぐっすり眠るためには、寝室の環境を整えて。
「ストレス」を軽減しよう
将来への不安や、自分を取り巻く環境の変化などから来る心理的なストレスも睡眠の質に悪影響を与えます。
就寝前などにリラックスできる時間をつくるなど、ストレスをためない工夫が必要。
睡眠ワザ8 20分の昼寝「パワーナップ」でパフォーマンスアップ!
昼食後の眠気を我慢せず、午後3時までに20分(60歳以上は熟睡までに時間がかかるため30分)の昼寝「パワーナップ」をすると、パフォーマンスがアップ。浅い睡眠で目覚めることがリフレッシュにつながります。
「パワーナップ」の正解
●眠るのはお昼12時~15時の間
●仮眠するのは20分
●眠る直前にカフェインをとる
●椅子にもたれた姿勢や机に突っ伏した姿勢で
●目を閉じる
●目覚めたら軽くストレッチする
睡眠のお悩み Q&A
Q
「睡眠サポートサプリ」は何を選べばいい?
A
GABAやグリシンが入ったものを。
サプリで睡眠の質を向上させるなら、GABAやグリシンといった成分を含むサプリを選ぶといいでしょう。ただし、あくまでもサプリは食事の補助として考えて。できるだけこれらの栄養素を、日常の食事から摂取するようにしましょう。
Q
睡眠薬は飲んでもいい?
A
かかりつけ医に相談してみましょう。
生活習慣を改善しても3週間以上眠れないなどの症状があれば、必要に応じて睡眠薬を使っても。市販薬を試すのであれば1箱までとし、それでも改善しなければ医師に相談を。
睡眠ワザ9 夕食には自然と寝つける「冷やしトマト」を
体は深部体温が低下すると、自然な眠気をもたらします。夕食後、体が自然と眠る準備に入るよう、深部体温を下げてくれる食材を夕食に取り入れて。
「冷やしトマト」のほか、夏が旬の野菜・果物、葉物野菜などに体温を下げる性質があります。
冷やしトマトは
●深部体温を下げる
●消化がいい
●メラトニン、GABAを豊富に含む
その他深部体温を下げる野菜・フルーツ
●きゅうり●ナス●ピーマン●オクラ●レタス●キャベツ●白菜●ほうれん草●小松菜など●バナナ●パイナップル●マンゴー●スイカ●みかん●レモン●グレープフルーツなど
睡眠ワザ10 少なめの夕食を眠る3時間前に食べ終えよう
最も眠りにつきやすいのは、胃の中で食べたものの消化が終わっているとき。就寝3時間前には夕食を食べ終えて。
なるべく毎日同じ時間に食事をとると、体内リズムが整います。
量は1日の摂取カロリーの3分の1を目安に。
夕食が遅くなる日は「分食」を
夕食から寝るまでに3時間の余裕がとれないという日は、1度の食事を2度に分けて「分食」を。
胃の負担が減り、睡眠への悪影響が避けられる。
アルコールは眠る3時間前までに!
アルコールは少量なら寝つきをよくするが、量が増えると夜中に目覚めやすくなる。
飲酒は眠る3時間前までにして、量にも注意を。

睡眠ワザ11 眠りやすくなるような「寝室づくり」を
寝室の環境は睡眠の質に大きな影響を与えます。
理想は「寝ること以外何もしない空間」。
特に温度・湿度、明るさ、音の要素が重要になるので、下のポイントをチェックしましょう。
【光】
寝室は暗いほどよい。明るくても豆電球のフットライト程度に。夕食後からは照明を暖色系の光に変えて。
【温度・湿度】
睡眠に快適とされる室温は、春と秋は18~22℃、夏26度以下、冬15~18℃。
湿度は通年で50~60%程度が快眠の目安。
【音】
理想は図書館レベルの静けさである40デシベル以下。
寝つくまでは好きな音楽を流して、周囲の雑音を隠すのもいい。
睡眠ワザ12 枕は自分に合う高さを、マットレスは寝返りのしやすい安定感のあるものを
大切なのは寝姿勢の安定感と寝返りのしやすさ。合わないものを使い続けると腰痛などの原因になり、自然な寝返りが妨げられて睡眠の質が落ちます。
マットレスは高反発がおすすめ。枕はほんの5㎜高さが合わないだけでもスムーズに寝返りが打てなくなり、目覚めが悪くなります。
【枕】
寝返りのしやすさは横向きで、床と平行になっているか確認を。またあお向けに頭を乗せたとき、首が自然なCカーブを描き、額と鼻の先を結んだ線が床に対し5度になるのがベスト。
【マットレス】
あお向けの姿勢から両腕を胸の前にクロス、両ひざをそろえて曲げる。その状態で、力まずに上・下半身がそろって寝返りが打てればOK。上・下半身がバラバラに動く、変に力が入るならNG。
※この記事は「健康」2023年秋号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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監修者
医師、医学博士 坪田 聡
つぼた・さとる●雨晴クリニック院長。日本睡眠学会、日本医師会所属。「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上させるための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチの資格を取得し、睡眠コーチングを創始。総合情報サイト「All About」の睡眠ガイドとして情報発信中。
雑誌「健康」編集部