【コラム】Def Techが打ち出す、趣き深い秋のミディアムチューン

【コラム】Def Techが打ち出す、趣き深い秋のミディアムチューン

  • BARKS
  • 更新日:2022/11/26
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2022年は、多くの夏フェス出演のほか、3年ぶりとなった全国ツアー<Look to the Stars~Def Tech Live Again Tour~>を開催し、ファイナルとなった10月29日の東京・豊洲PIT公演までDef Techのヒストリーを網羅するようなセットリストで、また次世代を担うダンサーを交えた晴れやかなステージで、前を向いて、これからの視界を広げていくようなツアーを走ってきたDef Tech。コロナ禍に入ってからひさびさとなる大きなツアーとなったが、そこに集っていた観客の年代もファミリーから若い世代までさまざまだったのが、面白い。こうして主だったツアーがなかった時期にも、Def Techがリスナーの裾野を広げていたことが、目に見えたツアーでもあった。

その広がりの理由には、2020年に結成20周年・デビュー15周年のアニバーサリーイヤーを迎えて10thアルバム『Powers of Ten』をリリースしDef Techとしての現在形を見せてくれたこと、そしてYouTubeの人気コンテンツ「THE FIRST TAKE」に出演し、デビュー曲である「My Way」(2005年)を披露。その曲のパワーが、新たなファンを獲得していったことも大きい。11月現在、再生回数が3900万回を超えて、2年を経た今も日々再生されている状況の「My Way」は、THE FIRST TAKE再生回数ランキングが歴代8位を記録(2022年1月調べ)している。YouTubeのコメント欄では、デビューからDef Techを知るファンが2005年当時の思い出を曲と重ね合わせながら語っていたり、またおそらくはTHE FIRST TAKEで初めて聴いた若い世代のリスナーが、こんな曲があったのかと思わず書き込んでいたり、多彩な言語のコメントがあったりと、曲を通してさまざまな人生がすけて見えるものになっている。それは、歌の魅力や普遍性、そのエネルギーやタフさが時代を超えていくのを目の当たりにする、という瞬間だ。

また今年夏にリリースした2年ぶりのシングル「2 Good 2 Be True」では、“#デフテックチャレンジ”としてSNSでダンスチャレンジを企画。Tik Tok等で、たくさんのダンス動画がアップされ、その曲も大きく広がっていった。コロナ禍にリモートワークで制作され、いまの時代や社会の空気を背景にしながらも、Def Techらしいポジティヴな視点で未来へとグッと加速していく高揚感を描いた曲は、ダンスしたくなるようなリズミカルなキャッチーさがあった。

SNSでバズる要素があったのはもちろんだが、実際にツアー<Look to the Stars~Def Tech Live Again Tour~>で披露されたこの曲は、レトロフューチャーでディスコティックなグルーヴがDef Techとしても新たなタッチであり、ライブの流れを変え、観客とより音で一体化する勢いがあった。彼ら自身もつねに留まることなくクリエイティブに挑戦を続け、長いキャリアに甘んじることなく可能性を広げていることを形にした曲でもあった。そして、11月25日に配信リリースとなる新曲「Save Me Tonight」もまた、Def Techの新たな魅力に溢れた1曲だ。

今回の「Save Me Tonight」は、「2 Good 2 Be True」のダンサブルなビートを引き継ぎながらも、さらにメロウで、憂いを感じ、歌心を際立たせた曲となっている。Def Techといえば、いちばんは夏のイメージ、海や、サーフテイストの名曲が数多あるが、秋の真ん中でリリースされる「Save Me Tonight」はどこかひんやりとグレイッシュな空気感や秋風が呼ぶ寂しさがサウンドやメロディに練りこまれている。

《I get lonely just like you》僕も君のように寂しくなる時もあるよ、とはじまって一対一で静かに語りかけられるように、MicroとShenのボーカルが紡がれる。心を閉ざして孤独の中にいる人、または届かない声に諦めてしまっている人、そんな人に向かって“思いを聞かせてよ”と静かに懸命に問いかけ続ける歌となっている。“今夜だけは争いをやめよう”、“星を見上げて”というまっすぐで理想的な言葉と、困難を切り抜けるのは難しいけれど、僕も転ぶことから学んで、懸命にいまを生きることを証明してきたんだというリアルで体温の高い言葉が同列にある。寄り添って、だれかに耳を傾けているようなふたりの歌のトーンが優しく響き、そしていつの間にか温かさを呼ぶ。サウンドもメロディラインも、憂いに満ちていながらもだ。こんなDef Techの秋の曲、秋のミディアムチューンもまた、趣がある。

ミュージックビデオでは、日本の知られざる絶景をDef Techによる美しいメロディでより多くの人に届けたいと、日本のスイスとも称される四国カルストで撮影を行なった。愛媛の魅力を世界に向け発信するプロジェクトチーム「まじめなえひめ研究所」と音響機器メーカー「株式会社オーディテクニカ」とのタッグで、牧歌的で美しく、また荒々しく原初的な自然のパワーを感じる景色のなか歌われる「Save Me Tonight」。ただただ美しくそこにある雄大な景色、自然は、曲の世界観をふくよかに彩るものになっているので、こちらも必見だ。

現在、Microは三宅健のソロ作品への楽曲提供やオリジナルミュージカル「りんご」に出演、Shenもヒップホップ・ユニット"E.D.O."や若手のアーティストとのコラボ楽曲制作など、個々の活動も行なっているが、2022年のツアーの成功、「2 Good 2 Be True」、そして新曲「Save Me Tonight」と充実感の高いリリースが続き、Def Techとしての精力的な活動もまた楽しみだ。

文◎吉羽さおり

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Digital New Single「Save Me Tonight」
2022年11月25日発売

◆Def Techオフィシャルサイト

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