
養殖サーモンを試食する林市長(左)、寺下会頭(手前左から2人目)ら関係者
1月から富山県氷見市沖でサーモンの養殖実験に取り組む同市の宇波浦漁業組合(荻野洋一組合長)は13日、市漁業文化交流センターで、出荷可能なサイズに成長したサーモンの試食会を開いた。刺し身で味わった出席者から「脂の乗りがよい」「全く臭みがない」と高い評価を受けた。現在養殖している1500匹は5月中に初めて出荷する予定で、来年はさらに養殖規模を拡大していくという。
養殖実験は「育てる漁業」による経営安定化を目的に、氷見市の宇波沖約500メートルに設置した6メートル四方の二つのいけすで取り組んでいる。1月に体長22センチ、重さ約240グラムの稚魚1500匹を投入。能越ケーブルネット(同市)とNTT西日本富山支店(富山市)が、海洋データを収集するためのICTブイを設置して協力した。
試食会には、林正之氷見市長や寺下利宏氷見商工会議所会頭、市内の飲食業、民宿などの関係者ら約40人が参加した。
サーモンは平均で全長40センチ、重さ0・8キロと想定よりもやや小ぶりとなったが、市長は「期待以上のおいしさ」、寺下会頭も「脂が乗り、臭みもない」と評価。民宿関係者は「味がよく氷見産という魅力もあり、民宿で提供できる」と期待を寄せた。
今後、関係団体などと協議して出荷価格や流通経路を決定する。
荻野組合長は「養殖実験としては80点。収集したデータを分析し、さらに大きく成長させて採算ベースに乗るよう研究したい」と話していた。

氷見沖で1月から5カ月間養殖したサーモン