
野球の独立リーグ、ヤマエグループ九州アジアリーグは18日、熊本市のリブワーク藤崎台球場などで開幕し、日本野球機構(NPB)ソフトバンクなどで活躍した内川聖一が加入した大分B-リングスが、昨季の独立リーグ日本一に輝いた火の国サラマンダーズを11-8で破った。内川は「3番DH」でフル出場し、勝ち越し3ランを含む2安打4打点と存在感を見せつけた。
NPB通算2186安の実力を見せつけた。6点差を追いつかれた後の6回1死一、二塁の好機。大分の内川は集中力を高めた。「試合の中でここしかない、というところ。後悔がないように思い切って振った」。右腕の菅原の初球、甘く入った直球を見逃さなかった。鋭い打球が左翼芝生席上段に一直線に飛び込む勝ち越しの3ランだ。
2-2で迎えた3回にも右前適時打を放ち、“デビュー戦”は2安打4打点と圧巻の内容。「勝ちにつながるところで打てた」。大分にとって3年目で初の開幕戦勝利に導き、チームメートと喜びを分かち合った。
ヤクルトに在籍していた昨季限りでNPBでのプレーに区切りをつけ、故郷大分のチームで迎えたプロ23年目のシーズン。「数字や相手と戦わないといけない、立ち位置を築かなければいけないというNPBと全く一緒かと言われたら違う」と心境は少し穏やかだ。
試合前にはソフトバンク時代の同僚だった火の国の馬原監督とも談笑。「相変わらずイケメン」と先輩を持ち上げつつ、「違うユニホームを着て会えるのはうれしい」と再会を喜んだ。球界屈指のバットマンは、新たな形で九州を盛り上げてくれそうだ。(伊藤瀬里加)
西日本スポーツ