「自分事として社会を学びあう場所を」研究職の私が5年後に実現したいこと

「自分事として社会を学びあう場所を」研究職の私が5年後に実現したいこと

  • mi-mollet(ミモレ)
  • 更新日:2022/05/14
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画像:Unsplash

お芋や、肉を料理するように
深い思いをこめて
政治や経済や文学も勉強しよう、
それはおごりや栄達のためでなく
全部が
人間のために供せられるように
全部が愛情の対象あつて励むように。
――石垣りん「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」より

5年後の自分を想像したとき、頭に浮かぶ詩の一片です。

こんにちは。〔ミモレ編集室〕メンバーのMiccaと言います。私の仕事は研究職。普段は論文や解説記事を書いていますが、大学での非常勤講師、企業での講演をすることもあります。
でも一番楽しいのは、市民講座で様々な年齢の方とお話をすることです。

市民講座に来る方は、年齢も来歴も多様です。
企業や大学で話すのと同じ話をしても、思いがけない反応が来ます。
男性で多いのは、職業を問わず「社会人として活躍してきた」という自負がある年配の方たち。
一方、女性は本当に様々な経歴を持った方が来られます。子供も成人し余裕ができたので、自分も勉強し直したいという方。職業人として働いてきたけど、これからは今までと違うことをしたいという方。勉強する機会がなかったから、いま学びたいという方。

面白いことに、男性も女性も、講義の後で必ずご自身の見たこと、体験したことを話して下さいます。
まるで私の話した政治や経済という大きな話の中で、自分の経験したこと、自分の物語が、どこを埋めるピースなのかを確かめるように。
そして、彼女、彼らの話してくれる体験は、私にとっても大きな発見でした。「高度成長」とか、「国際分業体制」とか、「冷戦」とか、そんな味気ない文字の背後にたくさんの人の人生があり、「歴史」や「政治」「経済」といった大きな物語のなかに、小さな物語がたくさんあることがわかるからです。

例えば。
ベトナム戦争について話をしたとき、ふと思いついて皆さんに、その時何をしていらしたか尋ねたことがありました。「その時私は○○の仕事で▲▲にいて……」と、お仕事と関連付けて思い出す方もいれば、「あの頃は下の子が○年生で…」と家族の歴史で思い出す方もいました。
そうやって自分史の中から紡ぎ出す歴史的事件の体験の話は、本当に面白くて、教えるどころか学ぶことが毎回山盛りでした。

もっとこういう機会があればいいのに。みんなが私の物語を、自分の目を通して、大きな物語と照らし合わせたり、大きな物語を個々の「私」の物語として確かめながら取り込んでいくような機会が。

それを何と呼んだらいいのか、私にはまだわかりません。
授業? ワークショップ? 勉強会?

5年後、私はその試みに名前を付けて、そのための場所を作って、そこにいたいと思っています。

そのためにできることを考えたとき、一番大事なのは、私自身がみんなが共通して参照できる「大きな物語」を正確に、公正に、かつ面白く紹介できることです。
そのために、私は今自分が関心を持っている国際政治についての知識を増やし、より正確に整理して、アクセスしやすい形にまとめなければなりません。
背骨となるような著作を1冊書くほか、学術誌に論文を投稿して業績を増やし、講師として呼ばれる人になろうと思います。

もう一つの課題は、人の話を聞くスキルを磨くこと。そして人のなかに興味を見いだせるような感性を磨いていきたいと思います。
そのために本を読んだり、人と会って話したり、興味を広く持つこと。
そして、心身ともに健康であること。

「お芋や、肉を料理するように 深い思いをこめて」、 自分ごととして政治や経済や文学も勉強できるような場所。

その場所に向けて、いま自分を整え、道を作ること。
そして、5年後はその場所から、次の5年、10年を考えていけたらと思うのです。

Miccaさん

研究職。本と旅と動物と、美味しいものが大好きです。 東京の端っこで、夫と恐竜大好きな娘、娘が恐竜の代わりに飼っているイモリと一緒に暮らしています。

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