1つでも当てはまれば「狙い目」!株価10倍以上になる「テンバガー株」候補の条件【四季報の達人が解説】

1つでも当てはまれば「狙い目」!株価10倍以上になる「テンバガー株」候補の条件【四季報の達人が解説】

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2022/06/23
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会社四季報の中から株価がグンと上がりそうな有望企業を見つけるには、どうすればよいのでしょうか? 渡部清二氏の著書『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(SBクリエイティブ)より、有望株の一つ、「業績回復株」を探すための条件を解説します。

コロナ禍は「大化け株」が狙えるチャンス

「業績回復株」は、業績が低迷している状態から、何らかのきっかけで業績回復に向かい始めている企業の株。

株価は基本的には業績と連動し、業績が上向けば株価も上向くため、投資対象としては、このタイプの株を買っておけば、業績が回復したときに大きな値上がり益を期待できます。

「元祖テンバガー・ハンター」のピーター・リンチさんによれば、株価が10倍以上になるテンバガー株が生まれやすいのは、前回で紹介した中小型株と、本稿で紹介する業績回復株です。

この2つを比べると、狙いやすいのは中小型成長株。企業の業績は一朝一夕に変わるものではなく、昨日まで不調だった企業が、今日から急に儲かるようになるケースは稀だからです。とはいえ、企業の業績は景気全体のサイクルに影響を受けるため、不景気の時期には業績が悪化する企業が増え、業績回復株として狙える選択肢が増えます。景気の影響で減収や赤字になっても、実力のある企業は確実に業績回復していきます。

その視点から見ると、コロナ禍はチャンス。

コロナ禍によって市場では一時的に株価が大きく値下がりしました。すでにコロナ前の水準まで株価が戻っている株もありますが、コロナ禍のダメージが大きい旅行、飲食、レジャー、百貨店業界などには株価が低迷したままの株もあります。

コロナ禍はいずれ収まると考えるのであれば、このような株は業績回復株として狙い目。ほかの株と同じように、コロナ禍以前の水準まで株価が戻る可能性が十分に期待できます。なかでも、もともと業績が安定していた企業、ヒット商品やロングセラーをもっている企業、キャッシュが多く借金が少ない企業などは回復する可能性がさらに大きいといえます。

業績回復株の条件は3つ…1つでも当てはまれば狙い目

本連載では、コロナ禍でダメージを受けたかどうかにかかわらず、業績回復株を探す条件を次の3つにしました。

①減収増益

②赤字から黒字転換が見込める

③景気敏感株

3つすべてに当てはまる株ではなく、どれかに当てはまる株を狙います。

■条件①減収増益=業績向上の可能性が見える企業

まず1つ目の条件「減収増益」について。

企業の収益のサイクルを押さえておくことが大事です。

企業の収益は、企業の売上と利益の変化によって、増収増益、増収減益、減収減益、減収増益の4つに分けることができ、通常この4つを繰り返します【図表】。

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【図表】企業の収益のサイクル 出所:渡部清二著『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(SBクリエイティブ)より

増収増益は、売上高が増え、利益も増えている状態。株価は収益に合わせて上昇するとされます。

増収減益は、売上高が増加しているが、利益が減少している状態。株価は天井をつけるとされます。

減収減益は、売上高も利益も減っている状態。いわゆる業績悪化局面で、株価は下落するとされます。

減収増益は、売上高は減少しているが利益は増加する局面で、株価は大底圏とされます。

このサイクルのポイントは、売上高の変化よりも利益の変化が先行することです。

増収増益から増収減益の流れを例にとると、売上高が増えていくなかで競合が増えたり、価格競争が起こると売上高を伸ばすために広告宣伝などマーケティングコストを増やすなど、しだいに利益が伸びにくくなります。これが業績が下向き始めるサインです。株価が天井(上値の限界)となって、下落し始めます。

減収減益から減収増益の流れも見てみましょう。

減収減益は、売上高が減り、利益も減っている状態で、減収増益は、売上高は減っていますが、利益は増えている状態です。

売上が減っても、それ以上にコストを抑えれば利益は残りやすくなります。減収減益のときはほとんどの会社がコスト削減に取り組むため、事業運営の無駄が減って、効率的な経営に生まれ変わります。すると、売上が少し戻っただけでも利益が増えやすくなります。

利益が出るようになれば、新しい商品やサービスをつくり出すなどして売上を増やすチャンスも生まれますので、このような変化を通じて、減収減益だった企業は減収増益、増収増益へと向かい、株価もその流れに乗って大きく上昇していくわけです。

業績回復株はこの流れに乗りそうな株で、買うタイミングとしては減収減益か減収増益で、増収増益に向かいつつある株が候補となります。

■条件②赤字から黒字転換が見込める=株価が大きく上昇するV字回復

業績回復株の2つ目の条件「赤字からの黒字転換」は、営業利益などが、前期は赤字で今期は黒字、または今期は赤字で来期は黒字が見込めるという意味です。

企業の収益サイクルを見ると、赤字企業は減収減益の状態です。このタイプの企業が黒字化するということは、減収増益のステップに向かうパターンと、減収増益のステップを飛ばして、いきなり増収増益の状態になるパターンが考えられます。

株価が大きく上昇するのは業績の変化率が大きい後者で、いわゆるV字回復の状態です。

投資家目線からは、赤字企業の株は安くても買いたいと思いません。株価がどこまで下落するかわからないし、最悪のケースとして倒産や上場廃止のリスクもあるからです。

一方、増収増益の企業の株はさらなる成長性が見込めるので、高くても買いたいと思います。赤字からの黒字転換、減収減益から増収増益への方向転換によって市場の評価が180度変わり、減収増益の状態にある株よりも大きなリターンが見込めるわけです。

■条件③テンバガーも狙える「景気敏感株」

3つ目の条件「景気敏感株」は、個々の企業の収益サイクルではなく、市場全体、経済全体のサイクルに関連する話です。たとえば、リーマンショックの前後から景気が悪くなり、アベノミクスによって景気がよくなるといった大きなサイクル。

このような動きに業績が左右されやすい企業の株を景気敏感株といいます。

具体的には、鉄鋼、化学、紙パルプなど素材産業の企業や、設備投資と関連性の高い工作機械メーカーなどがこのタイプに含まれます。

景気と業績が連動する背景として、たとえば、景気がよくなるとモノが売れるので、増産するための設備投資が活発になります。また、鉄鋼や化学産業は巨大な生産設備を保有しているなど固定費が高いため、景気の変動で売上が大きく振れると利益はもっと大きく振れる傾向にあります。

このように業績が大きく振れることで、株価も大きく上下に振れる循環を繰り返すことから、景気敏感株は景気循環株とも呼ばれます。

これを踏まえて現状を見渡してみると、コロナ禍によって景気は一時的に悪化しましたが、その後はすぐにもち直し、回復から上昇に向かう傾向が見られます。コロナ以前の日経平均株価が2万3000円前後、コロナショック下で1万7000円前後まで下落しましたが、そこから1年もしないうちにコロナ前の水準まで回復し、さらに3万円前後まで伸びています。

仮にコロナ禍が、バブル相場、ITバブル、アベノミクス相場のような景気拡大の局面になるとすれば、このサイクルが追い風となって業績が回復に向かう業種や業界があると考えられます。好景気で業績がよくなり、その結果として、減収から増収となったり、赤字から黒字転換したりといった変化が起きることで、株価10倍のテンバガーも十分に狙えるというのが本連載の考えです。

これらの条件に合う企業を四季報から探していくと、どのような銘柄が浮かび上がってくるのでしょうか? 次回は筆者が探し出した「業績回復株」の実例を解説します。

渡部 清二

複眼経済塾 代表取締役塾長

※本稿は株式投資をする際に参考となる情報提供を目的としています。筆者の経験、調査、分析に基づき執筆したものですが、利益を保証するものではありません。投資に関する最終決定は必ずご自身の判断で行ってください。

渡部 清二

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