北朝鮮“ロケット”が3回目の打ち上げへ 「島民に軍事的緊張感を刷り込む」専門家が指摘する、政府の破壊措置以外の狙い

北朝鮮“ロケット”が3回目の打ち上げへ 「島民に軍事的緊張感を刷り込む」専門家が指摘する、政府の破壊措置以外の狙い

  • 沖縄RBCニュース
  • 更新日:2023/11/21

北朝鮮の衛星打ち上げで県内は再び緊張を強いられることになります。「万が一への備え」の名の下に続く警戒に問題点はないのか、改めて考えます。

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北朝鮮が衛星と称したものを打ち上げるたびにテレビ画面が変わり、避難を呼びかけるJアラート。ことし3回目となる打ち上げが強行されれば、再び県内全域で避難が呼びかけられます。

北朝鮮が落下予測地点としているのは黄海とフィリピン沖で、県内での避難呼びかけは万が一の備えです。

しかし、Jアラートを繰り返すことで油断が生まれると指摘する専門家もいます。

防衛ジャーナリスト 半田滋さん
「Jアラートを今までのように頻繁に鳴らすと、慣れっていうのが出てきてしまって、あのオオカミ少年のようになってしまうんですよね」

「Jアラートを鳴らすんであれば、鳴らした後、人工衛星がどうなったかってことも含めて住民に丁寧に説明する必要がある。そうじゃないとまさしくオオカミ少年を政府が演じることになってしまう。そう思いますね」

一方で政府はー

岸田総理
「不測の事態にも備えて、自衛隊のイージス艦や沖縄におけるPAC-3は、必要な態勢を構築しています」

政府は北朝鮮の衛星打ち上げに備え、5月に出した「破壊措置命令」を現在も継続し、南西諸島を中心に“万全の態勢”をとり続けてきました。

石垣島では21日にすでに、陸上自衛隊の駐屯地に設置されている発射機が上空に向けて配備されている様子が確認されています。

この「備え」についても専門家は別の狙いを指摘します。

防衛ジャーナリスト 半田滋さん
「結局そのPAC-3を常時置いておくことによって、軍事的な緊張感というものを島民に住民に刷り込んでいく」

「実際、日本政府やアメリカ政府が警戒してるのは、北朝鮮というよりはむしろ台湾を巡る中国との対立。そのために今、敵基地攻撃能力の保有というものも閣議で決めて、石垣島や宮古島、そして今年は沖縄本島のうるま市にも配備する予定の地対艦ミサイルを長射程化していくってことも考えてる。そういった台湾有事に備えるための緊張感、つまり住民が受け入れられやすいような態勢をとるということにPAC-3が加担してる」

「これは北朝鮮に対する警戒をしているように見せながら、実は軍事的な緊張を住民に刷り込んでいって、そして台湾有事に備えていく態勢を反対させないような雰囲気作りをやってる、一つの舞台装置なんだと。そんなふうに見えるんですよね」

なんのためのアラート、PAC-3配備なのか。県民に緊張を強いる政府にはきちんとした説明が求められます。

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