土地取引の目安となる今年度の基準地価が公表されました。住宅地は岩手県全体の平均変動率が23年ぶりに上昇に転じましたが、需要の多い都市部と町村部の間で引き続き価格が二極化しています。
基準地価は都道府県が7月1日時点の土地価格を不動産鑑定士の評価を踏まえ判定するものです。岩手県内は33全ての市町村の354地点で調査が行われました。
平均変動率は住宅地が0.1%増で2001年以来23年ぶりに上昇しました。特に盛岡市は3.2%増と9年続けての上昇です。
商業地はマイナス1.2%で30年連続の下落になりましたが、下げ幅は1999年以降最も小さくなりました。
住宅地は256地点のうち81地点で価格が上昇しました。上昇率が最も高かったのは住環境や生活利便性の高い盛岡市本宮3丁目の9.6%で、去年を4.6ポイント上回りました。県内で最も地価の高い地点にもなり、1平方メートルあたり9万7500円でした。
商業地の最高は32年連続で盛岡市盛岡駅前通の「明治安田生命盛岡駅前ビル」で、1平方メートルあたり27万2000円でした。
盛岡市の商業地は平均変動率が1.7%で、2年連続の上昇です。県全体としては新型コロナの行動制限がなくなり繁華街や観光地の客足が回復して下落率に縮小傾向が見られるということです。
一方、町や村で少子高齢化や人口減少の進む地域では土地需要の低迷が続いていて、評価した不動産鑑定士は、二極化の傾向は当面継続すると分析しています。