「頚椎症」を発症する原因・発症しやすい年齢層はご存知ですか?医師が監修!

「頚椎症」を発症する原因・発症しやすい年齢層はご存知ですか?医師が監修!

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  • 更新日:2023/01/25
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頚椎症は首の骨や周囲の組織が加齢の変化に伴い、症状が出現してくる病気です。高齢社会の日本では、多くの方が頚椎症になる可能性があります。頚椎症が進行すると後遺症が残る危険性があります。しかし早期より適切な治療・対処をすることで治癒できる病気です。本記事では頚椎症の症状・原因・治療方法や日常生活での注意点について解説しています。正しい知識を身につけ、誰もが発症する可能性のある頚椎症について考えていきましょう。

頚椎の役割・頚椎症とは?

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頚椎とはどのような役割を担っているのでしょう?

頚椎とは背骨の一部のことです。背骨は頭に近い方から頚椎・胸椎・腰椎と3種類で構成されています。頚椎は首の部分に存在しており、7個の骨が靭帯や椎間板などによって連結されています。
中は空洞になっていて、中を通っているのが脊髄です。椎間板は頚椎と頚椎の間にクッションのような形で存在します。上から順に第1頚椎(環椎)・第2頚椎(軸椎)で上位頚椎、第3〜第7頚椎が下位頚椎と呼ばれます。頚椎の大きな役割は以下の通りです。

脊髄を守る

頭や腕を支える

身体を動かす

特に脊髄は手足を動かすなどの指令を送る重要な神経となるため、脊髄を守る役割はとても大切です。さらに頚椎の中を通る脊髄は頚椎の間から末梢神経へと伸び、手の動きに関与します。そのため、頚椎に問題が生じると脊髄や末梢神経に影響が出る危険性があります。

頚椎症とはどのような症状が特徴の病気なのでしょうか?

単純に頚椎症だけで出現する症状として特徴的なのは、首周囲の痛み・凝りです。しかし頚椎症が進行すると脊髄や末梢神経に影響が出るため、手足の痺れや歩きにくくなるなど、さまざまな症状が出現してきます。

頚椎症を発症する原因が知りたいです。

主な原因は加齢に伴い頚椎・椎間板・靭帯などにさまざまな不具合が生じることです。加齢に伴う変化は以下の通りです。

頚椎が変形して棘(とげ)ができる

椎間板が潰れて頚椎同士の間が狭くなる

靭帯が硬くなる

加齢により、さまざまな変化が起きます。クッションの役割をしている椎間板は、20歳頃から徐々に潰れてくるといわれています。

大体何歳くらいから発症する人が多いのでしょうか?

発症する年齢は40歳〜50歳を過ぎた方が最も多いです。加齢に伴う頚椎や頚椎周囲の変化が原因となるため、中高年以降の方に多い傾向にあります。男女比でいうと男性の方が多いです。また首を後ろにそらす回数が多い方・首がずっと同じ姿勢で固定されている方は発症しやすいなど、環境によっても多少の違いがあります。

10代でも発症することはありますか?

加齢変化が起きる前である10代の発症は稀なことが多いです。中には首に負担のかかるスポーツ(サッカー・柔道など)を行っていたり、首を後ろにそらしたりすることが多い作業に従事している10代〜20代での発症報告もあります。若年者の場合は、生活歴が原因であることが多いです。
また頚椎症と間違えられやすい病気として、平山病(若年性一側上肢筋萎縮)があります。発症は10代〜20代の男性が多く、特徴は手の筋力が低下することです。頚椎症との違いは痺れなどの感覚の異常が出ないことです。違いが少しわかりにくいため、注意して観察する必要があります。

頚椎症の診断・検査や受診目安

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頚椎症はどのような検査を行って診断されますか?

頚椎症の主な検査は以下の通りです。

問診

レントゲン撮影

MRI撮影

整形外科テスト

問診は現在出現している症状や生活する上で困っていることなどを聞きます。レントゲン撮影では頚椎が変形して棘(とげ)ができていないか、椎間板が潰れて頚椎同士の間が狭くなっていないかなどを確認するために必要です。MRI撮影に関しては、必要に応じて実施することが推奨されています。
手足の痺れなどが出現してきた場合、頚椎と神経の圧迫などの関係を見つけるためにMRIが必要となります。整形外科テストとはスパーリングテスト・ジャクソンテストといった手技を用いて、首の神経症状を確認するテストです。

どのような症状が出たら受診すべきか目安が知りたいです。

手の痺れや違和感がある場合は受診しましょう。痛みや凝りなどの症状で受診する方は少ないと思います。頚椎症は徐々に進行して、手足の痺れや歩きにくさなどの症状が出現してきます。さらに進行すると尿の機能にも影響が出てくるため注意が必要です。手の痺れなど違和感を覚えたら、整形外科に早めの受診をしましょう。

頚椎症が進行してしまうとどうなるのでしょうか?

頚椎症は進行すると頚椎症性脊髄症・頚椎症性神経根症といった病気に発展してしまいます。頚椎症性脊髄症は変形した頚椎や硬くなった靭帯が脊髄を圧迫する病気です。主な症状は以下の通りです。

手足の痺れ

首から手にかけての強い痛み

手や足の筋力低下

歩きにくさ

尿の障害(頻尿・残尿感・尿閉など)

ポイントは、症状が左側と右側の両方に出現する点です。日常生活では階段の上り下りや箸・ボタンなどの動作が難しくなったり、尿が出にくくなったりするなどの影響が出てきます。そのため日常生活の観察も大切です。
短期間で進行することは稀で、徐々に進行して症状が出現してきます。頚椎症性神経根症は椎間板が潰れて、脊髄神経を圧迫する病気です。主な症状は以下の通りです。

手の痺れ

首から手にかけての痛み

手の筋力低下

ポイントは、症状が原因となる片側だけに出現する点です。頚椎症性脊髄症とは違い、片側だけ症状が出る・足や尿への影響がないことが特徴として挙げられます。初期の症状は強いですが、安静を保つなどの対策で改善することが多いです。

頚椎症の治療方法や過ごし方

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頚椎症は完治するのでしょうか?

基本的には自然治癒が見込まれる病気です。しかし進行して頚椎症性脊髄症となり、脊髄に影響が出現してくると後遺症が残る可能性があります。そのため症状が出現してきた初期の段階で医療機関を受診するなど、早期に対応することが大切です。

頚椎症の治し方(治療方法)が知りたいです。

頚椎症は多くのケースで自然治癒しますが、痛みが強い場合などは痛み止めの薬や湿布薬などの処方や頚椎カラーといった装具の着用が必要になります。頚椎カラーは長期間使用すると筋力が落ちてしまうなどの弊害もあるため、医師の指示に従い着用しましょう。
また痛み止めなどは対症療法になってしまうため、治癒に向けては首への負担を減らすことが大切になります。首を後ろにそらす・長い時間同じ首の姿勢を保つことにより、症状の進行を助長する可能性があるため注意しましょう。
環境を調整することも大切です。仕事でパソコンを使用することが多いと思う方は、使用する際に首を後ろにそらさないよう、パソコンモニターと目線の位置に注意するなどの工夫をして負担を減らしましょう。
また頚椎症性脊髄症になると、手術が必要になる場合があります。手術は頚椎後方除圧術・頚椎前方固定術など原因に応じて選択されます。

頚椎症と診断された場合、してはいけないことはありますか?

首を後ろへそらしたり長時間同じ姿勢を続けたりするなど、頚椎へ負担のかかる動作を極力控えましょう。治癒に向けて首への負担を減らすことが第一優先です。
また進行して症状が進んできた場合は、歩きにくさなどが出現してくることがあります。その際に転んで首へ外力がかかると、脊髄損傷を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

頚椎症は初期の首周囲の痛みや凝りの段階では自然治癒が見込める病気です。しかし進行すると、脊髄・神経に影響が出てくることがあります。
頚椎症性脊髄症になると、手術が必要となる場合や後遺症が残る可能性も出てくるため注意が必要です。手の痺れなどの初期症状が出現した際は様子をみて我慢するのではなく、早期に医療機関を受診して医師の指示を仰ぎましょう。

編集部まとめ

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頚椎は脊髄や神経を守るなど、人体において大切な役割があります。頚椎症は加齢の変化に伴い徐々に症状が出現してきますが、初期の症状が出現した際に早期から対応することが重要です。日常生活での観察も怠らないようにしましょう。また頚椎への負担を減らすための生活の工夫・環境の調整をすることで、発症・進行の予防に繋がります。頚椎症は早期より適切な対応をすることで、完治が可能な病気です。症状が出現した際には早期の受診も忘れないようにしましょう。

参考文献

「頚椎症性神経根症」(日本整形外科学会)

頚椎症(頚部脊椎症)(日本脊髄外科学会)

Medical DOC(メディカルドック)

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