
『ちむどんどん』写真提供=NHK
『ちむどんどん』(NHK総合)第54話では、ヒロインの暢子(黒島結菜)が兄・賢秀(竜星涼)に自分の長所をたずねた。その場面から見えた賢秀の小さな“成長”がSNSで話題となっている。
努力もしないで一攫千金を狙うがゆえに、これまで何度も失敗を繰り返してきた賢秀。その度に家族に多大な迷惑をかけながらも、懲りることなく今も一発逆転の機会をうかがっている。二度の詐欺に遭った賢秀はしばらく千葉の養豚場でおとなしく働いていたが、そこの一人娘・清恵(佐津川愛美)と大げんかして、またもや東京に戻ってきた。
その頃、シェフ代行を任された暢子は二ツ橋(高嶋政伸)から「大事なのはあなたらしさ。あなたの良いところを忘れずに仕事してください」とアドバイスを送られる。しかし、いまいちスッキリしない暢子は賢秀に「うちの良いところってどこ?」と尋ねるのだった。
すると、賢秀は「フーチャンプルーを作るのがうまい」「ヒラヤーチーもそばもうまい」と暢子の良いところではなく、彼女が得意な沖縄料理ばかり挙げる。的外れな答えにがっかりする暢子。そんな妹の反応を見た賢秀は「今は俺じゃ助けにならないみたいだから。悔しいけど」と珍しくあっさり諦め、他の家族を頼ることを暢子にすすめる。大黒柱である父親を亡くして以降、自分が家族を守らねばという使命にかられるが故に間違いを重ねてきた賢秀の成長ぶりが伺えた瞬間だった。
これにはトラブルメーカーである賢秀に呆れていた視聴者も「プレッシャーから少しは解放されたかな」「大人になった」「他の人にパスを回すことができてる」と感心を示している。また、賢秀が暢子の得意料理として沖縄の郷土料理を挙げたことで、暢子が後に沖縄料理の店を開く展開を示唆しているのではないかとの声も挙がった。(苫とり子)
苫とり子