
支持率アップから逆風が吹き始めた岸田首相
岸田文雄首相(65)が26日の参院予算委員会で、野党側から長男で政務秘書官を務める翔太郎氏の首相公邸〝忘年会〟問題について質問を受けた。
同委員会は当初、広島で開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)についての質問が野党側から集中すると見られていたが、翔太郎氏の問題も追及された。これまで岸田首相は翔太郎氏の忘年会問題で、同月25日に「適切さを欠くものであります」とコメントを出し、更迭しない方針を示していた。
立憲民主党の田名部匡代参院議員は「公邸の利用の内規に照らせば、部外者が執務や迎賓スペースで寝転んで写真を撮るのは違反行為ではないのですか」と質問。これに岸田首相は「セキュリティーの関係もあり、公にしてはいけない」とし、内規の有無について明言を避けた。
松野博一官房長官が代わりに公邸の内規に関して「定義はありません」と説明した。田名部氏は翔太郎氏に関する質問を続け「首相の安全管理をしている立場です。危機管理施設で寝転がって写真を撮るようなことがふさわしいのか。更迭すべきではないか」と問うた。
岸田首相は「公邸内には公的なスペースがあるわけですから、その点において、報道(週刊文春)にありますような行動、これは不適切であったと認識している」とした上で、今後の在り方について「しっかりと考えなくてはならない。そういったことを勘案した上で、(翔太郎氏に)厳重に注意した」と更迭の要求には応じなかった。
永田町関係者は「岸田首相はG7サミットの成功で、内閣支持率を上昇させた。しかし、翔太郎氏の忘年会問題で一転、逆風に見舞われている状況です。野党内には翔太郎氏を〝公人〟と位置づけて『自分の言葉で説明すべきだ』との声が出ています」と指摘した。
東スポWEB