小糸製作所が出資のLiDARメーカー「Cepton」が上場へ、GMが大型発注

小糸製作所が出資のLiDARメーカー「Cepton」が上場へ、GMが大型発注

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/09/15
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カリフォルニア州サンノゼ本拠のLiDARメーカー「Cepton」が、SPAC(特別買収目的会社)のGrowth Capital Acquisitionとの合併を通じて上場する計画であることが、9月9日に米証券取引委員会(SEC)に提出された資料によって明らかになった。

資料によると、CeptonはGM(ゼネラルモーターズ)から初めての大型受注を獲得し、GMは2023年から9車種に同社製のLiDARを搭載する計画という。2016年に設立されたCeptonは、早い段階から小糸製作所とパートナーシップを結び、同社から出資を受けている。

Ceptonは小糸製作所にライセンスを提供し、小糸製作所がCeptonの技術を採用した自動車向けLiDARを製造してGMに供給する。

こうした大手メーカーとの提携は他のLiDAR企業でも見られる。例えば、ベイエリアのLiDARスタートアップで、今年上場したAeyeは、ドイツのコンチネンタルと提携し、2024年からコンチネンタルが自動車メーカーにLiDARを供給する予定だ。

CeptonのLiDARを最初に導入したのは、ミシガン州アナーバー本拠のメイ・モビリティ(May Mobility)だ。メイ・モビリティは、Ceptonのほか、LeddertechやベロダインのLiDARを第1世代の自動運転シャトルに搭載しており、最近リリースした第2世代プラットフォームには、ロングレンジ用にベロダイン、ショートレンジ向けにOusterのLiDARを採用している。

Ceptonのソリッドステート式LiDARは、他社とは異なる技術を搭載している。ソリッドステート式の特徴は、レーザーを照射する仕組みにあるが、多くの製品に用いられているのは、MEMS(micro-electro-mechanical-systems)と呼ばれる技術で、レーザーを小型ミラーに反射させて視野角内にある対象物に照射する。AeyeyやInnovizなどのメーカーは、MEMS方式を採用している。

一方、CeptonはMMT(micro-motion technology)と呼ばれる独自のソリッドステート技術を用いている。同社はMMTについて多くを明らかにしていないが、クォーツ時計に使われている水晶に似た仕組みという。クォーツ時計は、水晶に電流を流すと一定の振動数で振動する性質を使って針を動かしている。これと同様に、MMTも振動する物質を使ってレーザーを照射している。同社のLiDARは堅牢で低コストが実現できるという。

GMはレベル3の自動運転に採用か
CeptonのLiDARは、公道で行ったデモで200メートル先の車両を検出した。ルミナーやAeyeが目に優しい1550nmのレーザーを用いているのに対し、Ceptonはより低コストな905nmのレーザーを採用している。この波長は目に害を及ぼす恐れがあるため、出力に上限が定められている。

Ceptonの製品の検出距離の上限は、200メートルとされている。同社の「Vista P60」は、検出距離が200メートルで反射率は30%で、「Vista X90」も同じ検出距離で反射率は10%となっている。これに対し、Aeyeの「4Sight」の最大検出距離は1000メートルだ。また、アルゴAIの新型LiDARの反射率は250メートルで3%、400メートルで10%となっている。Ceptonの905nmのLiDARは、高速道路での自動運転を実現する自動運転レベル4の車両には採用されない可能性が高い。

GMは、自動緊急ブレーキや歩行者検知などのADAS(先進運転支援システム)の機能強化や、現在開発中の自動運転支援システム「Ultra Cruise」の実現にCepton製LiDARを用いる模様だ。

GMはUltra Cruiseの詳細を明らかにしていないが、自動運転のレベル3(L3)に相当するものになると考えられている。L3システムは、運転手が常に前方を見ていなくても、他の車両を安全な間隔を保ちつつ追尾することを可能にする。ホンダやメルセデスベンツのL3システムも、カメラやレーダーによるセンシング機能を補強するためにLiDARを用いている。

SECに提出された書類(S-4)によると、CeptonとGMとの協議は2019年に始まり、当初は4車種が対象だったが、その後9車種に拡大したという。GMとの取り組みは、2023年から2027年までに生産される車両が対象だが、発注書はまだ発行されておらず、GMが発注を延期するかキャンセルする可能性がある。

LiDARの価格は200ドルから1000ドルに
Ceptonは、GM以外にもフォードと協業しており、同社によるADASの研究開発やスマートシティの取り組みに対してLiDARを提供している。フォードはハンズフリーシステム「BlueCruise」にLiDARを採用する可能性が高く、Ceptonはサプライヤー候補に含まれると思われる。

フォードは、都市部の交差点に設置する「スマート・センサーポッド」の開発も進めている。センサーポッドは、カメラやレーダー、LiDARを搭載し、C-V2X通信を用いて交差点に進入する車両に危険を知らせる。Cepton製LiDARを採用したセンサーポッドは、2020年秋にミシガン州サリーンで最初にテストされ、2021年春以降にはマイアミの数ヶ所に設置され、アルゴAIの自動運転車と合わせて実証実験が行われている。

今後1〜2年で、ホンダやメルセデスベンツをはじめ、多くのメーカーが量産車へのLiDARの搭載を開始する計画だ。この中には、ボルボやルーシッドモーターズ、BMW、Xpeng、SAIC(上海汽車集団)、ファラデー・フューチャー(Faraday Future)が含まれる。

各社が採用するLiDARの性能は、低コストなフラッシュLiDARから、ルミナーやAeyeが製造する高性能でロングレンジなLiDARまで様々だ。価格も200ドル以下から高額なものまで幅広いが、各社とも1000ドル以下に抑えることを目指している。

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