「早期退職」決断する前に必ず確認したいお金のこと

「早期退職」決断する前に必ず確認したいお金のこと

  • CHANTO
  • 更新日:2020/11/20
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今の勤務先でのキャリアプランに希望が見えにくいときには、思い切って早期退職を考える人もいるのではないでしょうか。また、育児や介護など家庭の事情によって考えざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、退職後「こんなはずではなかった!」とならないために、決断する前に確認しておきたいことがあります。今回は、早期退職のメリットとデメリット、退職の理由別の注意点についてお伝えします。

早期退職のメリットとデメリット

定年を待たずに退職することを早期退職と言いますが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

次のキャリアプランを早く始められる

悩みながら働くストレスから解放される

早期退職をして転職しようとするなら、早く転職したほうがその分新しいキャリアを早く築くことができます。現在の職場でのキャリアプランに将来性を感じられなければ、転職をしてステップアップするほうがメリットがあると言えるでしょう。

また、「もう辞めたい…」とモヤモヤ悩みながら働き続けるのはストレスが大きいですよね。ストレスフルな毎日を過ごしていると、仕事中だけではなくプライベートな時間にも影響が出てきてしまいます。そんな時は早期退職を決断することで、新しい世界が開ける可能性があります。

一方デメリットも考えなくてはなりません。

デメリット

収入が一時的に下がる可能性がある

新しい職場で融通がきかないことも

現在の職場に対して、主に待遇面で納得できずに早期退職を考えている人もいるでしょう。しかし転職した場合には、はじめの数か月は試用期間として収入が下がることが少なくありません。

日本FP協会の「働きざかり(30代・40代)のライフプランニング意識調査(2010年)」によれば、30代で転職経験のある人は約6割、平均して2.3回という結果でした。半数以上の人が転職をしていますが、転職をして収入が増えたと答えている人は少ないのが現状です。

転職による年収の増減額は、「ほとんど変わらない」と答えた人が男女とも最も多いのですが、増減額の平均を見ると全体で14.4万円の減少、女性の減少幅はそれよりも大きく27.2万円です。早期退職後に転職を考えているなら、収入面で困らないようにしておかなくてはなりません。

また、長く勤務している職場では、ちょっとした都合で半日休暇を取ったり、遅出や早退など融通がきく点が助かりますが、新しい職場では難しくなる可能性もあります。このように見えづらいデメリットにも気をつけなければなりません。

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早期退職の理想と現実

コロナ禍の業績不振により、勤務先が早期退職者を募集する場合があります。このケースで早期退職した場合は、退職金が割増になったり、会社都合の退職になって失業保険の支給日が早まったりします。

まとまった退職金が受け取れるとなると気が大きくなり、マネープランは後回しにしてしまいやすいのですが、そんな時こそ計画を立てることが大切です。退職後にどのような暮らしをしたいのか、再就職をするべきなのか、再就職するならタイムリミットはいつなのかなど、決めておくことで時間やお金を有意義に使うことができます。

早期退職で地方移住… 安易な考えは要注意

早期退職は、転居をきっかけに考える人もいるかもしれません。コロナ禍でテレワーク中心になった会社が増えました。出社しなくても仕事ができる環境が整ったため、家賃の高い都心ではなく、安くて広い家に住むことができる郊外への転居を実行する人が増えています。

郊外であれば、家賃をはじめとした物価が抑えられると考えられますが、だからといって安易にパートナーのどちらかが退職するのは要注意です。通信費や自動車関連費用など、都心とは異なる出費がかさむ場合もあります。

まずは転居先での生活にどの程度の費用がかかるか見極めることが必要。そのうえで早期退職をしてもムリのない家計になるか慎重に計算してからの決断が安心です。

介護退職は本当に必要?自分だけで抱えないで

もしも親が介護状態になったら、世話のために退職するしかないのでしょうか? 結論から言えば退職する必要はありません。働きながら介護をする人の増加に伴って公的な支援制度が整ってきているので、制度を利用して仕事を辞めずに介護もできるからです。

介護休業制度は、会社に申し出れば通算93日まで休みがとれ、その間は雇用保険から給与の約3分の2の金額が給付金として受け取れます。ただし、介護休業給付は介護休業終了後には職場復帰を前提としています。そのため、介護休業当初から退職を予定しているのであれば、給付の対象にはなりません。

早期退職した後、会社勤務などをしなければ自分自身の年金が厚生年金ではなく国民年金になるため、老後の公的年金が少なくなります。親の介護が終わった頃にふと気がつくと、老齢年金は少なくなり、貯蓄は底をついて再就職も難しい、といった現実に直面することは避けたいですね。親の介護は大変ですが、自分の老後資金のことも忘れてはいけません。

>>NEXT もし、自分が病気になったら…

もし、自分が病気になったら…

では、自分が病気になったらどうでしょう。この場合も、退職は最後の手段と考えておくべきです。通院や入院のために出社できなくなっても、会社員であればまずは有給休暇を利用することができるので、収入は確保されます。

療養が長引いた場合には、社会保険の健康保険に加入しているので、傷病手当金を受け取れます。傷病手当金は、連続して3日会社を休んだ場合に4日目から給付が開始され、最長1年6カ月支給されます(給料の約3分の2を支給)。もしも退職することになった場合でも、一定の条件を満たしている場合は傷病手当金を引き続き受け取れる場合があります。

仮に療養後に転職したいと思っても定期的な通院が必要などの理由で、就職先を見つけることが難しくなるケースが少なくありません。会社を辞めずにいれば、療養後の復帰も慣れた仕事ですからスムースではないでしょうか。

がんなどの病気が見つかったことをきっかけに退職する人もいますが、医療の技術は日進月歩。仕事に復帰するようになることは珍しいことではありません。主治医や信頼できる人と相談しながら、後悔しない選択をして欲しいと思います。

やりたいことがあるなら、準備は周到に

早期退職を考える理由が、「やりたいことが他にある」場合は、やりがいや生きがいとともに経済的な準備は周到にしておきましょう。その際、楽観的な見通しは禁物です。「厳しすぎるかな」と思うくらいに考えておくことで、予想外の事態にも対応できるでしょう。

最低限、用意しておきたいお金は、半年分の生活費と緊急予備資金です。やりたいことをするには、収入の金額は二の次になる場合もあります。そんな状況でも夢を追いかけられるのは、資金の準備があるからこそと言えるでしょう。

早期退職は、人生を大きく変える決断になるかもしれません。お金の不安をなくすことが、冷静な判断につながるでしょう。

文/タケイ啓子

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