巨人がソフトバンク倒す手は.../宮本・和田氏対談2

巨人がソフトバンク倒す手は.../宮本・和田氏対談2

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2020/11/22
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日本シリーズを予想する和田一浩氏(左)と宮本慎也氏

日刊スポーツ評論家の宮本慎也氏(50)と和田一浩氏(48)が今年の日本シリーズを「深掘り」する対談の後編。前日に掲載した前編ではソフトバンクVで一致した両氏だったが、層の厚さを誇るソフトバンクに巨人の逆襲の目はあるのか? ベテラン遊軍・小島記者を交えての対談は白熱したものとなった。

◇   ◇   ◇

小島 カギを握る選手を挙げると誰ですか?

和田 周東でしょうね。当たり前ですが極力、塁に出さないこと。柳田、中村晃なんかは完璧に抑えようと思っても難しい。でも周東さえ出さなければ失点は減る。盗塁を警戒するから、余計に後ろのバッターに集中できなくなる。キャンプで見たときなんか、まだまだ非力で、足の速い打者特有の“走り打ち”だった。でも使っているうちにグングンと良くなってきた。まだ抑えようがないというレベルじゃないから、なんとか抑えないと。

宮本 確かにまだ技術的に足りない部分はあるけど、格段に良くなってる。CS2戦目なんか、状況を見て的確に狙い球を絞っていた。チェンのときなんか、スライダーがきそうだなって時に狙ってきたし、ハーマンのときなんか、真っすぐ1本で力負けしないように振って結果に結び付けていた。体は細いけど結構力があるタイプ。野球を考える頭もいいんじゃないですか。自分に足りない部分を補っている。狙い球を絞ってくる打者って、とんちんかんな凡打や三振もある。でも完璧に抑えるのは意外と難しいんだよなぁ。

小島 ここまで話を聞いていても、巨人が不利という話ばかりですね。なんかないんですか?

和田 今年、思ったんだけど、原監督の采配を見ていて、こんなに監督によって勝敗の差が出ると思わなかった。結局、やるのは選手でしょ。そういう意味では原監督がどういう野球をやって、この劣勢を戦うのかが楽しみですね。

宮本 ベンちゃん(和田氏)は現役時代、西武と強い時期の中日でやってからなぁ。強いチームって、選手に能力があって自覚があるから、監督の差ってあまり感じずに野球をやれる。でも今年、原監督の采配が目立ったのは、裏を返せばベンチが動かないと勝てないからだと思う。主力の成績は下がっている。

和田 そうですねぇ。昨年の日本シリーズなんか、塁に出られないから、何もできずに終わった感じ。ソフトバンクの一番の強みは投手力。モイネロなんか、どうやったら打てるのか分からない。先発する力があるアンダースローの高橋礼や、変則左腕の嘉弥真がいたり、バリエーションも豊富。150キロ以上を投げられる若い投手もゴロゴロいる。(県岐阜商の後輩の高橋)純平なんか他の球団にいったら先発を狙える素質があると思うけど、1軍にすら定着できない。すごい投手陣ですよね。

宮本 層が厚くて競争が激しい。不平不満も出にくいんじゃないかな。

小島 圧倒的な投手力がありますが、実践している野球には隙が多いと思いますが?

和田 野球は単純ですよね。ボクが現役のときの中日もそうでしたけど、基本的にクリーンアップ以外は送りバント。主軸がしっかりして、それ以外の選手も走力がある。奇襲をかける必要性が低い。変に動く必要がないんですよね。逆に巨人はいろいろと動いてかき回していかないと。あとは走者がたまったときに1発とか、ミスに乗じた得点に期待して、失点を最小限に食い止めて我慢する。連打連打で打ち勝つイメージはわきませんよね。

小島 個人的には甲斐のリードに隙があると思うんですが? CS初戦でも千賀のど真ん中の真っすぐを完全に振り遅れて空振りした安田に対し、2球目にフォークを投げて2ラン。もちろん、完全なボールゾーンに投げていれば空振りしていたんでしょうが、危険を冒さなくても簡単に打ち取れそうなところで首をひねるような配球をします。以前、日刊スポーツの評論で宮本さんが同じような状況で甲斐のリードを指摘しましたが、そこらへんはどうですか?

宮本 配球の批評は結果論になりやすいし、あまりやりたくないんですよねぇ(苦笑い)。でもバッターのスイングや試合展開によって、それだけはやったらダメという状況はある。大事な試合ならなおさら。バッターが見えていて根拠があり、裏をかいたつもりで投げさせて失敗したなら仕方ない。でも大事な場面でホームランだけは避けたい場面ってあるでしょ。さっき言ってたように危険を冒さなくても防げそうなら、わざわざ危険を冒す必要はない。そこでやらかしたりするのは、バッターが見えていないとか、状況を把握できていないとか考えられる。そう感じたから指摘したつもり。甲斐の場合、肩は素晴らしいし、ワンバンを止める技術は文句なし。少し配球が悪くても、正捕手の座は揺るがないでしょう。それだけにここ一番でやらかさないような配球ができるようになれば守備面は完璧。それに配球を指摘した試合は、試合を決定付けたもの。遠慮して指摘しない方がおかしくないですか?

小島 個人的に思うんですが、厳しく指摘できる解説者や評論家が少なくなりましたよね。いいことだけ取り上げるのは楽ですが、それだけじゃ野球の面白さは伝わらないですよね。

和田 テレビの解説だとどんどん試合が進むから、1カ所を掘り下げてじっくり指摘するのって難しいときがありますよね。新聞は文字で端的な言葉で表現するから乱暴に感じるときがある。うまく伝えるのって難しいですよね。甲斐のリードに話を戻すなら、ソフトバンクは投手陣がいいから間違っても抑えられるときが多い。痛い目に遭うことが少ないから、自分になにが足りないのかも分かりにくい。これは甲斐のせいではないですけど(笑い)。ホームランは試合の流れを変えるし、巨人からするとそのチャンスを生かしたい。逆に甲斐が隙を見せなければ、圧倒的にソフトバンクが有利だということ。

宮本 捕手のリードに関しては、巨人にも同じことがいえるでしょう。全試合がDHになって、巨人が誰をキャッチャーで起用するのかは見どころのひとつだと思いますよ。

小島 なるほどです。日刊スポーツでは宮本さんが3戦目と4戦目で、和田さんが2戦目、6戦目、7戦目で評論します!

和田 ボクの予想(ソフトバンクの4勝1敗)だと6戦目と7戦目はありませんが、よろしくお願いします!(おわり)

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