
デイリースポーツと試合の写真を手に笑顔を見せる那須川天心(撮影・吉澤敬太)
ボクシング転向2戦目をフルマークで判定勝利した東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(25)=帝拳=が19日、都内のホテルで一夜明け会見を行い、今後の飛躍を誓った。所属ジムの本田明彦会長は来年の海外試合開催プランを明かした。また、ダブル世界戦に出場した2王者は、それぞれ4団体統一の目標を明かした。
プロ初KOはお預けとなったが、デビュー2連勝と成長の跡を示した天心。「良くなっている部分はあり、デビューからやってきたことが間違いじゃなかった。新たな課題が見えた。まだまだ道のりは長いが、自分の中でポジティブに感じている」と、課題克服への意気込みを明かした。
2度のダウンを奪ったことに、本田会長は改めて高い可能性を感じたという。次戦は来年1月を予定しており「首都圏以外もある」と地方開催を示唆。さらに4戦目以降は「海外で試合ができれば」と明かした。キック時代はほぼ日本を主戦場としてきた天心も野心がある。前日の試合後のインタビューでは、海外配信を意識して英語で自己紹介。世界戦略を始めている。
昨夜の激闘では、4回に左拳を痛めた。20日に病院で検査を行うが、一晩たって「悪化していないと思う」と軽傷を強調した。
今後1カ月は休養に充てる予定。「サーフィンがしたい。大自然にもいきたい。電波が届かないところに」とリフレッシュプランも明かしたが、神童は「脳みそを休めたらまた練習したい。格闘技がないと頭がおかしくなっちゃうので、早く練習したいですね」と早期練習再開への意欲を明かした。
◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉県松戸市出身。5歳で極真空手を始め、14年にキックボクシングのRISEでプロデビュー。15年に史上最年少16歳でバンタム級王座を獲得した。18年大みそかに、ボクシング元世界5階級王者のメイウェザー(米国)との非公式戦で1回TKO負け。22年6月の「THE MATCH」では武尊に判定勝利し、キックの最終戦を飾った。総合格闘技を含めた公式戦は通算47戦47勝(32KO)。今年4月の与那覇勇気(真正)戦でボクシングデビューし判定勝ち。現在2戦2勝。身長165センチ、左構え。愛称「神童」。