Casey Hall

9月19日、在上海の米商工会議所が中国で事業を展開する米企業を対象に行った年次調査で、向こう5年間の事業見通しを楽観する企業の割合が過去最低に落ち込んだ。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで1月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
[上海 19日 ロイター] - 在上海の米商工会議所が中国で事業を展開する米企業を対象に行った年次調査で、向こう5年間の事業見通しを楽観する企業の割合が過去最低に落ち込んだ。地政学的情勢や景気減速が悲観的な見方につながっている。
この割合は52%で、調査が初めて公表された1999年以来の低水準となった。昨年の収益と景況感を大きく圧迫した新型コロナウイルス関連規制の解除後も、楽観度合いが低下している。
商工会議所のショーン・ステイン会長は「今年の調査を実施するまでに(コロナ後の)持続的な景気回復が見られるという幻想はほとんど崩れ去った」と語った。
地政学リスクが多くの企業にとって引き続き大きな懸念事項で、回答した325社の6割が米中関係の緊張を事業における最大の課題として挙げた。中国の景気減速が最大の課題と回答した企業も同水準だった。
規制環境の透明性を巡る懸念も高まり、過去1年間に外国企業に対する政策や規制が悪化したとの回答は3分の1に上った。ただ多くの企業はデカップリング(切り離し)圧力に関する質問では中国よりも米国の政策を指摘した。
中国向けとしていた投資を主に東南アジアに振り向けている、あるいは振り向けようとしていると回答した企業の割合は昨年の34%から40%に上昇した。
レモンド米商務長官は先月、訪中した際に「中国におけるリスクは高すぎるため、投資できない国になりつつあるという声が米企業の間で高まっている」と述べた。
今回の調査はレモンド氏の訪中前に実施されたという。