《12年間のドキュメンタリー》アメリカ“ラストベルト”の日常とは 「行き止まりの世界に生まれて」を採点!

《12年間のドキュメンタリー》アメリカ“ラストベルト”の日常とは 「行き止まりの世界に生まれて」を採点!

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/09/15

〈あらすじ〉

イリノイ州ロックフォードは、鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、アメリカの繁栄から完全に取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」にある。この町に暮らすキアー・ジョンソン、ザック・マリガン、ビン・リューの3人は、貧しく暴力的な家庭から逃れるように、幼い頃からスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もう一つの家族だった。大人になるにつれ、彼らはそれぞれの人生に向き合い始める。仲間に向けてカメラを回し続け、映画監督となったビン・リューが閉塞した町に暮らす3人の12年間の軌跡をたどったドキュメンタリー。アメリカが抱える貧困やDV、人種などの社会問題が浮き彫りになる。

〈解説〉

第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞と第71回エミー賞ドキュメンタリー&ノンフィクション特別番組賞にノミネート。オバマ前大統領が「年間ベストムービー」に選出。93分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆斜陽の街。スケボーで憂さを晴らしながら現実と向き合ってゆく若者たち。監督の母親の言い分に(悪いけど)イライラ。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆名作『フープ・ドリームス』ほど深くはないが、ジグザグの迷走感が肚に響く。痛みと親密さが、交互に斬りつけてくる。

斎藤綾子(作家)

★★★☆☆ビン監督が母親に男のことを追及する場面は過酷だが面白い。行き止まりの中で踠いているいている己の今昔を誰もが重ねそう。

森直人(映画評論家)

★★★★★宝石の瞬間に満ちたストリートの青春群像。分断や負の連鎖を注視し、怪我しながらも立ち上がるタフで繊細な魂に感涙。

洞口依子(女優)

★★★★★スケボーで滑走する彼らの行方を追うままに心鷲掴み。この映像体験は現代のカサヴェテスだ。『mid90s』と併せて是非!

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『行き止まりの世界に生まれて』(米)
シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中
http://www.bitters.co.jp/ikidomari/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年9月17日号)

「週刊文春」編集部

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