朝乃山「特に意識する」合口悪い大栄翔に屈し連勝止まり5勝5敗「同年代に負けたくなかった」

朝乃山「特に意識する」合口悪い大栄翔に屈し連勝止まり5勝5敗「同年代に負けたくなかった」

  • 日刊スポーツ(バトル)
  • 更新日:2023/09/19
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朝乃山(右)を突き落としで破った大栄翔(撮影・野上伸悟)

<大相撲秋場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館

大関経験者で西前頭2枚目の朝乃山(29=高砂)は、連勝が「3」で止まり、5勝5敗と星が五分に戻った。

関脇以上では唯一、対戦を残していた関脇大栄翔に、突き落とされて敗れた。取組前までの大栄翔との直近5度の対戦は、先場所途中休場の不戦敗を含めて1勝4敗。合口の悪かった相手にまたも敗れた。大関戦3連敗を含む、途中4連敗で負った“借金”を返済する4連勝とはならず、目標の2桁白星に後がなくなった。

立ち合いから、おっつけて相手の突っ張りを下からはね上げた。だが1度離れた後に低く当たってきた大栄翔に懐に入られると、もろハズ、のど輪で一気に土俵際まで押し込まれた。朝乃山は逆襲しようと、右で相手の顔を張ったが、体が泳いで自滅する形で前のめりとなり、そのまま突き落とされた。「立ち合いでしっかりと当たっても、その後の攻めが、相手の方が1つ、2つ低かった。そこで押された」と、悔しそうな表情を見せて振り返った。

前日9日目は、圧力のある前頭玉鷲の立ち合いを、逃げずに正面で受け止めた。そこから右を差し、まわしにこだわらずに前に出て寄り切り。相手は初日から全敗だったが「玉鷲関は(幕内)優勝を2回しているし、油断できなかった。踏み込み負けすると、持っていかれて相手のペースになる」と警戒し、立ち合いで主導権を握って押し込んだ。回転の速い突っ張りを得意とする大栄翔と、1発1発重みのある押しが武器の玉鷲では、タイプこそ異なるが、押し相撲への対応の感覚は、自然と向上させてこの日を迎えていた。

大栄翔には再入幕した5月の夏場所で、12日目に顔を合わせて完敗していた。東前頭14枚目だった同場所は、11日目を終えて10勝1敗で横綱照ノ富士とともに優勝争いの先頭に立っていた。本来は対戦しない番付だが、好成績のため12日目に組まれたのが、当時も関脇だった大栄翔戦。そこで完敗、翌13日目の照ノ富士戦も敗れ、優勝が遠のいていた。

4年ぶり2度目の優勝への盛り上がりを、一気に沈静化されられたのが大栄翔だった。かねて「特に意識する」と話していた同い年の相手であり、前日の取組後は「5月は負けているし、リベンジしたい」と、雪辱への思いの強さを明かしていた。それでも返り討ちに遭った格好で、この日の取組後も「同年代に負けたくなかった」と話していた。「切り替えるしかない。考えても明日はやってくる」と、自らに言い聞かせた。これで三役以上で対戦していないのは小結翔猿のみで、残すは5日間となった。目標の2桁白星には、5番全て勝たなければならない。「少しでも(星を)落とさないようにしたい」。左腕を痛めて途中休場から再出場後、4番全て勝ったように、追い込まれた時の勝負強さは証明済み。終盤戦は、再び連勝を歩むつもりだ。

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