日本史記述削除、駿台撤回へ 竹島・南京めぐり 講師と合意

日本史記述削除、駿台撤回へ 竹島・南京めぐり 講師と合意

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2021/10/15
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"竹島や南京事件についての一部記述の削除が問題になった駿台予備学校の日本史テキスト=関係者提供"

大手予備校の駿台予備学校が8月、日本史テキストの竹島や南京事件(1937年)に関する記述の一部を削除したことをめぐり、学校側が削除を撤回する方向であることが関係者への取材でわかった。今後はテキスト執筆者や講師の同意なく改編や削除をしないことや、撤回後の措置について学校側と執筆陣で改めて協議することで、学校側と講師側が合意したという。

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学校側が8月に削除したのは、「日露戦争中に日本は独島(トクト)を領土に編入して既成事実化して竹島と命名した」との記述と、南京事件に関する「中国民衆・投降兵・捕虜の虐殺は十数万人以上」などの記述。

「独島」は竹島の韓国名だ。同島は韓国が実効支配しているが、日本政府は「歴史的事実からも国際法上も明らかに日本固有の領土」との立場。南京事件の犠牲者数は日本国内の歴史研究者の間でも推計に幅があり、2万人余りという説もあれば十数万~20万人という説もある。

駿台予備学校を運営する学校法人駿河台学園によると、8月29日、竹島に関する記述があるページの画像がツイッターに投稿され、批判的なツイートが殺到。同31日に自民党の山田宏参院議員の事務所から問い合わせの電話が数回あった。学園は同日中に「様々な指摘を総合的に判断」して削除を決め、一部の校舎で削除箇所を掲示したという。

駿台関係者によると、9月17日、講師らに学校側が「ツイッター炎上は社会問題にもなっている。今回、早期解決に重きを置いて対応したが、教材訂正は執筆者の許可なくできないことは十分認識している」などと説明した。

27日には日本史や物理、英語、国語など各科の講師有志約60人が連名で学校側に要望書を提出。講師側は「駿台では不文律として教科内容は各教科の講師に委ねられてきた」「教育活動の自律性は研究・教育の自由の一環として保障されなければならない」と強調。(1)テキストと試験問題作成(執筆と編集)は今後も各講師に委ねられ、執筆者や講師の同意なく改編・削除しない(2)今回、執筆者の許可なく削除したことを撤回し、その後の措置は学校側と執筆者で協議する――の2点を求めたという。

学校側は今月、講師有志と協議。この2点について「双方で円満に合意し、誠実に実行する」と関係する講師に報告したという。

学園広報部は朝日新聞の取材に「講師有志から要望書が学校に提出され、双方で今後の対応を協議することになりました。削除した内容を改めて検討します。学校内部のことですので詳細は差し控えます」と回答した。(編集委員・北野隆一)

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