ガソリンや灯油高値で運送業界、温浴施設は悲鳴 「あと2割上がると緊急事態」

ガソリンや灯油高値で運送業界、温浴施設は悲鳴 「あと2割上がると緊急事態」

  • 福井新聞ONLINE
  • 更新日:2021/10/14
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レギュラーガソリン160円台を示すガソリンスタンドの価格表示板。県内の平均小売価格は7年ぶりの高値水準となった=10月13日、福井県福井市内

ガソリン平均小売価格が7年ぶりの高値水準となったことを受け、福井県内の石油製品を扱う各業界から影響を懸念する声が上がっている。新型コロナウイルス禍から回復途上の経済環境では価格転嫁が難しい状況で、関係者は警戒感を強めている。

■投機的な値動き

石油情報センターの週次調査によると、県内ガソリン平均小売価格(レギュラー1リットル)はコロナ禍の中、2020年5月18日に127円90銭まで下落。その後、世界的な経済回復による原油の需要増を背景に上昇を続け、今年に入って140円台を維持。3月には150円台となり、今月4日に前週比2円60銭高と急上昇して160円台に突入した。過去最高値は08年8月の185円90銭。

ニューヨーク原油先物相場では、指標の米国産標準油種(WTI)が続伸しており、ガソリン価格はさらに上昇する可能性がある。同センターの担当者は「(シェールオイル産出国の)米国の大型ハリケーン被害や産油国の生産抑制などで需給逼迫(ひっぱく)感が高まっている。米国の経済指標などで値動きするため、今後は不透明」と話す。

県内ガソリンスタンド(GS)などの石油製品販売業者でつくる県石油商業組合では、加盟社から直近の急激な価格上昇に危機感を訴える声も出ている。各GSは石油メーカーの卸価格の週変動に合わせて小売価格を設定するのが基本だが、近隣GSとの競争や顧客への影響を考慮し価格転嫁が遅れることもあるという。河部秀範専務理事は「原油が投機的な値動きになっており、直近のような値上がり幅が続くと、GS経営は資金繰りが厳しくなる」と懸念する。

■あと2割高で緊急事態

軽油や重油、灯油も値上がりが続いており、県内の運輸やエネルギー多消費型の業界では影響を懸念する声が出ている。

運送業のラニイ福井貨物(本社福井市)の藤尾秀樹社長は「1年前に比べて軽油の仕入れ価格が約25%上昇し、あと2割上がると緊急事態。コロナ禍で企業間の物量が回復していない状態なので、運賃に転嫁するのは難しい」と頭を悩ませる。

県トラック協会によると、運送会社が給油所を自社保有している場合の軽油インタンクの直近価格は、高値圏だった13、14年水準に迫っている。当時は協会内に燃料高騰対策本部を設置して国などに要望活動しており、担当者は「この高値が1~2カ月続くと、対応を考えないといけない」と注視する。

複合型温浴施設「リライム」(同市)は、大浴場などの湯をボイラーで加温するために灯油を使用。担当者は「タンクに1回当たり1万6千キロリットルを給油するので、価格上昇は痛い。灯油は冬場にかけて値上がりしていくので、今後が不安」と話した。

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