習近平も恐れ震える...ついにアメリカが「中国との戦い」に“マジ”になってきた!

習近平も恐れ震える...ついにアメリカが「中国との戦い」に“マジ”になってきた!

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/06/11
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アフガニスタン戦争、遂に終わる

アフガニスタンからの米軍撤退が加速している。米国のジョー・バイデン政権は、撤退の理由に「中国との競争」を挙げた。米軍のアフガン撤退は、中国の脅威にさらされている日本や台湾、アジアの自由民主主義国にとって、どんな影響をもたらすのだろうか。

バイデン大統領は4月14日、米同時多発テロから20年となる9月11日までに、米軍をアフガニスタンから全面的に撤退させる、と表明した。ドナルド・トランプ前政権は昨年、アフガンの反政府武装勢力、タリバンとの和平協議で5月までの米軍撤退に合意していた。

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バイデン米大統領[Photo by gettyimages]

バイデン政権の方針は5月の撤退期限を超えたが、それでも完全撤退には変わりはない。5月27日付の米ニューヨーク・タイムズ電子版によれば、実際には撤退作業が加速し、予定した9月を待たずに「7月中旬までに撤退が完了する見通し」という(https://www.nytimes.com/2021/05/25/us/politics/us-afghanistan-withdrawal.html)。

米国史上、もっとも長い戦争と言われたアフガニスタン戦争が、ようやく終わりを告げるのは間違いない。とはいえ、それは「米国にとっての終わり」にすぎず、アフガニスタンにとっては「新たな戦いの始まり」になる可能性が高い。

米軍撤退でタリバンが復活し、再び政権奪取を狙っているからだ。実際、撤退発表後、首都カブールでは、トラックの爆発で27人が死亡する事件が起きた。カブール大学の教授が銃撃され、カンダハール国際空港がロケット砲で砲撃される事件も起きている。

それだけではない。

後に残されたアフガン政府軍の機能にも、支障が出ている。装備の補修などは民間の契約会社が担っていたが、米軍撤退とともに、民間会社も撤退し始めたからだ。中核になっていたのは、約6000人の米国人を派遣していた複数の米国企業である。

その結果、政府軍のヘリコプターが5月にタリバンの攻撃で故障したが、修理できず、放置されたままになった。カブール国際空港を守っていたトルコ軍も撤退する可能性がある。各国外交団には出入国の安全に不安が高まり、オーストラリア大使館は閉鎖を決めた。

米軍撤退によって、アフガニスタン国内が混乱すれば、タリバンやイスラム国、アルカイダといった武装勢力が再び、国内外でのテロ活動を活発化させる可能性がある。バイデン政権にとっては、これが米軍撤退に伴う最大のリスクである。

それでも政権内外の反対論を押し切って、バイデン氏が撤退を決めたのは、中国との戦いに資源を集中する必要があったからだ。

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アントニー・ブリンケン米国務長官[Photo by gettyimages]

次の相手は「中国」だ

バイデン氏は4月14日の会見で、中国を念頭に「目の前にある問題に注力しなければならない」と語った。アントニー・ブリンケン国務長官も米テレビ番組で「対中関係のほか、気候変動や新型コロナへの対応など重要な問題が他にある」と強調した。

ブリンケン氏が「気候変動」や「新型コロナ」に言及したのは、付け足しだろう。真の理由が「中国」であるのは疑いない。

アフガン戦争が、いかに資金を食いつぶしてきたか。

米ブラウン大学の試算によれば、米国は2001年以来、アフガン戦争には約2兆ドル(220兆円)をつぎ込んだ、という。年1000億ドルだ。これに対して、インド太平洋軍がアジアでの軍事力強化のために議会に要求した予算は、今後6年間で273億ドルでしかない。年45.5億ドルだ。

単純計算ではあるが、米軍はアフガン撤退でアジア太平洋に20倍の資金を投入する余裕ができる形になる。中国を睨んだ軍事力は、飛躍的に強化されるかもしれない。

バイデン氏が会見した4月14日は、菅義偉首相と初の対面による日米首脳会談を2日後に控えたタイミングだった。日米会談の共同声明は「台湾海峡の安定」に言及し、中国をけん制した(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82487)。バイデン氏はアフガン撤退の発表日にも「中国との戦いに備える」というメッセージをにじませたのである。

撤退は「痛し痒し」な中国の事情

中国はアフガニスタンの米軍を「占領軍」と呼んで、駐留の長期化に反対してきた。とはいえ、米軍撤退は中国にとって「痛し痒し」の面がある。中国の影響力を拡大するチャンスである一方、イスラム系武装勢力が中国国内に浸透する可能性があるからだ。

そんな懸念を隠しきれないように、中国の王毅外相は6月3日、アフガニスタンのモハンマド・ハニーフ・アトマル外相、パキスタンのシャー・マヘムード・クレーシ外相とビデオ会議で会談し「アフガニスタンの治安悪化とテロリスト勢力の復活を阻止する」ことで合意した(https://apnews.com/article/afghanistan-china-business-ece4d88d97f845a4c0e1d0e1be7bbb31)。

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中国の王毅外相[Photo by gettyimages]

中国では、かねて新疆ウイグル自治区の分離独立を目指す過激派組織「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」の活動が指摘されてきた。中国共産党は「ETIMがアルカイダなどと連携している」と主張している。

報じられただけでも、天安門広場での車両暴走事件(2013年)や新疆ウイグル自治区のウルムチ駅で起きた爆発事件(2014年)などが起きている。これらがETIMによる事件だったのかどうかは不明だが、中国共産党が神経を尖らせているのは間違いない。

いま人権弾圧として、大きな焦点になっているイスラム系ウイグル人の大量強制収容も、これらのテロ事件に脅威を覚えた中国共産党が暴走した結果と言える。

新疆ウイグル自治区はアフガニスタンと国境を接している。米軍撤退でイスラム過激派の勢いが復活すれば、それはそのまま、中国の脅威になる可能性がある。中国は米軍撤退を歓迎する一方「いよいよ、やっかいな敵が迫ってくる」と不安を募らせているのだ。

中国が不安になれば、米国はほくそ笑む。

バイデン政権は絶対に口に出して言わないだろうが、あわよくば「イスラム過激派が対中包囲網の一翼を担ってくれれば、都合がいい」という判断もあったのではないか。私は「あったに違いない」と思う。「毒をもって毒を制す」である。

米国にそう都合よく、事が運ぶかどうかは分からない。ただ、いま米国にとって、イスラム過激派勢力と中国のどちらが大きな脅威か、と言えば、中国であるのは、あきらかだろう。

米国の世論はアフガン撤退に賛成が多い。5月4日付のニューズウィーク電子版は「民主党有権者で84%、共和党有権者で52%がバイデン氏の決定を支持している」と報じた(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/05/post-96208.php)。ちなみに、トランプ前大統領もバイデン政権の撤退表明を歓迎している。

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アメリカのトランプ前大統領[Photo by gettyimages]

いずれにせよ、1月の政権誕生以来、アフガン撤退はバイデン政権にとって最大の戦略的決定だった。言葉で脅威や和平を語ったのとは違って、約3500人の米軍撤退は現実の軍事バランスを大きく変化させる。そして、それはアフガニスタンにとどまらず、間違いなく、中国にも計り知れない影響を及ぼす。

米軍のアフガン撤退が中国に対する抑止力強化になるなら、日本や台湾、アジアの自由民主主義国にとっては、もちろんプラスである。

6月9日に配信した「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は、高橋さんと2人で新型コロナや東京五輪・パラリンピックの行方について議論しました。ぜひ、ご覧ください。

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