100万人以上の腰痛持ちを救ってきた整骨院院長が教える「脊柱菅ストレッチ」

100万人以上の腰痛持ちを救ってきた整骨院院長が教える「脊柱菅ストレッチ」

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2022/01/15
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腰痛やスポーツ障害の疾患に精通する酒井慎太郎先生

ここ10年で発症者数が着実に増えているという脊柱管狭窄症。脊柱管が狭くなった結果、内部の神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気だ。外科手術をしても再発の危険性に脅かされる脊柱管狭窄症のしびれや痛みとオサラバするべく、「イタ気持ちいい!」ストレッチを日々習慣づけて姿勢や骨の位置を整えたい。100万人以上の腰痛持ちを救ってきた整骨院院長が、その技を伝授する。

【図解】腰痛解消のためのポイント。他、ホットパンツとスポブラの美ボディでストレッチするnatsuさん

まずは腰痛セルフチェック

脊柱管狭窄症向けのストレッチを行なう前に、まずはセルフチェックシートで自分が該当する項目にチェックを入れよう。A、Bそれぞれに入るチェック個数で、抱えている腰痛のタイプが掴めてくる。脊柱管狭窄症の医学的な分類「神経根型」「馬尾型」とは異なり、自分にフィットするストレッチを探し出すためのチェックだ。

考案したのは、腰痛に悩む現役スポーツ選手や大手病院の医師にまで施術を行なってきた、さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎氏。チェックの結果、たとえば「A3個、B7個」なら、「腰痛タイプA向きストレッチを3割、B向きを7割」のような比率を目安にストレッチを行ない、自分にフィットしたオリジナルメニューを作成できる。

【腰痛タイプA】
・起床のとき、立ち上がる姿勢になるまで時間がかかる
・洗面台で顔を洗うとき、前かがみの姿勢で腰の痛みを感じる
・畳やフローリングなど硬い床で仰向けに寝ると、腰が痛い
・しばらく座っていた後や、前かがみになった後に、立つ姿勢に戻ると腰が痛い
・くしゃみ・咳のときや、トイレでいきむとき、腰に不快感が走る
・30分以上座ったり、車の運転を続けたりすると、腰の痛みで我慢できなくなる
・脚や尻に、しびれるような感覚をいつも持っている
・デスクワークや車の運転をする機会が多い/前かがみの姿勢をとることが多い
・ここ数年、ぎっくり腰を年1回以上やっている
・歩いているときより、同じ姿勢を続けるほうがツライ

【腰痛タイプB】
・若いときは姿勢の良さが自慢。腰痛とは無縁だった
・若いときも腰痛持ちではあったが、今の腰痛とは質が違うと感じる
・今まで自分の姿勢なんて意識することなく生きてきた
・しばらく歩くと腰や脚が重くなるが、一度座ったりして休むと楽になる
・姿勢によって、脚のだるさやしびれが変化する
・歩いていると、足の裏にしびれや違和感を覚える
・過去、椎間板ヘルニアと診断されたことがある
・腰の痛みが強まるのは、朝より夕方。また低気圧の接近時も痛みが増す
・最近なぜか排尿のタイミングが掴めず、失禁してしまうことがある
・腰が痛いと感じたらひたすら安静、じっと横になってやり過ごしてきた

【タイプ診断】
・腰痛タイプA「前にかがむと痛い!」

Aのチェック数が多いほど、「脊柱管狭窄症予備軍」(Aタイプ)だ。体を前に倒したとき、腰椎に過剰な負荷がかかることから、痛みやしびれが生じている状態だ。腰まわりの筋肉が緊張する筋・筋膜性腰痛(腰の筋肉痛)からスタートし、次第に椎間板ヘルニアへ進行していく

・腰痛タイプB「後ろに反ると痛い!」

Bのチェック項目が多い人は、Aタイプからさらに進んだ「脊柱管狭窄症」(Bタイプ)だ。腰椎分離症、腰椎すべり症の可能性も含まれる。体を後ろに反らすと痛みやしびれが生じるのは、腰椎の前側だけでなく背中側も変型したため。変型や分離をした骨や狭くなった脊柱管が神経を圧迫している。

ストレッチのお供は2つのボール

腰痛のタイプを把握したら、次はテニスボール2個をガムテープでグルっと巻いて固定した「ニコタマ」を用意。100円均一ショップでも入手できるテニスボールが、体格や年齢に関係なく誰でも使用できるストレッチアイテムに。指示されたポイントへ的確に当てて「ニコタマ」ストレッチを行なうだけで、ボールが骨と骨の間を広げ、痛みを和げる手伝いをしてくれる。

なお、これら一連のストレッチで血流がスムーズになり、関節の可動域が広がると、顔色は明るく変わり、ダイエット効果にも繋がるという。腰痛予備軍のみならず、健康体の人もぜひトライを!

【ストレッチのポイント】
・セルフチェックで判明したA、B各タイプの割合に沿って、ストレッチを組み合わせよう
・起床時、入浴後、就寝前がストレッチ・タイムに最適
・ストレッチは毎日実行。まずは結果が出始める3週間を目標に続けてみよう
・床で行なうストレッチは、布団の上でなく畳やフローリングなどの上でやること
・どのストレッチも「イタ気持ちいい」と感じるレベルを目安に。やり過ぎは逆効果に!

【注意点】
・腰椎の4~5番は刺激しない
腰椎はパーツごとに上から番号で呼ばれる。脊柱管狭窄症を起こしやすいのは4番~5番で、尾骨からちょうどテニスボール2個分を超えたあたり。そこの刺激はNGだ。

AとBどちらのタイプもOK「ニコタマ仙腸関節ストレッチ」

腰痛解消のヒケツはケツ上にアリ! 仙腸関節に2個のテニスボール「ニコタマ」で刺激を与え、こわばりをアッサリ軽減させるストレッチ。1日1~3回やると良い。

(1)尾骨の位置を確認
尻の割れ目の上にある骨の出っ張りが尾骨。そこにテニスボール1個を当てる(もしくは、片手で握りこぶしを作り尾骨に当てる)。

(2)ボール2個セットを上に
押し当てた1個のテニスボール(もしくは握りこぶし)の上へ乗せるよう、テープで固定したテニスボール2個(ニコタマ)を配置。ここが仙腸関節だ。

(3)下のボール1個を外す
ニコタマの位置を固定し、位置がずれないよう片手でしっかり押さえながら、ボール1個(握りこぶし)を外す。

(4)仰向けの姿勢になる
ニコタマの位置はそのまま、1~3分間仰向けに。腕はどこに置いてもOK。

腰痛タイプA向けストレッチ

日頃から前かがみ気味だった姿勢のクセを直し、体を後方へ引き戻す。

【立ちオットセイ】
立ったままでもできるオットセイ体操。壁に向かって両腕を伸ばし、両足を肩幅に広げて立つ。壁へ全体重をかけ、背中を反らせる。

【オットセイ体操】1日2~3回
腰の筋肉痛や、背中と腰のだるさや張りに悩む人向け。体を反らせて背筋を伸ばした後はスッキリ軽やか、この心地よさはクセになる。

(1)うつ伏せになり、床にひじをつける
うつ伏せの姿勢をとり、手のひらは顔の横に位置するよう床にぺったりとつける。ひじも床につけ、そのままゆっくり大きく息を吸う。

(2)腕を伸ばして背中を反らせる
息を吐きながらゆっくり腕を伸ばし、上体を起こしたまま1~3分間キープする。胸を張り、背筋を伸ばす姿勢を意識する。ヘソが床から離れるほど反らせられれば上出来。

【ニコタマ胸腰椎】1日1~3回
前傾姿勢の立ち仕事や運転業の従事者など、腰付近から上体を前に倒しがちな人にはとくに効くストレッチ。テニスボール2個セットを使用。

(1)肩甲骨と腰の間にニコタマをセット
ニコタマを背中側へまわし、肩甲骨と腰の間、背骨をはさんで対称になるよう置く。普段から前傾姿勢の人は、ちょうどそのあたりの骨が出っ張っている場合があり、そこを挟みこむようにセットする。

(2)ニコタマに乗って寝る
ニコタマの位置をキープしたまま仰向けになり、腰を反らすようなイメージで1~3分間そのままの姿勢を保つ。

【ニコタマ肩甲骨】1日1~3回
パソコンやスマホを長時間使い、肩と首だけ前へ出てしまう姿勢の人に効果的。胸を反らせて正しい姿勢を取り戻すためのストレッチだ。

(1)肩甲骨の高さにニコタマをセット
ニコタマを背中側へまわし、肩甲骨の中央部分にくるよう配置。

(2)ニコタマに乗って寝る
ニコタマの位置はそのまま、仰向けとなり胸を反らすイメージで1~3分間体勢をキープ。

腰痛タイプB向けストレッチ

寝たきりになる前に! 仙腸関節へのセルフケアで症状進行を食い止める。

【猫の祈り】1日 2~3回
猫のように体を丸めながらも、上半身は想像以上に伸ばせるストレッチ。狭くなった脊柱管を押し広げてくれるこのポーズは、毎日の習慣にしたい。

・正座をし、手を伸ばして前屈
正座をして両手を前に伸ばしながら、ゆっくりと上体を前へ倒す。背中から腰を伸ばすイメージを心がけ、上体を倒したまま1分間キープ。

・クッション使用で腰の丸みが深まる
クッションやバスタオルなど厚みのあるものをお腹に当てて行なうバージョン。腰の丸みがさらに強まり、脊柱管の伸びを実感できる。

【股関節ストレッチ】1日 1~2回
脊柱管狭窄症で日常の動きが制限されると、つい股関節が固まってしまいがち。歩き方改善にも繋がる股関節のセルフケアがオススメだ。

・痛いほうの脚の付け根を押す
仰向けになり、痛い側の脚の付け根部分に、もう片方の脚のかかとを当てて押す。そのまま30秒キープ。できるだけ付け根に近い部分までかかとを持ち上げるのがコツ。

【仙腸関節プッシュ】1日何回でもOK
外出先や、ちょっとした待ち時間にも仙腸関節にいいことをしよう。痛みを感じたらいつでも実行、椅子や段差を利用して手軽にできるストレッチだ。

・脚を後ろに上げ、仙腸関節ポイントを手で押す
痛みを感じる側の脚を、後ろの椅子や段差にかけて伸ばす。仙腸関節の位置に手を置き、45°くらいの斜め上から強めに押す。

万人向けストレッチ

どのタイプの脊柱管狭窄症でもOKのストレッチ。ラクになるための基本ストレッチだ。

【ブロック注射ストレッチ】1日何回でもOK
激しい痛みには、ボール1個で対処を。仙腸関節ポイントのやや下を狙い、コツさえ掴めば効果を実感できる。

・仙腸関節の少し下にボールを置いて仰向けに
「ニコタマ仙腸関節」で、ニコタマを当てていた位置の片方(より痛い側)に指を当てておく。その指の下にテニスボール1個を置き、ボールがずれないよう気をつけながら仰向けになる。痛くないほうの脚を、痛いほうの側へクロスさせ、ボールに体重をかけながら1~2分間辛抱する。

【体ひねりストレッチ】1日 1~2回
狭まった骨と骨の間、脊柱管を広げて腰痛の軽減を目指すストレッチ。シンプルな動きながら、体のゆがみ矯正にも効果的なので毎日実行を。

(1)痛みがあるほうの腰を上にして横になる
痛いほうの脚を90度に曲げ、その脚のひざを床へつける。床につけたひざが浮かないよう、脚とは反対側の手でひざを押さえる。もとすねの角度は90度。

(2)そのまま上半身だけ反対側にひねる
上半身をひねり、痛いほうの側の手を横に伸ばして肩を床につけるようにしながら30秒間キープ。腰の間が広がるイメージで行なう。

【首にニコタマ】1日3回まで
テニスボールを使ってストレートネックを改善するストレッチ。首から腰へつながる頸椎のS字カーブを取り戻すと、頸椎にかかる頭の重みが軽減。

(1)後頭骨の出っ張りを探す
両耳の斜め後ろにある後頭骨を探し、そのすぐ下のやわらかい部分に指を当てる。
(2)首にニコタマを置く
(1)で確認した部分に、ニコタマをセットする。
(3)ニコタマを当てたまま寝る
ボールの位置がズレないよう、厚さ2cmほどの本や雑誌をボールのストッパーとして肩の下に置いてもOK。1~2分、そのままの姿勢を保つ。顎を強くひき、頭のテッペンから引っ張られるようなイメージで首裏を伸ばす。

【脚L字固め】1日 1~3回
痛みのある側でトライすると、インナーマッスルに働きかけ、太ももや尻のガチガチな筋肉が緩んでくれる。

・ひざを外側へ90°に曲げながら寝る
仰向けになり、痛いほうの脚を外側へL字型に曲げ、ひざが90度になるよう意識。下半身の力を抜き、1~3分間そのままの体勢を保持。座った姿勢でもOK!。脚L字固めは、上半身を起こして座った姿勢でも行なえる。お尻や太もも裏にしびれや違和感、痛みがひどいときはその都度行なっても良い。

【腓骨頭ほぐし】1日1~3回
ひざ下に痛みやしびれがあるなら、このマッサージ。腓骨頭の位置を把握しておき、座ったときには揉みほぐす習慣を。腓骨頭は、ひざ下外側に指を置いてみて、ひざを曲げたときにグリグリと動く部分だ。

・ひざ下外側の出っ張りを揉む
椅子に座り、痛いほうの脚のひざを90度に曲げる。ひざ下外側にある腓骨頭(骨の出っ張った部分)をつまみ、1~3分間揉んだりグラグラ動かしたりする。

【脚振りストレッチ】1日 1~3回
脚を前後に振るだけでも、立派なストレッチに。脚の重力と遠心力を利用することで、神経や血液の流れを改善させつつ腰椎のバランスも整えていく。

・椅子の背などに手をかけて脚を前後に振る

痛みのない側に椅子を置いて手をかけ、痛い側の脚を前後に思いっきり振る。上半身は脚の勢いに引きずられないようキープし、ひざは曲げない。前後セットで30回こなすのが理想。とくにAタイプなら後ろへ、Bタイプなら前へ振る動きに重点を置く。

【プロフィール】
酒井慎太郎先生/さかいクリニックグループ代表。腰痛やスポーツ障害の疾患に精通するスペシャリスト。「関節包内矯正」を中心に施術を行なう。千葉ロッテマリーンズ元オフィシャルメディカルアドバイザー。

取材・文/山本真紀 撮影/黒石あみ モデル/PT.natsu Instagram(@natsu_fit02)

※週刊ポスト2022年1月14・21日号

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