短大卒の一般職女性社員が超有名企業で“欠かせない存在”になるまで

短大卒の一般職女性社員が超有名企業で“欠かせない存在”になるまで

  • マネーポストWEB
  • 更新日:2021/10/14
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短大卒で「一般職」として入社したある女性の会社人生とは(イメージ)

時代が令和に変わっても、日本企業が「学歴社会」である面はまだまだ残っている。たとえ実力があっても、学歴が低いことで損をしたり、不条理な思いをしたことがある人もいるだろう。そうした中で、「短大卒」という学歴ながら、超高学歴集団の一流企業で管理職になり、周囲から一目置かれる存在となっている女性会社員も存在する。ただ、別に彼女に仕事上の大きな実績があるわけではなく、かといって特別な資格があるわけでもない。時代の風潮に流されるかのように社内での地位を確固たるものにしていった、彼女の会社人生を紹介しよう。

神奈川県在住のヒロミさん(50代女性)がX社に入ったのは1990年のこと。X社は当時から現在に至るまで、就職人気ランキングで必ず上位に入る世界的企業だ。給与水準は極めて高く、近年の入社試験の倍率は数十倍。しかしヒロミさんが就職活動をしたのはバブル絶頂期で、一流企業が短大卒の女性をバンバン採用しており、それほど偏差値の高くない短大に通っていたヒロミさんでもX社に入ることが出来た。

ヒロミさんは「一般職」での採用だった。就職後に配属されたのは「秘書課」。部長や専務の秘書として「お茶出し」「コピー取り」「経費の精算」「アポ取り」「接待のお供」などの“雑用”をせっせとこなしたが、2000年を前にして社内に変革の風が吹く。

「入社して10年くらい経った時、“雑用は女性に”という風潮が問題視され、一般職というカテゴリーがなくなりました。それまで一般職は長居せず、結婚したら辞めるのが暗黙の了解でしたが、私は結婚する気がなく、『辞めたら二度とこんな良い会社には入れない』と思っていたので、もともと辞める気はゼロ。そのまま居残り続けたら、なし崩し的に数年後に総合職へとスライドしました」(ヒロミさん。以下同)

数十人いたはずの一般職の同期や先輩は1人、また1人と減り、気付いた時にはHさんだけに。待遇は総合職になったが、仕事の内容は一般職時代と同じで、上司に仕える身だったという。その後、他の部署に移り、雑用以外の仕事もするようになったが、どこへ行ってもヒロミさんは“特別な存在”だった。

「入社後、秘書として最初に仕えたのはMさんという役員でした。Mさんは仕事に厳しいと評判でしたが、私はとにかく世間知らずで、怖いもの知らずだったので、図々しくもMさんことを下の名前で呼んでいたんです。しかしMさんは怒るどころか、面白がって可愛がってくれ、飲みに連れて行ってもらったり、ゴルフにお供したりする内に、Mさん世代の人とすっかり仲良くなりました」

お偉方はみんな知り合い、肩書きも同期より上

50代や60代のおじさん連中の輪に若い女性がひとり入れば、チヤホヤされる図は目に浮かぶ。そうして可愛がられているうちに、ヒロミさんの社内人脈はどんどん広がっていく。

「Mさんはその後、グループの社長にまで上り詰め、社内でも完全に“雲の上の人”になりました。けれども私は下の名前で呼べる関係ですし、Mさんの周りを固める上層部も知り合いだらけ。同期や上司がガチガチに緊張して話すような人も、私は『どうも久しぶりです~~』といった感じなので、どこの部署に行っても“偉い人と仲が良い人”として一目置かれています」

ヒロミさんにしてみれば「ただ単に昔から知っているだけ」だが、周りはそうは受け止めない。同期や後輩はもちろん、上司から「○○さんに話を繋いでもらえないか」などと頼まれることもあるのだとか。さらに追い風は吹き続ける。

「最近になって、女性の管理職が少ないことが社の内外で問題視されるようになり、入社年次が古いというだけで、管理職に出世してしまいました。周りには東大や京大卒の同期がゴロゴロいるのに、短大卒の私が肩書きでは彼らより上なのは申し訳ないのですが……」

“肩書きだけ高いが、たいした仕事はしていない”と謙遜するヒロミさんだが、上層部の覚えは極めてめでたい。ヒロミさんのことをよく知る同僚の男性はいう。

「彼女に任せれば、接待や飲み会のセッティング、冠婚葬祭や贈り物などの手配はバッチリですし、ゴルフやカラオケでの立ち回り方も完璧です。一方で、偉い人が若い頃にやらかした失敗談を知っていますし、社内政治にも詳しいので、彼女の機嫌を損ねるなんてとんでもないこと。若い女性社員とも一緒にランチに行ったりして、そのハートもがっちり掴んでいるので、もはや仕事が出来る・出来ない云々の存在ではありません」(同僚の男性)

かくして社内で“女帝”のような立場になってしまったヒロミさん。時代の追い風もあったとはいえ、社内人脈という大きな財産を築き上げたコミュニケーション能力こそが、彼女最大の才能だったのかもしれない。ちなみに彼女の中ではいまだにバブル期は続いているようで、海外旅行や美食三昧により、実家暮らしなのに「貯金が100万円を超えたことはない」そうだ。

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