ヨーロッパで初めて飛行機を作った男サントス=デュモンをご存じですか?

ヨーロッパで初めて飛行機を作った男サントス=デュモンをご存じですか?

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/07/20
No image

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

ブラジルの「飛行機王」の生涯

1873年の今日(7月20日)、ヨーロッパにおける飛行機発明のパイオニアとして知られるアルベルト・サントス=デュモン(Alberto Santos-Dumont, 1873-1932)が誕生しました。

ブラジルの裕福なコーヒー農家の家に生まれたサントス=デュモンは幼い頃から乗り物に興味を持ち、母の所有するコーヒー農園でトラクターなどの運転を覚えるような少年期を過ごしていました。

No image

アルベルト・サントス=デュモン photo by GettyImages

彼がパリに渡ったのは1891年のことで、それからしばらくは気球やガソリンを用いた飛行船の開発に精を出してました。

1898年には母国ブラジルで気球の初飛行に成功。次いで飛行船の方も1901年にオー・ド・セーヌ県のサン・クルーという街からエッフェル塔まで、約11kmの飛行を成功させていました。

しかしその2年後の1903年12月、アメリカのライト兄弟が世界初となる飛行機によるフライトを成功させました。ライト兄弟のフライトはおおよそ40mほどとインパクトも薄く、当時の社会からは正しく評価されていませんでした。しかし、サントス=デュモンは違いました。

彼はライト兄弟初飛行の話に興味を持ち、自らの発明の方針を飛行船から飛行機に切り替えたのです。

そしてわずか3年後の1906年9月、彼はヨーロッパ初の動力飛行機「No.14-bis」を開発して公開飛行に成功しました。実験のたびにその飛行距離は伸びていき、同じ年の11月には100mの飛行に成功しています。

No image

サントス=デュモンの開発した飛行機「No.14-bis」 photo by GettyImages

彼の発明は世界に「飛行機時代」の到来を予感させるものでした。1909年には次作のマドモワゼル号が作られ、このモデルは第一次世界大戦に揺れる世界の中でも実用的に使用されました。

第一次世界大戦が終結し、母国ブラジルに帰国した彼は「ブラジルの飛行機王」として熱烈な歓迎を受けました。

しかし、新大統領であるヴァルガス大統領が就任して間もない当時のブラジルの情勢は安定しておらず、政治的な反乱など内乱が起こることがしばしばありました。

皮肉なことにそこで反乱の鎮圧に使用されたのがサントス=デュモンが作成した飛行機でした。彼はそのことに絶望して自らの命を絶ってしまいます。

サントス=デュモンの飛行機然り、ノーベルのダイナマイト然り、幸福を願って作られたはずの科学技術も使い方次第で人を不幸に追いやってしまうのです。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加