
川崎フロンターレに所属していた選手がピッチを離れた姿が描かれた。写真は2023年のチーム 撮影:中地拓也
5月28日、川崎フロンターレはJ1リーグ戦第15節として柏レイソルと対戦する。この試合を前に、クラブの歴史と選手の“その後”に迫るイベントが行われる。
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「川崎OutBreakers」と名付けられたそのイベントは、クラブに在籍経験のあるOB選手の中でも、「今」に特徴のあるOBが集結するものだ。
参加するのは鄭大世さん(2006~2010年在籍)、田中裕介さん(2011~2014年在籍)、武岡優斗さん(2014~2018年在籍)、小宮山尊信さん(2010~2016年在籍)、田中パウロ淳一選手(2012~2013年在籍)、井川祐輔さん(2006~2017年在籍)の6人で、クラブ特命大使の中西哲生さん(1997~2000年在籍)と中村憲剛さん(2003~2020年在籍)の2人も“回し役”で登場。OBだけでイレブンが揃いそうな勢いなのだ。
そんなビッグイベントを前に、川崎はある映像を披露した。5月22日に公式ユーチューブで「【卒業後の今に密着】”vol.1 武岡優斗” とりあえずサッカー界に残らないと決めた。でも…」と題されたもので、武岡さんの「今」に迫る密着ドキュメントだ。等々力競技場での試合前の選手紹介と同じイントロから始まる9分56秒の映像に映し出されるのは、かつてDFやMFとして歓声を浴びた武岡さんがサラリーマンとして”今”を生きている姿だ。
■「とりあえず残らない」と決断
現役を引退度、サッカー界から離れて再生医療関連事業会社『セルソース』に勤務しているという武岡さんが前にするのは、ピッチではなくパソコン。ピッチの上ではなくオフィスに通う日々や、仕事現場に向かう姿が流れる。
サービスを受けたアスリートを取材し記事を執筆しているというかつての背番号17のリアルが、そこにはある。ちなみに、その第1弾はかつて等々力で共闘したGK新井章太だったという。現在、ジェフユナイテッド千葉のゴールを守る34歳と、引退後も”仕事”を共にしたのだ。
この映像の中で、武岡さんはサッカー界から離れた理由についても語っている。サッカーをすることは好きだったものの指導者に興味がなかったことを明かし、「サッカー界に残るのは違うな」と決断の瞬間を振り返った。そして、「どうしよう」「マジどうしよう」「何しよう」「なに興味あるかな」と自問自答を繰り返していた中で、「とりあえず残らない」とサッカーから離れることを決心した。
この動画に凝縮された葛藤やサッカー選手とは異なる仕事に向かう姿には、以下のようなコメントが寄せられており、ファン・サポーターの心を掴んでいることが分かる。
「とても素敵な企画!サッカー選手だった頃はプレーで、そして引退後は人として魅力を拝見できるのはとても嬉しいです」
「フロンターレに限らずJリーガーの引退後の指南書となる動画になってくれるといいですね」
「守備でも営業でも対人に強い男」
「2nd legでも1vs1に強そうだ」
「自分も含めて、色々な人の参考になると思う」
今後、このシリーズの動画がさらに4人分公開される予定となっており、Jリーガーの2ndキャリアを追うことができる。フロンターレサポーターだけでなく、サッカーファンやそのほかの人も含めて多くの人が見るべき内容となりそうだ。
【川崎OBが集結するイベント「川崎OutBreakers」】
5月28日のJ1・柏レイソル(等々力競技場)で行われる。イベント実施は12時30分~16時30分で、スタジアム内で行われるイベントは観戦チケットが必要なものの、スタジアム外で行われるものは観戦しない人でも参加可能。
OB選手とのじゃんけん大会やトークショーのほか、人間ブルドーザーゲームや鄭大世さんの母が屋台を開くなど、盛りだくさんの内容となっている。
サッカー批評編集部