『フリースタイルティーチャー』Kダブのパンチラインをサンプリングしたrisano「自分が自分である事を誇る」

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2021/01/12

1月6日に新年一発目の『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)が放送された。今週の対戦カードは、Lety(BananaLemon) & DOTAMA VS yukarin(hy4_4yh) & ID、成瀬瑛美(でんぱ組.inc) & KEN THE 390 VS risano(lyrical school) & サイプレス上野の2試合だ。

DOTAMA譲りのキツいディスしか引き出しにないLetyの健気さ

第1試合はLety VS yukarin。注目はDOTAMAに指導されたLetyである。日本語、ポルトガル語、韓国語等を話せるクァドリンガルであり、レッスン開始前から期待の存在だった。しかし、いざ練習を始めると彼女が一番フリースタイルに苦戦したのだ。あまりの対応のできなさに悔しさで涙を見せたほど。果たして、本番ではどうなってしまうのだろう? 不安でいっぱいだ。

いや、やっぱり女性は凄い。予想外にLetyのディスが容赦ないのだ。みんなから心配された彼女が、いきなりyukarinにとんでもないことを言い出した。

Lety 「hy4_4yh  yukarin15年やってきたらしい
でも アンタの名前1回も聞いた事が無い どういう事だ それは
15カ月連続でシングル出してるけど それも話題になってない
歳取っただけのおばさん 頑張ってください」

練習では泣いていたものの、さすがはDOTAMAの教え子である。本番ではバチバチにディスっていく。ただ、相手が悪かった。yukarinがとてつもく強固なのだ。躊躇なく急所を狙いにくるLetyの攻めにひるまず、余裕で打ち返す。

yukarin 「4カ国語しゃべれても マジで
このバトルに全然 活かせてない
大丈夫? 温かいアナザースカイぐらいの方が
お前 似合ってんじゃない?」

「温かい」と「アナザースカイ」で踏みながら、「話題になってない」のディスを逆手に取り「メジャーフィールドの『アナザースカイ』がお前には丁度いい。厳しいこの番組には場違いだ」とディスり返すカッコよさ。前回の成瀬戦で放ったライム「アングラに幸あれ」の立ち位置をより鮮明にするアンサーだった。

容姿や認知度などわかりやすい要素をディスりがちのLetyに対し、yukarinはよりディープな対話を求めにいく。

yukarin 「マジ 今日このバトル もっと言う事あんだろ
エグってこいよ 私のこの心」

Lety   「アンタの内面 全然知らねぇよ 話題になってねぇもん
知らねぇよ アンタが誰かなんて
どんな中身? 知らねぇよ
そんなんだったら アンタ
ドキュメンタリーとか作ったらいいじゃん
アンタの中身 知らねぇよ」

Letyは「知らねぇよ」を言い過ぎである。FORKより「知らねぇ」を言っているのではないか? それも決め台詞として使っているのではなく、言葉に詰まって「知らねぇよ」しか言えなくなっているのがバレバレだ。彼女のティーチャーはDOTAMAだ。教わったことを出そうとしたら、自ずと引き出しはキツめのディスばかりになってしまう。yukarinはそこを突いた。

yukarin 「お前 マジ不良品だな そのラップ
マジで私 返品希望だわ お前 単品じゃ使い物になんねぇ
私 ここでJumping」

「返品」と「Jumping」で踏みつつ、Letyの口の悪さを「不良品」と喩えたyukarinのきめの細かさを評価したい。対するLetyはそれでもキツめのディスで何とか対抗しようとした。ここまで一途だと逆に健気に見えてくる。

Lety 「身長の割に顔がデケぇんだよ 他に言う事ねぇよ」

やはり、表層的な要素を攻撃し続けるLety。しかし、この口の悪さは度が過ぎた気がする。女性に向かって「顔がデカい」って……。yukarinは大丈夫だろうか? いや、心配は無用だった。なんと彼女、「顔デケぇんだよ」とディスられた場面をTwitterアカウントのヘッダー画像に使っているのだ。yukarinの芯と体幹の強さに脱帽だ。

このバトルはyukarinが勝利を収めた。正直、この試合はフリースタイル VS 口喧嘩という印象だった。「おばさん」と言われたyukarinが言葉通りに人生の経験値でLetyを包み、そして圧倒したという形。yukarinはこれで2連勝だ。

第2試合は成瀬 VS risanoの一戦。この日のケンザは黄色いスタジャンを着て成瀬とカラーを合わせているし、サ上はオレンジのパーカーを着てrisanoとペアルックだ。スチューデントのイメージカラーに合わせにいく辺り、ティーチャーの優しさが見え隠れする。

筆者の印象では、今回の優勝候補筆頭はrisanoだ。「Have Fun」をサ上から植え付けられた彼女だが、実は技術的なことは何一つ教わっていない。なのに、うまいのだ。声質とフロウが天下一品。もしかしたら、サ上でもrisanoほどの乗り方はできない気がする。

ディスり合いを望む成瀬は、Have Funを貫くrisanoに挑発を仕掛けた。

成瀬  「これは楽しいラブバトルじゃないよ
バチバチのバトルなんだから ファンファン言ってねぇで
もっとかかって来いや」
risano 「全然 何 言ってるか聞こえないな」

やはり、HAVE FUNを貫いたrisano。バチバチのやり合いをけしかけられても、「聞こえない」とバトルにあるまじきリアクションで捌いたのだ。絶対にrisanoはブレない。この態度もある意味、自己主張だと思う。彼女は自身の信念を言葉にした。

risano 「でも 私は1人しかいない だから 自分で頑張る
自分が自分である事を誇る そういう奴が最後に残る」

「自分が自分である事を誇る そういう奴が最後に残る」は、Kダブシャインの楽曲「ラストエンペラー」のパンチラインからのサンプリングだ。Kダブの名言を引用したrisanoがMC席に視線をやると、敬礼のポーズでKダブが応えている。

また「私は1人しかいない」のライムは、アイドルをやりながら様々な分野へチャレンジした成瀬とは反対に「私はアイドルラップ1本で行く!」と高らかに宣言するrisanoの決意表明にも聞こえた。『スター☆トゥインクルプリキュア』(テレビ朝日系)の声優でもある成瀬にrisanoが放ったライム「トゥインクル トゥインクルプリキュア 私 韻踏むフリースタイラー」も同様の意図だ。

risanoはフロウが秀逸だ。それに対し、成瀬のラップにはメロディがある。声色を変えながら乗り続けるフリースタイルは、もうほとんど歌だ。声色を変え、ターンしながら決めたラップは純正アイドルならでは。ディスを受け流し、フロウとビートの乗り方で勝負しようとするrisanoとのスタイル対決だと言える。

フリースタイルバトルは自らの悔しさやコンプレックスを武器にしがちだが、2人のバトルは違った。完全に、陽 VS 陽なのだ。2人は見るからに相性が良く、高スキルのrisanoに引っ張られて成瀬からも好ラップがドンドン出てきた。最終的にこのバトルは2-1で成瀬が勝利したが、2人がサイファーをすれば抜群のものが生まれるのでは? と期待感を抱いてしまう。闘った後に両者の中でリスペクトが生まれるバトルだった。

さて、次回はどうやら成瀬 VS 恋汐りんご(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI)の一戦が行われるようだ。これはエモい! 完全なるアイドル対決だ。アイドルファンからすれば、そわそわさせられるマッチメイクだろう。見どころは、成瀬の表現力と恋汐の実直さである。

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