巨人より阪神が“上”の時代が続く予感も 様々な分野で感じる2球団の“勢いの差”

巨人より阪神が“上”の時代が続く予感も 様々な分野で感じる2球団の“勢いの差”

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  • 更新日:2023/11/21
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今季限りで退任となった巨人・原辰徳監督

今季は球界の盟主・巨人と阪神の今までの立場が逆転したように感じるシーズンとなった。

阪神は「ARE(優勝)」を目標に掲げ、チームとファンが一丸となり38年ぶりに日本一を達成。一方、巨人は優勝争いから早々と脱落して2年連続Bクラスに低迷、原辰徳監督は任期途中での退任となり阿部慎之助監督が誕生することとなった。

「今シーズンの開幕前から目標や勢いに差があるように思えた。球団方針が明確化できていない球団との違いが出てしまった。完敗を認めざるを得ない」(巨人OB)

熱烈なG党の徳光和夫氏をしても「正直、申しまして初めて阪神ファンに嫉妬したかな。良いチームと出会って応援できているなと感じたんであります」(11月11日ニッポン放送「徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー」)とラジオ番組内で発言したほどだった。

巨人は2019、2020年とセ・リーグ連覇を達成したが、日本シリーズではソフトバンク相手に2年連続の4連敗。その後のシーズンでも“名門の意地”をかけて日本一返り咲きを狙っていたが……。

「現状に満足していたわけではないだろうが方向性が良くなかったようだ。世代交代への危機感も薄くチーム編成のバランスも悪かった」(巨人OB)

長年にわたって投打でチームを支えてきた菅野智之、坂本勇人の2人がベテランの領域に入り、岡本和真を除いて20代の選手が出てこない中で補強戦略に苦戦。2020年オフにはFAでDeNAから井納翔一と梶谷隆幸、2021年の開幕前には田口麗斗との交換で廣岡大志(現オリックス)をヤクルトから獲得するも期待に程遠い成績となるなど、外から上手く戦力を取り入れられなかった。

「(廣岡との交換で)ヤクルトに移籍した田口の活躍は目を見張るものがあった。(巨人の球団内では)編成部や他球団選手の調査をするプロスカウトに対して批判が出たのはいうまでもない」(巨人担当記者)

若手は育ち始めてはいる。投手では戸郷翔征(23歳)がエース級の安定感を披露するようになり、今季10勝の山﨑伊織(25歳)を筆頭に赤星優志(24歳)、横川凱(23歳)、井上温大(22歳)らブレイクを期待できる選手が増えつつある。また、野手もルーキー門脇誠(22歳)、秋広優人(21歳)、中山礼都(21歳)など次代の選手が徐々に頭角を現しつつある。だが、世代交代が後手後手になってしまった感は否めない。

「若手選手が育ち始めたところで原監督が退任。生え抜き選手の育成に本気で取り組むのが遅かったことが証明されてしまった」(在京球団編成担当)

対する阪神は以前から若手育成に取り組んでおり、岡田彰布監督就任と時期を合わせるように結果が出た形。野手は近本光司(29歳)、中野拓夢(27歳)、大山悠輔(28歳)、佐藤輝明(24歳)、木浪聖也(29歳)、投手では伊藤将司(27歳)、村上頌樹(25歳)をはじめ20代の選手が順調に育ち一軍に定着している。

「編成部の一貫性のなさが阪神との差になって現れた。しかし巨人も少しずつ若手が出てきているので数年後には追い付き、追い越して欲しいとは思う」(巨人OB)

若手育成はもちろん、FAで従来通りの補強をできなくなったことも巨人が勢いを失った原因となった。自前で選手を育てた阪神とは対照的だ。

「巨人では少しでも結果がでないと外から来た選手への風向きが強くなり、試合から外されるケースも多い。伸び伸びと楽しくプレーしたい選手が増えている。自ら巨人を選び周囲に気を遣って窮屈にプレーしたい選手は少なくなった」(在京テレビ局スポーツ担当)

「今の選手は現実主義でメジャーへの憧れはあっても国内球団はどこも同じと考えている。また条件面で言えばソフトバンクなど、多額のお金を提示する球団も増えるなど、時代は大きく変化している」(巨人担当記者)

巨人が阪神と比べ“劣勢”になっていると感じるところは他にもある。

「試合以外の部分でも遅れをとっているように感じる。35年前にできた東京ドームは古臭い球場になってしまい、100億円をかけたという大型改修もビジョン設置やVIPスペースなど小手先でしかしない。自前球場ではないので難しい部分もあるが、エスコンフィールド北海道やマツダスタジアムに比べ時代遅れ感は明白」(在京テレビ局スポーツ担当)

一方、阪神は伝統ある本拠地を上手くアップデートしている。2007年から本拠地の甲子園球場を段階的に改修、今も球場周辺のリノベーションの真っ最中だ。ファンにとって楽しめるだけでなくクラブハウスや室内練習場など選手のプレー環境も格段に進歩している。

「阪神球団は阪急阪神ホールディングス内での優良コンテンツだけに全ての動きがクイック。巨人は親会社も経営的に苦戦しているのだろうが、(今後は)グラウンド内外ですべきことを適切なスピード感で行うことが重要になる」(巨人担当記者)

野球の方では日本一の回数が巨人は22回(リーグ優勝38回)、一方で阪神は日本一2回(リーグ優勝6回)と比較にはならない。しかし“ブランド力”という意味では、近年勢いを失っている巨人に対して、阪神は地元の関西地方での根強い人気や、魅力ある本拠地も適切に進化させて価値を高めているように感じる。

「歴史が最もある老舗球団の巨人が輝いているから他球団も追いつけ、追い越せで必死になる。今こそ歯を食いしばって頑張れと言いたい」(巨人OB)

「巨人が勝てば日本経済は良くなる」と徳光氏をはじめ、多くの熱烈G党が胸を張って宣言していたのも昔の話だ。とはいえ、いまだに球界に強い影響力があるのも事実。このまま盟主が黙っているとは考えにくい。若い選手がそろう阪神の強さが今後も続きそうな予感もあるが、巨人が様々な意味で巻き返すことで球界がより盛り上がるのは間違いないだろう。

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