「ダサい我が子」が教えてくれた、洋服とは競うものではないということ【エディター昼田祥子さん】

「ダサい我が子」が教えてくれた、洋服とは競うものではないということ【エディター昼田祥子さん】

  • mi-mollet(ミモレ)
  • 更新日:2023/03/20

こんにちは、エディターの昼田です。

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シャツ/ロペピクニック デニム/ユニクロ

娘が生まれたとき、可愛いお洋服をたくさん着せたいな、とワクワクしたことを覚えています。が、思った通りにはいかないものですね(笑)。

親の選んだ服を素直に着てくれたのは2才くらいまで。今となっては自分が気に入らないものはたとえ制服だろうが、ルールだろうが、絶対着ないという超こだわり派。
それはいいのですが、問題なのは「親が思うかわいい」と「娘が思うかわいい」が全然違うこと。

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ご存知の通り、母の私は「あっさり派」なのに、娘は真逆の「こってり派」。ハート柄のアウターにくまのタイツ、キャラクターのバッグ。一個だけみると別に問題はないのですが、好きなものを全部MIXするから変なコーディネートになっちゃうわけです。

娘としては恥ずかしいなんて感情はなく、むしろ好きなものを着ているから超ごきげん。でもね、母さんは穴があったら入りたいと何度思ったことか……(笑)。

我が子ながら、娘の格好が恥ずかしい。そんなことを思っていた私が考え方を180度変えることになったのは、アンパンミュージアムでの出来事。

入場を待つ親子連れ。私も娘の手を引いて待っていました。パッと子どもたちの格好を見ると、トータルバランスもばっちり。大人のコーデをサイズダウンしたような大人顔負けのおしゃれコーデで決めている子もいるなか、娘のアンバランスなコーディネートにがっかり……。またしても私は、恥ずかしいって感情が沸いてしまったんです。

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この日の格好は、こってり度弱め(笑)。

ちょっと待って。こういう嫌な感情になる時は、必ず自分の中に勝手な「思い込み」があるんです。

大人のようなまとまりのあるコーディネートは◯
娘のようなチグハグなコーディネートは×

私の思考はこうでした。他人を正解にしてしまうと、自分はNGになりますよね。だから恥ずかしい、うちの娘はダメなコーデとなって嫌な感情になってしまう。
でも、チグハグなコーディネートを◯にしてみます。柄と柄を合わせるセンス。「そうだ、うちの娘は早くもモード系なのだ!」と捉えることにしてみたら、一気に気持ちが楽になったんです。

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常人が思いつかないようなコーデが繰り広げられる、モードの世界。私の格好はコンサバ系だけど、ファッション雑誌がどちらのタイプもあるように、どちらのテイストもあっていい。そもそも競ったり、ジャッジする必要もないですよね。

いいじゃん、いいじゃん。早くもモード系! 「ものさし」を変えてみたら、娘の格好が一切気にならなくなったんです。

実はこの一件があって気付かされたのは、私の愚かさ。それは親がいいと思う服を着てもらいたい、言い方を変えれば、親の言う通りになってもらいたい。つまり、私は子供をコントロールしようとしていたわけです。

自分の「着たい!」よりも親の顔色を伺いながら洋服を選ぶようになったら、人生においても自分が信じた道よりも親が望むような道を歩もうとするかもしれない。親にいいと思われるための選択をし続けることの悲惨さ。大袈裟な話じゃないと思うんですよ。あぁ、恐ろしい……。
娘には自分が好きなことをして楽しく生きてほしい。そう思いながらも、私がやっていたことは「洋服は決めさせないけれど、自分の人生は自分で決めてね」と、なんとも傲慢な人間じゃないですか。

家族であっても、娘と私は別の人間。洋服も人生も、娘が決める。親としてのスタンスが定まってからは、私のセリフはいつも「あなたはどう思う?どうしたい?」です。

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幼稚園の服も、お出かけ着も、自分で決めるのが一番。

自分がいいと思った服を選び、好きなように着る。小さなことかもしれませんが、自分で選べたという満足感の積み重ねが、必ず大きなことに繋がると信じています。小さなことだけど自分で選べたなら、この先の大きなことだって力強く選択できるはず。母さんは楽しみだよ、あなたの未来が!

撮影・スタイリング・文/昼田祥子
構成/出原杏子

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昼田 祥子

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