「柴犬は愛玩犬じゃない!」 ガブガブ嚙む子犬、「楽しい」と「ガマン」を覚え大変身

「柴犬は愛玩犬じゃない!」 ガブガブ嚙む子犬、「楽しい」と「ガマン」を覚え大変身

  • sippo
  • 更新日:2020/10/18

手や足をめった噛みし、お父さんとお母さんを途方にくれさせた白柴の女の子、ココちゃん。生後3カ月、ワクチンが終わってすぐに「UG DOGSアトラスタワー中目黒店」(以下UG)の「社会化お泊まり」に参加することに(前回のお話はこちら)。

激アツ店長、都会のど真ん中、中目黒の駅前で叫ぶ。

「柴犬は愛玩犬じゃない!」

(末尾に写真特集があります)

初めて見る犬の群れにルール無視で暴れるココちゃん。ほとんどの犬がドン引きする中で、一匹の犬が遊び相手を買って出てくれた。フレンチブルドッグのバロンくんだ。実はバロンくんも最初はココちゃん同様、社会化不足でUGへやってきたが、先輩の柴犬が相手をしてくれた経験がある。

「先輩犬と遊び、ときに注意されることで子犬は成長する。そして、次はその子が後輩犬を受け止めるーー。それがUGの群れのルール。犬には犬にしか教えられないことがある」(高橋店長)

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先輩犬、フレンチブルドッグの「バロンくん」と、おもいっきり遊んで発散!

ハイパーすぎて犬の幼稚園や保育園で断られ、UGにやってくる子犬は少なくない。そんなハイパー犬同士の遊びは激しい。しかし、基本的には止めないという。

「人間の子どもだって友達と大騒ぎして遊びますよね? 子犬だって同じ。遊びたい気持ちや体力を無理やり押さえ込んでしまうと、そのエネルギーが、噛む、吠えるといった行動につながってしまうこともある。とことん遊んで、とことん騒いで、クタクタに疲れて爆睡すれば、子犬は満足して落ち着くのです」と高橋店長。

一方で、先輩犬や来店客に攻撃的に吠えたり、嫌がる犬にしつこく仕かける場合は、店長やスタッフの「指導」が入る。「UGは無法地帯じゃない。ダメなものはダメと学ぶことも大切です」

「楽しい」と同時に「ガマン」を教える

ココちゃんのお泊まりで高橋店長が力を入れたのが、お散歩だ。外の世界に触れ体力を使うお散歩は、子犬にとって最高の刺激と発散の場。目黒川のほとり、さらには代官山まで。東京屈指の賑やかな街でも、ココちゃんは怯むことなくどんどん歩いた。店に帰ってきたら、また犬を相手に遊びまくる。疲れたらみんなとお昼寝。

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遊び疲れたらパタンキュー

楽しいことと同時にガマンも教える。顔や首まわりを触られるのを嫌がる柴犬は多く、首輪をつけるのに何時間もかかって、挙げ句の果てに腕がえぐれるほど噛まれたという飼い主は、UGのカウンセリングでは定番のパターン。

ココちゃんはそこまでひどくはなかったものの、口のまわりりを触ると最初はガウガウ。しかし、落ち着いていくのと同時に受け入れるようになっていったという。

刺激と発散を繰り返し、ガマンも覚えたココちゃん。「店長から送られてくる写真や動画のココに日ごとに笑顔が増え、楽しそうな姿、リラックスしている様子が伝わってきました」。そう話すお母さんに、店長は「ココちゃんの目の前で動くもの、たとえば長いスカートなどは着ないほうがいい」とアドバイス。

子犬は目の前で動くものが気になって興奮し、勢い噛みにつながることもあるようだ。「夫がよく手をひらひらさせて遊んでいて、それもココを興奮させたのかも」とお母さん。興奮しやすい子犬には、興奮のスイッチを入れないようにすることも大切。

ちなみにココちゃんのお母さんは、スカートだけでなく、ネックレスやピアスなど揺れるアクセサリーも封印した。

「柴犬は愛玩犬じゃない」

そして、店長からもっとも強く言われたのが、「ココちゃんが満足するまで、とことんお散歩すること」。

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お散歩は刺激がいっぱい。楽しいのが、この表情から伝わります

このアドバイスに、お父さんは驚いたという。ペットショップでは「お散歩は1日30分程度で大丈夫」と言われていたからだ。「その言葉を信じていたら、ココは噛むことでしかエネルギーもストレスも発散できず、本気で噛む犬になってしまっていたかもしれません」

高橋店長は語る。

「白くてかわいいけれど、ココちゃんは立派な柴犬です。柴犬はもともとは番犬として飼われていただけあり、強い心を持ち、信頼関係がなければ攻撃することもある。昔は近所の柴犬に吠えられたり、追いかけられたりしたことがきっかけで犬が苦手になった人が多かったですよね?

それが最近の和犬ブームも手伝って『柴犬=ほっこりした犬』のイメージで飼う人が増えた。もちろん穏やかな子もいますが、でも柴犬をなめたらダメ。成犬になった柴犬が本気で噛むようになったら、家族は笑って暮らせません。

柴犬は柴犬。トイプードルにはなれない。柴犬は愛玩犬じゃないのです」

3泊4日のお泊まり(現在は7泊8日のシステムに変更)を経験し、見違えるほど落ち着いたココちゃん。ところが、お迎えに来たお父さん、お母さんに大興奮! またガブガブし始めた。

「お二人とも『以前よりは触ることができる』と喜んでいたけれど、お泊まりははじめの一歩にすぎない。まずはお散歩を頑張ること、その上でできれば少しの間、通ってもらうようにお願いしました」と高橋店長。

ココちゃん一家は店長のアドバイスどおり、朝晩各1時間を超えるお散歩を続けた。「幼いころのココは走るのが大好きだったので、夫婦でジャージ姿で街の中を爆走し、汗だくヘトヘトに。優雅なお散歩に憧れましたね」とお母さんは笑う。

同時に定期的にUGに通って犬同士のコミュニケーションを学び、後輩犬の相手もできるようになったココちゃん。そんな日々を過ごす中で噛みはどんどん減っていった。

嚙むからダメ、ではなく、なぜ嚙むのか考え、向き合う

ほかの犬にもフレンドリーで友達も増えたが、2歳になったころ、突然初対面の犬が苦手になってしまった。近寄られると唸って威嚇してしまう。「正直ショックでした」とお母さん。

成長とともに新たな不安や心配事が出てきたが、そのたびに高橋店長に相談しながら、「ココの変化を受け止め、受け入れ、ドッグランなどたくさんの知らないワンちゃんがいる場所には行かないようにするなど、折り合いをつけていきました。そんな風に私たちも変わりながら、少しずつ家族になっていったように思います」と振り返る。

5歳になったココちゃんは、笑顔がステキなレディーに成長。今やフォロワー数が15000を超える大人気インスタドッグ(@cocoinu)だ。

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すっかりステキなレディになった現在のココちゃん。これもご家族の努力のたまもの

「小さいころから知っているワンちゃんたちとは仲良くできるけれど、初対面の子は相変わらず苦手だし、抱っこも好きじゃない。最近はお散歩中に歩くのを拒むことも。でも、それがココ、それが柴犬なんだと思えるように。最近は心と心が通じ合っていると感じます」と、お母さんは愛おしそうに目を細めた。

多くの「噛む犬とその家族」をカウンセリングしてきた高橋店長はこう語る。

「噛むからダメな犬、ではなく、なぜ噛むのかを考え、きちんと向き合う。そんな風に飼い主さんの意識が変われば、子犬は変わるし、お互いが笑顔で暮らせるようになるのです」

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高橋信行店長 プロフィール

物心がつく頃から動物関係の仕事に就きたいと考え、動物系の専門学校を卒業後、ペットショップに就職。いくつかの転職を経て、現在はUGペットアトラスタワー中目黒店店長。これまでカウンセリングは1300件以上、お泊まりで預かった犬は1000匹を超える。愛犬は、最近家族になったジャック・ラッセル・テリア「ロイス」。

UG DOGS アトラスタワー中目黒店

住所:東京都目黒区上目黒1-26-1 中目黒アトラスタワー106
TEL:03-5708-5592
営業時間:11:00~20:00(年中無休)
公式サイト:https://anm.ugpet.jp/

店長ブログ:https://www.ugpet.com/blog/anm/
※カウンセリングは電話、対面とも要予約。HPや高橋さんのブログをチェックした上で問い合わせを。

中津海麻子

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