
6月22日、東京・新宿RenyでSKE48・古畑奈和のソロライブ「かえるぴょこぴょこ 3ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ 6ぴょこぴょきょ」が行われた。
古畑がソロライブを本拠地のSKE48劇場以外で開催したのは、2019年6月が初めてのこと。昨年12月に2度目を開催し、今回が3回目。
初回は古畑から「“よっしゃいくぞー”は禁止」というお触れが出された。アイドルのライブとしてではなく、違う見方をしてほしいという希望の表れだった。その証拠に、48グループ系の楽曲はおよそ半分に抑え、ボカロP制作の楽曲などを歌っている。
2回目は、アイドルパート、ダンスパートなどに分けた構成。いくつもの面を楽しんでもらおうという試みがなされた。ナース服着用で登壇したのもそれが理由だろう。
そして、迎えた3回目。なんと今回は全21曲すべて48楽曲縛り! いや、よく考えたら2ndもほとんどが48楽曲だったからそんなに驚くことはないのかもしれない。しかしながら、このタイミングにて48楽曲で縛ると違う意味が発生してくる。違う意味とは――そう、卒業だ。
今年5月、古畑はSKE48からの卒業を発表した。発表時には笑顔を浮かべる瞬間さえあった。本人的には踏ん切りはすでについているようだった。いつから考えていたか、なぜ踏ん切りがついたのか、については今後のインタビューで明らかにしていきたいが、9月に卒業を控えた古畑は、アイドルとしてやり残したことがないよう、秋までにすべてやっておこうというモードに入っているように見えた。言ってみれば、ウイニングランだ。
古畑がSKE48に加入したのは2011年10月。菅なな子とともに5期生の先頭を走ってきた。握手会で見せる“古畑ジャンプ”で注目された。AKB48との兼任も経験した。選抜総選挙では2度も選抜入り(16位以内)できた。シングル『FRUSTRATION』でセンターにも立った。昨年は活動10周年を迎えた。先月は1st写真集も出版できた。アイドルとしてもうやり残したことはないのだろう。
いや、細かいことをいえば、まだいくつかやっていないことがある。それを回収するのはソロライブしかない。そんなことを考えながら今回のセットリストを考案したように見えた。ただ、本人は終演間際のMCで、「SKE48では最後のソロライブになるということで、ファンの皆さんに楽しみ尽くしてほしいなと思って、好きな曲を集めて、いろんな色を見せることで、楽しかったという気持ちを膨らませていきたいと思いました」と語っている。たしかに古畑奈和版『わるきー』を披露したあたりは、ファンサービス、ファンへの感謝にプラスして、楽しい空間にするという意図が垣間見えた。趣味であるゲームを取り入れた演出も同じベクトルのものだろう。
そうだ、思い出した。古畑はしんみりした空気や真面目なムードを好まないのだ。卒業発表でもそうだった。そうなると、9月24日の卒コンはいったいどんな空間になるのだろう?
同日、須田亜香里の卒コンも開催されるが、須田のそれとはまったく違う色を見せてくれるはずだ。
文●犬飼華