優しい隣人には引きこもりの娘が...20代女性が「格安2DK物件」に引っ越して後悔

優しい隣人には引きこもりの娘が...20代女性が「格安2DK物件」に引っ越して後悔

  • bizSPA!フレッシュ
  • 更新日:2021/09/16

一見地味な友人が実は何股もかけていた。仕事を完ぺきにこなす同僚の部屋が実は汚部屋だった……他人の思わぬ本性をふとした瞬間を垣間見て、驚いたことはありませんか。無償の優しさの裏にとんでもない思惑があったことを知り、戦慄した体験をしたというのが古橋莉子さん(仮名・28歳)。

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※画像はイメージです

転職を機に「初めての一人暮らし」を

「現在勤めているネット系の企業に転職した時のことです。自分にとってはステップアップになるような転職でしたが、その頃にもうひとつチャレンジしたことがありました」

今まで一度も実家から出たことがなかった古橋さんは、転職を機にひとり暮らしを始めることにしたのです。

「海外ドラマで観た部屋に憧れて、どうしても寝室と居室を分けたかったんです。不動産の仕事をしている知人に相談したところ、幸いにも格安の2DKの物件を探してきてもらえました」

希望に叶う部屋が見つかり、晴れて一人暮らしを始めることになった古橋さんですが、心配なことがあったそうです。

隣人の「年配の女性」が気になり…

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「大学時代の友人が、隣人とトラブルになって痩せるほど苦労したのをそばで見ていたので、私もうまくやれるか心配だったんです。それで部屋の契約をする前に、隣の部屋の人と話をしてみることにしました」

古橋さんが選ぼうとしていた部屋は角部屋で、隣人は年配の女性でした。

「挨拶に行くと、朗らかで優しそうな印象を受けました。ごみ捨てのルールや周辺にあるおすすめのお店も教えてくれましたし、ひとまず安心して契約することにしたんです。隣人は顔を合わせれば声をかけてくれたり、お裾分けをくれたりしましたね。まだ会社に気楽に話せる人間もいなかったので、隣人と会話することで、精神的にけっこう助けられる面があったんです」

互いの部屋を行き来するまでの関係に

そのうちに、古橋さんの家に隣人がお菓子を持ってやってきて、部屋に上がって話をするまでの関係になったそうです。

「うちで話していた時だと思いますが、隣人に少し驚く話をされたんです。『実は娘と暮らしている』と言われて……数か月間、娘さんを1度も見たことがなかったので、かなり驚いてしまいましたね……」

隣人は深刻そうな顔で、古橋さんにとある相談を持ち掛けます。

「娘さんは私よりも2つ年下ですが、高校に上がった頃から引きこもっていて、一度も働いたことがないそうでした。それで、神妙な顔つきで『うちの娘と友達になってくれない?』と言われたんです」

隣人の部屋はひどい有様だった

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正直なところ、この頼みばかりは重いものを感じたという古橋さんですが、断ることはできなかったといいます。

「それまで色々と良くしてもらっていましたし、自分にできることがあれば協力すべきかなとも思ったんです。そして後日、最初は同じ部屋にいてくれるだけでいいからと言われて、休みの日にお邪魔したんですが、玄関を入って驚きました。家の中がめちゃくちゃだったんです。壁に穴が空いていたり、壁紙に血みたいな跡がついていたり。娘さんが暴れてやったそうです」

隣人はいつも身綺麗にしていたので、部屋の中がそんな状況だったとは想像すらしていなかったそうです。

「居間に通されると、そこも捨てそびれたゴミだらけでひどい有様でした。私は緊張しながら娘さんが来るのを待っていました」

会話が成立しないが母親は満足げ…

そうして現れた娘さんは……。

「髪はボサボサで、身体はガリガリに痩せていて、真夏なのに上下スウェット姿。こちらが何か話しかけても何も答えてくれなく……。異様な感じがして私は戸惑うばかりでしたが、母親である隣人は私たちの様子を見てニコニコしていて……すごく奇妙な時間でした」

古橋さんは友人関係を築くのは無理だと思ったそうですが……。

「私の思いとは裏腹に、接触する機会は増えていく一方。夕飯に招待されるようになって、3人で夕飯をとることもありましたね……。『娘があなたのことを慕っている』と言うんですが、まともに会話もしてませんし、そんな感じは全然しませんでした。

徐々に隣人が娘さんを連れて私の部屋に遊びにくるようにもなってしまいました。忙しいと断っても、『少しだけだから』と強引に。娘さんと2人きりにされるんですが、やはりコミュニケーションは全く取れませんでした。私に話しかけられるのが苦痛そうで……うめき声を出したり、イラついた様子で腕をボリボリと掻いたりするので、段々と声をかけられなくなりました」

コンビニ飯ばかり食べていたら怒られて

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次第に隣人に恐怖心を感じるようになったといいます。

「隣人はしきりに『あなたは私の娘のようなもの』と言い、私がコンビニ飯ばかりだと気づくと、本気で怒られるようになりました。隣人との関係ではなくなっていて、勝手に家族面され、ひどく居心地が悪い感じが否めませんでした」

だんだんと古橋さんは追い詰められるような感覚に陥っていきます。

「家に帰るのが嫌になっていきましたね……。連日訪ねてくるようになって、私が帰宅すると、玄関を開ける前にやってきて一緒に上がり込んできたりするんです。そうして待っているのは、隣人からの小言と、娘さんとの2人きりの時間です。頭がおかしくなりそうでした」

耐えられなくなり夜逃げすることに

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そんな生活に苦しめられる中、古橋さんはあることを決意します。

「気づかれないようにしてこっそり引っ越すことにしたんです。夜中の引っ越しを専門にしている業者があったので、そこに頼むことにしました。業者の人は静かに荷物を運び出してくれましたが、隣人に気づかれて、怒鳴り込んでくるんじゃないかと思うと気が気じゃありませんでした」

そうして、古橋さんは1年も経たずに引っ越しをすることに……。ですが他に選択肢はなかったといいます。

「部屋をゆっくり決めている時間はなかったので、前の部屋より手狭で割高な物件になりましたが、それでも引っ越せて良かったと思います。あのままあの部屋に住んでいたらどうなっていたか……。いまだにインターホンが鳴ると怖いんです。もしもモニターに隣人の顔が映ったらと思うと、心臓がバクバクと高鳴るので出れないことが多いんです……」

古橋さんの初めてのひとり暮らしは期せずしてまるでサスペンスドラマのような展開になってしまいました。教訓として、無理だと感じた段階でしっかり「NO」と言い、一線を引くことが大切なのかもしれません。

<TEXT/和泉太郎 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

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【和泉太郎】

込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

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