人気漫画「北斗の拳」の誕生40周年を記念するイベントが18日、原作者・武論尊さんのふるさと、長野県佐久市の佐久平交流センターで開かれ、約300人のファンがアニメの上映や作品誕生をめぐる秘話が明かされた対談などを楽しんだ。
北斗の拳は1983~88年に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載された。この日の目玉イベントとなった記念対談では、当時の担当編集者だった堀江信彦さんが社長を務める漫画出版社「コアミックス」の持田修一取締役と武論尊さんが、作品がどのように生み出されていったのかなど裏話を披露した。
武論尊さんは、最初から全体のストーリーがあったわけではなく、毎週考え、一話一話積み上げていった物語であったと紹介。作画の原哲夫さんに渡す原作は、400字詰め原稿用紙に鉛筆の手書きで1話あたり15枚ほどにまとめ、重要な名セリフが浮かぶと自然に大きな文字で力が入ったと振り返った。
「北斗神拳」の必殺技が鍼灸(しんきゅう)師のツボの本を参考にして生まれたことや、作品がバイオレンスを強調することに主眼があったのではなく、その根底にある愛やかなしみを描こうとしていたことも語られた。
対談の最初と最後には、アニメ主題歌の「ユリア…永遠に」と「愛をとりもどせ!!」をクリスタルキングのムッシュ吉崎さんが熱唱した。
対談を聴いた上田市の会社員男性(46)は小学生時代に作品に出会ったといい、「今も作品を読み返すが、40年たっても色あせない。今だからわかることもある」と話した。