故人の口座が凍結されてしまった場合の解決策は?

故人の口座が凍結されてしまった場合の解決策は?

  • ファイナンシャルフィールド
  • 更新日:2021/11/25
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口座の凍結はいつまで?

銀行が口座名義人の死亡を知ると、その口座は凍結されます。そしてそれは、相続手続きが完了するまで解除されません。しかし、葬儀費用や同居している方の生活費など、当面のお金が必要な際に引き出せないとなると非常に困ります。そのために、銀行では所定の書類を提出することで凍結を解除できます。

口座凍結を解除するための手続き

口座凍結を解除するためには、相続手続き完了後にその口座を解約、もしくは相続人に名義変更するための手続きが必要です。しかし、遺産分割が完了する以前であってもすぐに必要な金額(当面の生活費や葬儀費用等)を引き出せる「遺産分割前の払戻し制度」もあります。

■遺産分割前の払戻し制度

この制度を使うことにより、遺産分割が決定する前であっても、相続人から申し出ることで一定金額までを引き出すことが可能です。その際には、本人確認書類に加え、「故人の出生から死亡までの連続した除籍謄本、もしくは戸籍謄本(全部事項証明書)」と「相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)」、さらに「払戻しを希望する人の印鑑証明書」が必要です。また、引き出せる金額は1つの金融機関ごとに150万円までと決まっており、それ以上の金額を引き出すには家庭裁判所の仮分割の仮処分が必要となります。

相続手続き完了後、口座凍結を解除するために必要な書類

相続手続き完了後に口座凍結を解除する際には、その相続手続きがどのような方法によってなされたのかによって、その解除手続きの際に必要な書類が異なります。また、いずれの相続手続きをする場合でも、以下の書類は共通して必要です。

・故人の死亡が確認できる戸籍謄本
・実印
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
・各金融機関への手続き依頼書および通帳や届出印

■遺言書に基づいて相続手続きが完了した場合

遺言書に基づいて相続手続きが完了した場合は、共通書類と併せて「遺言書」が必要です。もし、その遺言書が「自筆証書遺言」もしくは「秘密証書遺言」である場合は、家庭裁判所の検認済み証明書も必要となります。

■法定相続分に基づいて相続手続きが完了した場合

法定相続分に基づいて相続手続きが完了した場合は、以下の書類を用意する必要があります。

・故人の出生から死亡までの連続した除籍謄本、もしくは戸籍謄本(全部証明書)
・相続人全員の戸籍謄本(全部証明書)
・凍結解除を行う人の実印
・すべての相続人の印鑑証明書

■遺産分割協議によって相続手続きが完了した場合

遺産分割協議によって相続手続きが完了した場合は、法定相続分に基づいて相続手続きが完了した場合に必要となる書類と合わせて、「遺産分割協議書」の提出が求められます。

死亡後すぐに預金を引き出す際の注意点

前述のとおり、銀行が口座名義人の死亡を知るまでは口座が凍結されることはありません。しかし、その死亡後に預金を引き出した場合は、相続において単純承認を行ったとみなされるケースがあります。単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産も含めたすべての財産を相続するということです。したがって、亡くなった人にマイナスの財産(借金)などがあり、それらについて相続したくないといった限定承認や、相続そのものを放棄しよう(相続放棄)と思っている場合は、それができなくなる可能性がありますので注意が必要です。

凍結される前に行っておきたい対応

長らく入院しているなどの場合であれば、本人の了承を得たうえで、医療費や介護費と併せてある程度の金額を引き出しておくのもひとつです。その際には、葬儀費用も併せてどのくらいのお金が必要になるかをあらかじめ把握しておくことも大切です。ただし、遺産分割協議などの際にトラブルにならないよう、引き出したお金をどの費用に充てたのかをきちんと分かるようにしておくほか、領収書なども保管しておくようにしましょう。

まとめ

亡くなった後、役所への届け出など期日のあることを優先し、銀行の口座に関しては後回しになってしまうことがあります。しかし、口座が凍結されてしまうと、故人の通帳から引き落とされるものがあったり、入金される予定があったりした場合、それらができなくなってしまいます。凍結された場合にすぐに対応にあたれるよう、解除するための手続きに必要な書類にはどういったものがあるのか、事前に把握しておくようにしましょう。必要な書類は、金融機関によって異なることもありますので、事前に調べておくことも忘れないようにしてください。執筆者:新井智美CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

執筆者 : 新井智美

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